~かけがえのない歯を大切にする治療、価値ある治療結果、そしてつらくない治療をめざしています~

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日々雑感

新年(2025)

あけましておめでとうございます。

今朝はあまり寒くなかったので
夜明け前の道を
車の窓を開けて診療室まで走って来ました。
なかなか気持ちの良いものです。

明日(4日)から診療ですので
準備のために来てます。
もう正月も終わりです

年末年始は
のんびり過ごさせて頂きました。

最近は便利になって
学会や研修や症例報告が
ほとんどオンラインで見れるようになって

いつでもどこでも
夜中でも勉強できるようになり

今回もだいぶ知識を得ました。

他の仕事もそうかもしれませんが

学べば学ぶほど患者様に還元できる
ホントにいい仕事だと思います。

勉強中はすごい充実感で
いろいろなDrの視点を聞いて
なるほどそう来るか、とか

この人若いのにたいしたもんだな、とか
これちょっと詰めが甘くないか、とか

ただ困ったことに
いつでもログインするだけで勉強できるようになると

それ以外のことをしている時
例えば部屋の掃除をしていたり
のんびり過ごしていたりする時に
心の奥底で

「こんなことしてていいのか?」という思いになってしまい
学習していない時間に
あまり充実感を感じなくなってしまって
困ったものです。

youtubeなどをダラダラ見てしまうという事なら
デジタルデトックス、でいいかもしれませんが

本業に直結するとなると
見ないわけにいかないので

歯科医の世界も
この辺でまた差がつくのだろうなと
思います。

仕事モードとリラックスモードで
気持ちをどう切り替えるのか、

それとも、切り替える必要はないのか

いつも心のどこかで本業のことを考えている
プロはそれくらいでいいのかもしれません。

昔の私の恩師がそういう人でした。
もう亡くなってしまいましたが、

いつも歯科のことを考えていて
歯科は素晴らしい、が口癖で

ある日恩師が言いました。
「僕はねえ、リタイヤしたら
クイーンエリザベスで世界一周するんだよ」

私がすかさず
「先生、ホントにクイーンエリザベスで
世界一周したいんですか?」と聞くと

「君はイヤなことを聞くねえ」とのこと

仕事そのものが充実した日々
リタイヤする気など毛頭なく働き続ける
それは幸せかもしれないな、と思います。

私はまだまだ修行が足りませんが

最近ではラッキーなことに
歯科医の仕事も
パソコンの画面に向かって設計するようなことが増えてきて
マイクロもあるし

年をとっても
結構いけるかもしれません。

長くなりましたが
皆様のご多幸とご健康をお祈りいたします。
本年もよろしくお願いいたします。





 
2025年01月03日 06:42

白い歯

天然の歯は
ホワイトニング、(歯の漂白)で
白くできます。

最近は漂白薬剤も良くなりました。
ライトもLEDになり、熱も出にくいし
なにより漂白効果が高くなりました。

上手な施術をすれば痛くないですし。

最近はいろいろなものが、良くなりました。

歯並びは目立たないマウスピース矯正で治せますし
詰め物、かぶせ物の材料もより審美的になり
そしてホワイトニングも、良くなりました。

ホワイトニングを受けてみるとわかりますが
歯が白くなったり
口元がきれいになると

意識が変わります。

何となく見せたくないものだった歯が
見せたい歯に変わります。
笑いたい口に変わります。

見た目が変わると
気持ちの積極性、前向きさ、が変わってきます。

残りの人生における
このインパクトの大きさは
いかほどのものでしょう

中高年男性のホワイトニング、
ありだと思います。

80代で歯のホワイトニングをなさる患者様
当院では珍しくありません。
全然ありです。

あまり見せたくない歯から
見せたい歯へ
笑いたい口へ

「見せたい歯」プロジェクト
本格始動です。





 
2024年12月25日 20:56

サプリ

継続的な刺激や過度な刺激によって
神経伝達物質やホルモンなどの
応答性が低下することを
ダウンレギュレーションと言います。

いわば
慣れてしまった状態とでも
言いますか

オオカミ少年が
いつも「オオカミが来た」と騒ぐので
皆がそれに慣れてしまって
反応しにくくなった状態のような

過度な刺激に慣れて
感受性が低下した状態とも言えます。

過酷な状況の連続にも
精神的、心理的に破綻しなくて済むのも
ダウンレギュレーションのおかげかもしれませんし

日々の幸せや健康に慣れてしまって
感謝の気持ちを持ち続けることが難しいのも
ダウンレギュレーションであり

手足口病や
リンゴほっぺ病が子供に流行したのも
コロナで感染対策しすぎて
体が過度な清潔に慣れてしまって
免疫力が
ダウンレギュレーションしたらしい

満たされ過ぎると
野性的な生命維持機能まで
低下してしまう

糖分を取り過ぎると
インスリンの反応が低下して
糖尿病になってしまいますが
それもダウンレギュレーションです。

あと問題になるのは
サプリですね

努力しなくても
栄養素がいくらでも入ってくると思えば
体は努力して食物から吸収しようとしなくなります。

最近は抗老化物質として
NMNなどが有名ですが

本来アボカドやブロッコリーにも
入っているものですが

一粒でアボカド何百個分のNMN!みたいな
物を摂取していると
感受性が低下してしまうのではないかと思うのです。
(不要な分は尿で出るからいいのだ、という
意見もあります。)

私の考えとしては
基本、栄養素は食物からとるべきと思います。

ただし抗老化の研究の進歩は著しいので
この分野の研究者たちが言うように
「老化は病気」であり
老化を防ぐために抗老化薬を服用する時代が来たら
飲むかもしれません




 
2024年12月15日 20:51

枯れ葉

今日は時間ができたので
午後は技工作業などをやっていました。

なんだかこの時期は
毎年クリスマスソングなどかけながら
技工作業などやっているイメージがあります。

外は枯れ葉がさらさら音を立てて舞っていて

技工作業といっても
インプラントの型取りしたものを
ずれないように補強する作業など

型取りした2本の部品を
パターンレジンと言う材料で固定するのですが

レジンには重合収縮という性格があり
固まるときにほんのわずかですが
縮みます。コンマ数パーセントです。

2本の部品をつなぐときは
谷に橋を建設するときのように
両側から伸ばしていって
最後につなぐのですが

両側から伸ばしたレジンが
完全硬化し
重合収縮が終了して
もう収縮しない状態になってから
繋がないと

2本の柱をつなぐレジンが
引っ張り合ってしまって
変形します

変形すると技工物の精度が狂い
微妙に合わないものが出来てきてしまいます。

そして
両側から伸ばしてきたレジンを
最後に追加のレジンを盛って繋げるのですが、

最後に繋げるためのレジンの量も
最小限にしないと
ボリュームが大きいとその
重合収縮でずれてしまうので

最後に盛る量が最小限になるように
両側の柱から伸びるているレジンは
当たっているようで当たっていないくらいまで
近接させます。

ラフな目で見ると
くっついているように見えるでしょう。
しかし、離れている

そして最後に
わずかなレジンで繋げて
完全硬化したら
完成です。

同じ材料でやっているのに
見えない部分の配慮で
結果が違ってくるという

歯科はまだまだそういう部分が
いろいろあります。

その一方で
3Dプリンターとか
CADCAMといった先端技術も
歯科の世界では導入が進んでおり

歯とかぶせ物がぴったり合うことを
マージンが合う、という言い方を
我々の業界ではするのですが

昔は
「機械はまだまだ。やっぱり職人の腕にはかなわない」
と言われていました。

でも最近は
かなり腕のいい当院で依頼している技工士さんでも
「CADCAMの方がいいでしょうね」
と即答されます。

昔ブログに銀河鉄道999の
生身の身体と機械の身体の話を書きましたが

「機械の体なんて」と思っていても
テクノロジーが超進化すると

「あれ、なんか悪くないんじゃないの?」
みたいになってくる

最近のAIもそうですが
どんどん人間ぽくなってきて

ロボットが人間の姿に似てくると
人は人間と似て非なるものに対して
恐怖心を覚え、その事を
「不気味の谷」と言うらしいですが

それを超えたときには
一体何が起こるのでしょうか。





 
2024年12月14日 17:50

心臓移植

1967年、南アフリカ共和国の心臓外科医
クリスチャン・バーナード氏が
世界初の心臓移植を成功させるも
患者は18日後に死亡した

彼の第二症例は
術後593日生存。

その後世界各地で
堰を切ったように心臓移植が行われ、
その数は100例に達したが

その中には
札幌医科大学の和田教授によって
行われた心臓移植手術があり
世界で30例目だった。

手術を受けた男子高校生は
3週間後に病院の屋上を
散歩するほど回復を見せたが
83日後に亡くなった

当時は免疫抑制剤がなかったため
多くの施設が予期した成績が得られず
手術を中止していった。

その後の免疫抑制剤の開発
心筋保護液の開発などにより
長期生存例が続出するようになり

1990年代には
年間4400例
近年では年間5万例以上実施されているとの事

最近の心臓移植の予後は
国立循環器病研究センターの集計では
(1999年5月~2022年3月、N=155)
10年後の生存率が
なんと96%とのこと

最近の口腔インプラントも
ごく初期のものに比べると
全く別物になっています。

日々の臨床で
当たり前のように成功しても
それは実は
過去累々の犠牲のもとに成り立つ
医学ピラミッドの頂点を見ているのだと
言うことができるのだと思います。

 
2024年12月12日 12:25

能登

先月バイクでSSTRという
ツーリングラリーというものに
参加しました。

夜明けの太陽を太平洋側で見て
その日の日没までに
日本海側にある
石川県の千里浜のゴールに到達して
夕日を見るというやつで

夜明け前に東名高速道を飛ばして
湘南二宮インターに行き
朝日が昇るのを見てスタート、
各地でポイントを取りながら

富士山の横を通って
中央高速で松本まで行って
上高地の横を通って
飛騨高山を経由
東海北陸自動車道から
白川郷
北陸自動車道
内灘町から
のと里山街道で
千里浜海岸へ
夕日の海岸を走って、ゴールという

ご飯や水分補給は
バイクにまたがったままで

合計走行距離は
約500km、
なんとかクリアしました。

天気も良く
ゴールでへとへとになるかと思っていましたが
そうでもありませんでした。

次の日は金沢市から
高岡、氷見
七尾の観音島
能登島

ラリーの主催者から
行くのは能登豪雨の影響の比較的小さかった
穴水までにしてくれとの事でしたので
穴水まで

能登島のあたりまで行くと
能登半島地震の影響がまだまだ
色濃く残っていて

倒れた電柱
つぶれた車や家

島内のお店はほとんどやっていなくて
地元の人に聞くと
道の駅の駐車場は爆撃を受けたようになったと

穴水市は
地面が波打つようになってしまっていて
鉄筋コンクリートの建物が
土地に沈むように傾斜していて

頑張って復興を目指している
人たちもいて

正直な感想を言うのは
不謹慎かもしれないのですが

正直ここは
人が住み続けられる場所なのか
復興してもまた地震が来たら
地面は波打ち
ビルは沈み

そうなってしまわないのだろうか
と思ってしまいました。

帰りの金沢市に向かう高速道路も
半分は崖に落ちていたり
割れて1メートル近い段差ができていたり
10km、20km近く
そういう状態がずーっと続いていて

これは大変な土地だぞという
イメージを持ちました。


そして金沢からの帰路は
雨でした。

雨だ、参ったなと言いながら
実はテンションが上がっているという
ホントしょうがない
なんか子供みたいですが

ずぶぬれになりながら
高速を飛ばして
無事に帰ってきました。


 
2024年11月28日 18:38

肚(はら)

よく記者会見などで
「安心、安全を提供する」とか
「消費者に安心、安全を提供して」と
言われてますが

「安全」はまだ良いのですが
「安心」はキリがないのでは
と思います。

交通事故が怖いので外に出ない人もいる中で
皆に安心を提供するとか、
そもそも不可能な話で

一方で
大病にかかって生命の危機に瀕して
安心・安全とは正反対の状況の中でも
悲嘆に暮れることもなく
驚くほど前向きに
奇跡の復活をとげる人もいます

何が違うのだろうかと思います。

前向きで
悲観せず
いわゆる
肚(腹)が据わっている

昔このブログで
毎日剣を振っている80代の
世界的に有名な歯科技工士さんの
話を書きましたが
まさに肚の据わった人でした。

残念ながらその技工士さんは少し前に
心筋梗塞で突然亡くなってしまいましたが

今も「人類のために」と言って
世界を飛び回っているに違いありません。

私の身近でも
肚が据わっていて
大復活した人がいます

そういう人は
入院のベッドで寝ていて
体力を落としてしまうというのでなく

誰に言われるでもなく
体操したりして
当たり前に
復活に備えて
準備している

根本的なところで
驚くほどに
楽天的?というか
人生に希望を持ち続ける力と言うか

そういうものは
生まれつき持っている人もいるでしょうし、
波乱万丈の人生経験の結果、身に着ける人もいるでしょう。

ただそういう人達はあまり参考になりません。
肚の据わりを身に着けるためには
それを意識的に学び、身に着けた人から
学ぶ必要がある

そういう人は
日常のいろいろな機会を使って
自分の肚の落ち着きを試しているように見えます。

皆の前で、皆が自分の意見を皆が待っているときなど
ふつうドギマギしそうなのですが、
驚くほど平静に、じっくり時間をかけて考え
指示を出す

司馬遼太郎氏の関ケ原という歴史小説の中で
戦略や物流において優れた能吏であった
石田三成は
実質的に西軍の大将であったのに
戦の準備においても
何やかやと口を出さずにいられない性格だったのが

東軍の家康との大戦での出陣の前になると
周りが浮足立っているのに
どっしり時を待つようになり
その様子を見た側近の島左近が
「これは勝つかもしれん」
と思うシーンがありましたが

大事の前に
どっしりと構える
肚の据わり

これは
「安心・安全」とは
あまりにかけ離れた
相容れない概念だなあと
思います。


 
2024年11月25日 09:44

わからないこと

口腔内の細菌と全身の病気との関連は
最近研究が進んできていて

従来から言われていた
誤嚥性肺炎、心内膜炎、糖尿病のほかにも
様々な病気と関連があることがわかってきています。

私の医院は
かなり状況の悪い歯であっても
手を尽くして、できる限り歯を抜かない
努力をする医院ではありますが、

そこには常に
葛藤があります。

状況の特に悪くなってしまった歯は
手を尽くして治療したとして

すっきり元通りになるのかと言えば
そうでもないことも多くて

ちゃんと腫れは引いて
しっかり形も回復しても

すっかり治ったかのようで
やはり健康な歯より弱いことが多いです。

わずかに炎症が残ったり
まれに腫れたりすることもあったりして

そうなったときに
最後までそういう歯を残していいのか、という
思いがあったりします。

悪い歯が全身に影響することを
私たち歯科医が現実に経験することは
実感として
あまりないというか
めったにないのですが

それでも
脳卒中の病変部位から
う蝕細菌が見つかることもわかっていて

良くない歯を口腔内に残していた患者さんが
ある日、脳卒中(脳梗塞、脳出血、くも膜下出血)になった、
なんてことがあると

「あれを抜いておくべきだったんじゃないのか?」と

頭を抱えることがあります。

私自身
そうやって大事な人を過去に失う経験をしているので
でも、関連なんてわかりません。

歯は残すべきだと思うし
患者さんも残したがるし
でも、体を悪くしたら本末転倒
どころの話ではありません。

その歯は何の自覚症状もない歯でした。
レントゲンでは明らかに問題があり
前医での治療は手を尽くされており、それでも治っていなくて
抜歯が必要な状態でしたが、
自覚症状のまったくない歯を
まさか、抜きましょう、とは言えませんでした。

今ならCTやマイクロがあるので
もっと違う対応ができたかもしれません。

脳動脈瘤のクリッピング手術をすべきか相談を受け
年間0.5%程度の破裂率に
クリッピングの合併症発症率が2-3%

医者の言う成功率98%は
まず失敗はないという意味ですので

クリッピングを勧めるべきでした。
そこでまず一つ目の判断ミスをして

そしてあの歯を残したことは
二つ目の判断ミスだったのではないのかと

今も思うことがあるのです。

人の身体は強い
問題のある歯を抱えて元気に生活している人は
いくらでもいます。

できるだけ歯は抜くべきではないですが

これは正直に言っていいものか、とも思うのですが、

誰もわからないことだと思うのです。











 
2024年11月21日 19:47

抜歯しないことについて

何年か前に初診でいらした高齢の男性で
歯で悩んでいるとのこと

診察させていただくと
唇に手をかけただけで
「僕はダメなんですよ」
とおっしゃられて

何とかレントゲンと
口腔内規格写真というものを
撮影させていただいて

見てみると
上下入れ歯が入っているのですが

入れ歯の下には
虫歯で根だけになって
歯肉に埋まったり
膿んでいる歯が20本以上あり

これは大変だっただろうなあ
と思いました。

でも診療室で患者様に対して
「大変だったですね」とは言いません。
前医の否定になるので

その先生は富裕層の中では有名な?
先生だったようで

絶対抜かない、というのが
コンセプトだったとか

私も基本的に
歯をできるだけ残すという
考え方ですが、

前回のブログでも書きましたが
状態の悪い歯が残っていることで
その方の生活の質が低下するとか
健康に悪影響を及ぼすならば
話は別です。

もし今のお悩みを解決したいならば
根だけになって膿んでしまっている歯が
20本近く抜歯が必要で
残せそうな歯はしっかり根の治療をして
かぶせ直しと
上下入れ歯の作り直しが必要という話をしました。

費用も200万円以上かかる計画になり
驚かれて、どうするか決めかねるご様子でした

当然だと思います。
その歯科医がどんな診療をするのか
痛くなく、つらくないように
治療を完遂してくれるのか
治療前には
わからないわけです。

しかしながら
まともに食べられないことは
健康上の緊急事態であり
少しずつでも
治療を進めましょうという
話になりました。

唇を触るだけで
恐怖感があるほどなので
はじめは治療を受けることに対して
信頼感を持ってもらうことが必要と思い

最も簡単に終わりそうな抜歯処置を
1時間枠で麻酔から丁寧にさせていただき
治療時の反応を見ながら
少しずつ
ヘビーな処置へ(ヘビーな処置でも痛くなくします)

途中からは
信用していただいたようで
問題なく治療を進めることが
できました。

ただ過去に恐怖感を持ってしまった人は
ちょっとしたことで一気に戻ってしまうことがあるので
かなり配慮は必要でした

歯科恐怖症になってしまうような方は
実はもともと我慢強い方が多いのではと思います。

歯科医に気を使って
我慢しすぎるから
歯科治療との関係がうまくいかなくなるのかと

治療も一年近くかかりましたが
最後まで通っていただいて

上下の入れ歯も入り
微調整もして

治療が終わり
しばらく生活していただいて

チェックのために来院された時にひと言
「先生、これは芸術ですな」
との事でした。

初めの口腔内の状況を見た時には
私も最後まで治療が進んで満足してもらえるだろうか
という思いがありました。

初診の患者様で
口腔内の状態のかなり悪化してしまった方を
拝見するたびに
正直、
この方の治療を最後まで
うまく進めて、満足してもらえるだろうか
と思います。

何とかしてきたから
今があるのだと思いますが

1年計画とかですから
ヒマラヤに登るような感じで
途中何があるかわからない
冒険のような

途中無理をせずに
方針変更することもあります。

まだ学生のころリュックにテントを載せて
あるいは自転車にテントを括り付けて
よく小さな旅をしていました。

でも今はしなくなりました。
人生そのものが旅で
仕事こそが冒険の連続
だからかもしれません。








 
2024年11月14日 18:57

抜歯の基準

最近見た夢は
治療中の歯に亀裂が入っていることがわかり
それも亀裂が開き始めていて
だいぶやばい状態で

歯科の教科書的には
抜歯しなければいけないとされてるレベルの歯に

夢の中の自分が
「治療して残してみましょう」
と言っていて
患者さんが喜んでいる夢

朝方、夢であることに気づいて
まどろみながら
「おいおい、大丈夫なのか?
上手くいくかわからないのに
そんな安請け合いして
結局患者さんに迷惑かけるんじゃないのか」
と、心配になりました。

と同時に
数日前の治療で同じ状況があり
あーそういえばあの歯
うーん、どうかなあ

など考えていたら
目が覚めました

無理して残そうとして
治療に時間もかかり
費用もかかり

結局ダメになってしまうと
患者さんに迷惑をかけてしまう

しかし生体というものは
時に驚異的な回復力を見せることもあり
本来残せないはずだった歯が
すっきり治ることもある

すっきり治って
末永く使えてしまうこともあるし、

明らかに状態の悪かった歯が
根気強く丁寧な治療をした結果
驚くほど回復し
患者さんと一緒に喜んでいたら
しばらくしたら
結局ダメになってしまうこともある

人の体でもある事ですが
死期の近づいた方が
最期の直前にすごい元気になったりする

人がそうであるように
歯も生きようとしているのだと思います。

私が抜歯を判断する場合の
判断基準は

他の歯に迷惑をかける場合
例えば良くない状態の歯を残し過ぎると
その隣の健康な歯に悪影響を及ぼすことがあります

健康でいてほしい隣の歯の
支えている骨にまで悪影響を与えるようであれば
抜歯すべきです。

それから
その歯がある事で
体に悪影響を与える場合と

残したところで
噛む、という機能に
そもそも耐えられないほど
虫歯で小さくなってしまった歯

などでしょうか。


 
2024年11月10日 06:34

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