新製品?
最近の歯科学を大きく発展させたものはインプラントと
接着などの材料の進歩と
CAD/CAMや3Dプリンタ
拡大視野の導入
といったところでしょうか。
新しい分野には
どんどん新製品が出てきます。
発展してゆくこと自体は
いいことではありますが
例えば歯科用接着剤で
~という名前の製品が出たかと思うと
1,2年後には
「~EXが出ました」
「象牙質への接着強度が~%上がりました」
とか
さらに1,2年で
「~EXの新製品、~アルティメットです」
とか
カタログのスペックはどんどん上がってるわけですが
大きな問題があります。
患者さんの歯に補綴物が装着されて
歯科用接着剤が本当の意味で評価できるのは
少なくとも10年後でしょうか
接着技術の初期のころは
たくさんの手法や製品が出てきては
消えていきました。
明らかに失敗だったものもあります。
後で失敗だったと評価された手法で
治療された患者さんたちは
どうなったのでしょう。
よく勉強している先生が
最先端の手法や材料で治療したら
数年後にその方法や材料は不適切だったと
評価されて
恐ろしいことに
案の定
取れたり、折れたり
虫歯になったりしたわけです。
その時に
材料メーカーに文句を言いたくても
「もうその製品は販売されていません」
「~EXはもっと改良されています」
という話になります。
私は接着歯学会の認定医だったので
その移り変わりを見てきました。
(開業して研究発表がおっくうになって
やめましたが…)
インプラントでも
過去にはいろいろありました。
「最先端」は
気をつけなければいけませんね
最近ではレジンセメントにも
いろいろ種類があり
使い分けが必要ではありますが
当院では主に開業時から
4-META/MMA-TBBという
レジンセメントを使用しています。
使いこなすためには
様々な関連薬剤や
技術が必要ですが
きちんと使えば
その信頼性はピカイチです。
先日JPDという
世界的に大変権威のある
アメリカの補綴学の学術誌に
4-META/MMA-TBBレジンセメントの
43年間の臨床成績の有効性に関する
論文が掲載されました。
顕微鏡による拡大視野など
その技術自体によって
何か問題が起こるわけではないなら
積極的に導入すべきです。
ただ患者さんの身体に装着するもの
入れるものについては
当然ですが
慎重に吟味すべきだと
思います。
2022年03月01日 21:04