患者さんがつらくなくて
結果の良い治療を実現したいと
常々考え、日々の診療をおこなっておりますが
歯科の治療には
きちんとやろうとすれば、まだまだ大変な治療、
というのがあります。

それらをいかに克服するか
それが当院の今後の課題と
考えます。

いくつか例をあげて説明しますと


1、根管治療の治療時間

当院では根の治療にあたっては
ラバーダムというゴムのマスクを使用し、
マイクロスコープという顕微鏡下での
清潔で安全な根管治療を
行っておりますが、
ラバーダムを装着している間
患者さんは口を閉じたり、
ゆすいだりすることができません。

また顕微鏡下での治療は
従来の手探りの治療と違い、
汚染部が「見えすぎてしまって」
その清掃はもちろん確実にできるように
なったのですが
逆に治療時間がかかるように
なりました。

当院では一回の根管治療のアポイントは
1時間です。
治療の説明や麻酔の時間もありますので
1時間口を開きっぱなし、という
ことではありませんが
結構長い時間になります。

寝ているうちに終わった、という方も
いらっしゃいますが、
口を長くあけていると顎が疲れてしょうがない
という方の場合
結構大変で、治療後私も
大変申し訳ないと感じます。

形状記憶合金の器具の導入や
新しいテクニックで
少しは早くなりつつあるのですが
やはりまだまだ時間のかかる処置です。

今後、新たな機器やテクニックの開発があれば
安全かつ確実であることが大前提ですが
今後も積極的に導入して
ゆきたいと思います。


2、麻酔の使用回数

神経のある歯を削らなければならないときは
私は麻酔をしたいと思います。

歯科では時に
「どうしても痛い時は麻酔しますから」とお伝えして
辛いようだったら麻酔する、という
進め方もあるのですが
私はあまり好ましいとは思えません。

患者さんによってはえらく我慢してしまったりとか、
そうでなくても「いつ痛むか分らない」というのは
結構怖いと思います。
ですので痛みが予測される場合
麻酔をしたいと思います。

しかしここで問題になるのは、

「歯を削るわけではないけど
ちょっと痛い処置、
または痛いかもしれない処置」です。

たとえば型取りをする時。
神経のある歯を
削るわけではありませんが
削った面を清掃したり、乾燥したりなど
「しみる」から「いたい」位の
感覚があると思います。

かぶせものなどを装着するときは
さらに強めの刺激があります。

痛みをなくしてきちんとした治療を
しようとすると
どうしても麻酔を使用する機会が
多くなってしまいます。

しかし麻酔後のしびれ感も
決して快適なものではありません。

ちょっとくらい痛んでも
できるだけ麻酔はしないでほしい、
という方もいらっしゃいます。

痛みの感覚は
個人差の大きいものです。
私は患者さんのそれまでの様子などから
判断しますが
どちらかというと麻酔を多用する方だと
思います。

「もし麻酔するくらいなら
少々の痛みを我慢する方がいい」
というご希望の方は
そのようにお伝えください。
その場合も
もちろん様子を見ながら進めますが、
できるだけご希望に沿いたいと思います。


3、難しい親知らずの抜歯

深い位置にある親知らずの抜歯などの場合
麻酔の効きが悪くて苦労することがあります。
そのような場合のいろんな対応のテクニックはあるのですが
手を尽くしても、やっぱり効きが悪いことがあります。

あまりに大変そうな場合
抜歯を中止することもありますし
2回法抜歯という方法に切り替えることもあります。


4、口を開けているのがつらい方の歯科治療

口を大きく開けたり
開け続けているのが
大変な方の場合、
治療の内容にもよりますが
術者、患者さんともに
大変苦労することがあります。

あごの関節に不調和があって
口のあけた状態が不安定だったり
寝てる間などにくいしばりの
習慣があったりして
疲労がたまっていたりすると

患者さんの意に反して
治療中に顎ががくがくしたり
閉じてきてしまったりします。

そして困ったことに
そのような傾向のある方の場合
普段から、関節、筋肉そして
歯にも過度の負荷がかかっていることが多く
治療が完全でないと
逆に歯にダメージが加わる危険性すらあるため、

顎が疲れて治療が大変な方ほど
手間暇をかけてきっちり治療をしなければならない、
というジレンマが生じます。

患者さんが辛そうですと
私も大変疲れますので
いろいろ対策を試みたり、
できるだけ集中的にすました方がいいのかと
頑張ってもらったりすることもありますが、

たとえ回数がかかっても
歯の寿命に影響しますから
絶対に手抜きはいけないと思います。

さらにそういう方ほど
責任の重い立場にあったり
忙しい方だったりするので
なかなか治療時間が取れない、となると
大変です。

詰めるだけで済むうちなら
少ない治療時間で済みます。

神経を取らなければならなかったり
かぶせなければならない、となると
結構時間がかかるようになります。

できるだけ詰めてすむうちに
再発ができるだけ少ないように
耐久性の高い材料で
きっちり詰めて

少なくとも半年に1回は検診に来ていただく、
そうすれば歯科治療に費やす
エネルギーと時間とコストは
最小限にすることができます。


*****


患者さんの治療への恐怖心をなくし
私自身のストレスをなくすためにも
あらゆる歯科の分野で
辛くない治療が実現できればと考えています。



このページ、なんだか
ずいぶん長くなってきてしまいました。












患者さんがつらくなくて結果が良い治療の両立を目指して