~かけがえのない歯を大切にする治療、価値ある治療結果、そしてつらくない治療をめざしています~

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日々雑感

睡眠問題

歯科で睡眠問題と言えば
睡眠時無呼吸を扱うことが多いです。

いわゆるいびき、と
睡眠中の間欠的な呼吸停止です。

それにより睡眠中に脳が覚醒してしまったり
心臓に負荷がかかったりします。

正しくは閉塞性睡眠時無呼吸といいます。

もちろん睡眠障害を生じる原因、疾患としては
これ以外にも多数あり
60種類以上の原因、疾患があるとされています。

睡眠問題により
仕事のパフォーマンスが上がらないことなどによる
国内での経済損失は
15兆円とも試算されています。

なお睡眠時無呼吸のために
医科、歯科に受診している患者さんは50万人

受診していない
潜在患者数は500万人ともいわれています。

これがもたらす健康被害としては
心筋梗塞などの心血管イベント発生率が
3倍になり
不正脈の発生率が4倍になり
脳血管障害、高血圧、糖尿病、肥満に
関係することが知られています。

歯科で製作する口腔内装置で
解決することもありますが

まず医科に紹介させていただき
原因疾患の検査と
PSG(ポリソムノグラフィー)といった
睡眠検査を受けていただき

睡眠障害に対する
アプローチの方法をどれにするか
検討する必要があります。

扁桃などが関係している場合
耳鼻科での対応になることもありますし、
歯科での口腔内装置が
適応になる場合もあります。

患者様ご本人の健康寿命の伸長にもなり
ご家族の睡眠問題の改善にもつながる
いびき、への対応

ご相談いただければ
お力になれるかもしれません。










 
2025年05月13日 17:51

AI

最近はかぶせ物などを作る際の
型取りの時に
口腔内スキャナーという機器を使うことが
多くなりました。

これを導入する際にも
どの機種がいいか、とか、どう違うか、とか
どういう時にはどの機能が有効か、とか
さんざんChatGPTに相談して

質問者のレベルに合わせて
回答のレベルを変えてくるAI

ホントになんという時代が来たのでしょう。
最近はあまりgoogle検索もしなくなってきました。

ちょっと前まで
人工知能やロボットが進化すると
人間の仕事で単純作業は
ロボットに奪われるのではないかと言われていましたが

昨今のAIの進歩は
単純作業でなく、むしろ
医師や弁護士などの高度な知的労働や
デザイナーなどの創造性を必要とする仕事を
人間から奪おうとしているようです。

で、口腔内スキャナーで製作した
かぶせ物などのクオリティーが
低いかというと、
全くそんなことはなくて

むしろ残念なことに
腕のいい技工士さんが
手作業で作ったものより
ぴったり合ったりします。

なぜかというと
従来の技工操作では
かぶせ物を作るのに
型を取り、
そこに石膏を注いで模型を作り
その上でかぶせ物を製作していました。

こういう作り方で
生体にぴったり合うかぶせ物を作るためには
精度が大事だ!と
探求し続けてきたわけですが

石膏模型と違って
人間の歯並びは噛み締めると歪みます

口腔内スキャナーで製作するかぶせ物は
噛み締めて歪んだ状態を取り込んで
バーチャル上でかぶせ物を製作するために
人の口の中に入れても、
しっかり噛んだ時にちょうど良い高さのものが出来てきます。

わずか数年前まで
使い物にならんと言われていたものが
主流になりつつあり

ほんとに時代の進歩は
想像を超えてきます。







 
2025年05月13日 16:29

引出し

治療時に
麻酔が効きにくいときは

術者側の麻酔の手技が適切でないか
患者さんが効きにくい遺伝形質をもっているか
その歯が麻酔が効きにくいほどの
炎症を起こしてしまっているか

などの理由があり(他にもあり)

それを解決していかなければ
つらくない治療は
実現できないと思われます。

術者は
その解決方法をいくつも
タンスの「引出し」のように
持っている必要があり

歯科に限らず
「引出し」の少ない医療従事者ほど
「痛くないですか」「大丈夫ですか」
といった言葉を
患者さんに問いかけなかったり
見て見ぬふりをする
傾向があるように思います。

上手くいかない時に
患者さんの指摘を受けることで
引出しの少ない自分を直視することになり
プライドが傷つくからでしょうか

医療従事者の
薄っぺらなプライド、
ほんとうにくだらないと思います
(過激な表現ですみません)


そういう
薄っぺらなプライドにこだわる
医療従事者の感情的な行動が
いかに医療の質を落とし
患者に迷惑をかけるか

診療室では
患者さんこそが
主人公であり

医療人の薄っぺらなプライドなど
どうでもいいことです

医療の質を落とす問題を見逃さないこと
患者さんに不快な思いをさせないこと

この点へのこだわりから
私はスタッフにとっても
やたら細かくてうるさい院長かもしれません

それぞれの院長はそれぞれ
こだわる点が違うと思うのですが

当院はそうありたいと思っています。







 

2025年05月13日 05:26

遺伝形質

遺伝的な形質が原因で歯科の一般的な麻酔薬が効きにくい
人たちがいることがわかっています。

一般的に局所麻酔薬は神経細胞の
ナトリウムチャンネルというものを
遮断することで効くのですが

一部の遺伝形質を持つ人達は
この構造や発現量が異なることにより
歯科で一般的な
リドカイン(商品名:キシロカイン)
という麻酔薬が効きにくい

そういう方たちが
効きにくい状態で無理やり
治療を受けてしまったために

歯科恐怖症になってしまっている
人たちがいます。

ただし遺伝形質により
麻酔が効きにくい確率は
低く、めったにいません。

しかし麻酔は効くものだと
信じ込んでいる歯科医に治療を受けると
そういう方たちは悲劇です

まじめで気遣いのできる方たちが
我慢が足りない、みたいな
評価を受けたりしている
本当に気の毒です。

少しでもあやしいと思ったら
私が痛くないか、しみないかと
聞くのは、そういう理由があります。

リドカイン(キシロカイン)が効かなくても
セプトカイン(アルチカイン)
なら効く可能性が高いです。

セプトカインは最近日本でも
薬事承認されましたが

当院ではリドカインの効かない人には
以前はアメリカから取り寄せた
セプトカインを使用していました。

もし自分は麻酔が効きにくい、
と感じている方は

ぜひお伝えいただき、
対応策を見つけて
治療に望めればと
思います。






 
2025年05月13日 04:44

セプトカイン

最近新しく薬事承認された麻酔薬に
セプトカインがあります。

海外ではアーティカイン、日本名はアルチカイン

何が違うかというと
効きが違います。

歯科の従来の麻酔薬でも効かなかった症例や
効きにくかった人でも
効く可能性が高い。

私は6-7年前に
従来の麻酔薬でどうしても効かない患者様に
アメリカから購入し

どこに行っても麻酔が効かず
恐怖症のようになってしまっていた
数名の患者様たちにこれを使い
ばっちり効いて
難なく治療が完遂できました。

特に問題になるのは
下の奥歯

従来薬剤を使用した方法で
伝家の宝刀のような
伝達麻酔という方法もありますが

炎症を起こしてしまっていると
無痛的に治療できる確率は
それでも
2割まで下がります。

伝達麻酔では下歯槽神経と舌神経という
神経を麻酔します。

理論的には下の奥歯のすべての歯に
効くはずなのですが

なぜか効かないことがあります。

その下にある顎舌骨筋神経経由で
痛みを感じているという説が以前あり

数年前に麻酔学会に出た時に
「私は顎舌骨筋神経の関与を疑っています!」
と、マイクを取って主張していた研究者がいたのですが

すでに否定されているのを知らないのだろうか
と思ったものです

ですので従来の麻酔が効かなくて困った人も
新しい麻酔薬を使用することができます。

ただ私のイメージとして日本人には効きすぎる感があり
普通に効く方であれば通常の麻酔薬でいいと思います。







 
2025年04月10日 16:49

バンカラ?

今日は休みですので
朝早く家を出て歯科用チェアーの
ショールームに行きました。

いつもは職場まで車で
ほとんど外を歩くことがないので
久しぶりに、だいぶ歩いた感じがします。

家から出て歩き始めると
自分の足音がポクポク鳴っていることに気づきました。

昔は病院に勤務していて
入院患者さんを起こさないように
足音をさせずに歩く習慣がついていて

なんで足音がしないの?と
一般の人からはびっくりされたりしたのですが

いつの間にか
どうやら踵(かかと)重心に
なって足音がしていたようです。

1キロくらい歩くと
つま先重心に戻ってきた感じでした。

ちなみに私の父も
警察学校とか出ていて
足音がしない人でした。
今はちょっと歩くのは大変ですが

そして久しぶりに田園都市線の満員電車に乗り
都心まで行ったのですが

私は20数年前から横浜に住んでいて
はじめの10数年間は広尾まで電車通勤していて

田園都市線の満員電車で通勤し始めたころに感じた
違和感をまた感じました。

渋谷駅とかで多くの人が降りるのですが、
お客さんが無言で前の人を押しまくることについて

「わかってます、わかってます、
降りるので大丈夫ですよ」と言ってあげたいくらい

埼玉の奥の方で育った私としては
これは都会の人のプライドなんだろうか、
と当時思ったりしました。

私は高校から大学、大学病院勤務の初めころまで
埼玉から電車通勤していて
あっちはだだっ広い畑や田んぼが
いくらでもあって

秩父おろしとか赤城おろしとか
硬派でバンカラ?というか

高崎線という電車で東京に出てくるのですが
降りるときは
「すいません、降ります!」とか
「降りまーす」とか

ちゃんと声を出せないこと、は
恥ずかしいことだ、という
価値観がありました。

だだっ広い畑で
ちゃんと声を出してコミュニケーションする
農家さんとか、
地方出身者が多かったからでしょうか。

最近はわかりませんが

あと合気道の道場でも
ゴニョゴニョ、と言って
入ってくる青年がまれにいて
(ほとんどの青年はちゃんとしてます)

この子たちは
子供のころから見ていますので
聞こえない挨拶は
無視しているのと一緒だよ、と話します。

そういう青年はどれくらいの声を
出していいかわからないようなので

相手との距離をさっと見て
相手が道場の端にいるなら
道場の端に届く大きさの声で
挨拶してくださいと

そばにいるなら
その人に届く大きさでいいですよと
説明します。

近くで大きい声だと
威圧感をあたえてしまい

威圧感を与えるのは
合気道ではナシですので

もう30年くらい前でしょうか
北欧に留学していた友人が言っていたのですが

昔は今のように英語を学べなかったので
なんとかTOEFLを取って留学したが
英語がわからず苦労する人が多かったようです

世界中から集まる、会話に入れない留学生でも
Good Morning! が元気に言えるやつは
大丈夫だと

いろいろな話が、もう古いのかもしれませんが

あと先日合気道の青年たちと飲んでいて(20代以上)
今はいろんな情報が手に入りやすくていいねえ、みたいな
非常におじさんっぽい発言をしてしまったところ、

手に入りやすい分、大変なこともあるんですとの事。

確かにそうかもしれません。








 
2025年04月10日 15:13

前歯の歯並び

一般的な傾向として
年齢とともに
歯並びは変わってきます。

加齢とともに
人の骨格自体が変わってくるのと、
歯も全体に前方に傾斜してくる傾向があり、

その結果、歯並びが変わってきます。

よくあるのは
下の前歯の歯並びが
ガタガタになってくる

昔はこうじゃなかったのに、
と良く聞きます

ガタガタしてくると
見た目の問題だけでなく
食物が詰まりやすくなったり
歯垢や歯石が溜まりやすくなったりします。

状況にもよりますが
この歯列不正は
矯正治療で治すことができます。

歯並びの悪化は
年齢とともに進みますので、
できればあまり進まないうちに
矯正することが理想です。

昔は矯正と言うと
歯にワイヤーをつけたりして
ちょっと心理的にハードルが高かったのですが

今は透明のマウスピースで
ほとんど気づかれずに
矯正が可能です。

歯並びを3Dスキャンし
画面上でお顔と矯正後の歯並びを
シミュレーションし

それを見て、治療するかどうかを
決めることができます。

以前は私も
ワイヤー矯正をさせていただいていたのですが
今はワイヤーで治療することは
まずなくなりました。

前歯がガタガタしてきたら、
早めにご相談くださると
よろしいかと思います。

ただし、
加齢による骨密度の低下に対して
骨粗しょう症の治療薬をご使用の場合
矯正治療時の歯の移動速度が著しく遅くなることが
知られており、

できれば
そのような薬剤を使用する前に
矯正治療をなさることをお薦めします、

もし矯正治療が
現実的に困難だったとしても

ホワイトニングや
パウダークリーニング、
古い詰め物やかぶせ物のやり直しなどで
見た目は大幅に改善可能ですので
一度ご相談くださればと思います。





 
2025年03月31日 07:37

権化

ホームページの経歴のところに
記載させていただいていますが

もう30年以上前の話ですが
私は日本大学の歯学部を卒業して
慶応大学の附属病院に就職しました。

診療室には慶応を出る時にもらった
旗をかけているので

日大卒の社長さんとかに
「なんだ先生は日大じゃないんかい!」
とか言われるので
説明するのですが

逆に
「先生も慶応なんですね!」と言われてしまうと
いや、卒業したわけではないんだけど、みたいな

ちょっと複雑で

ちなみに
日大卒の社長さんなどでよくある気質のことを
「日大型(にちだいがた)」と言います。
(親分肌で情に厚く面倒見がいい)

そして慶応の入局試験の後
面接があり
「君は薬理が苦手だね」と言われるも
なんとか合格し

入局後は歯科部門と口腔外科部門を
半年ずつぐるぐるローテーションしつつ

麻酔科にも半年間
放り込まれて

お医者さんの中でのカンファレンスとか
きつかった

業務にも慣れたある日

その日の病棟の仕事をやって
深夜の2時ごろ非常灯だけの、
ほぼ真っ暗な病院内を延々
一人歩いてロッカーへ

そういう時は怖いかと言うと
そうでもなくて

一般的に病院は人が亡くなるところ、というイメージですが

じつはそのイメージとは逆に
産科とかもあって
この世の光が生まれてくる場所でもあるし

夜も眠らず患者さんの命を救おうとする
医療従事者達のパワーがみなぎっている所なので

一人で暗闇でも
そんなに怖いとは感じなかったです。

癌の末期の患者さんとかもいて
ある夏の日、病室で夕方の処置をしていると
網戸の窓の
神宮球場のほうから大歓声が聞こえてきて

「あれは何ですかな」とおっしゃるので
「サッカーだと思います」というと
「ほう、サッカーですか」と

中庭があって向かいに病棟があったのですが

その病棟の屋上にお坊さんが座っている
後姿が見えると

それはあるかもしれないなと思いました。

たくさんの人間の生死があり
それを支える医療従事者達の莫大なパワーもあり
病院の頂点でそれが権化と化していても
おかしくはないなと
思ったのでした。








 
2025年03月27日 18:40

ブログ

今日は時間ができたので
過去のブログの内容を読んだのですが

このブログを始めてから
もう16年が過ぎようとしているんですね。

当初は
とある歯科医のつぶやき、みたいに
匿名で書いていたものです。

医院のHPを作成したのを機に
医院ブログにしました。

なんだか
生意気なことを言っていたり、
書きかけで載せてしまっていたり

今読むと
微妙なものもないわけではないですが
この医院の軌跡でもありますし
残していきたいと思います。

でも当初から
患者様に大変な思いをしてほしくない
できるだけ
怖い思いや痛い思いをしてほしくない
というコンセプトが

ぶれずに
来れていることは

医院の誇りでも
あります。


 
2025年03月27日 18:17

麻酔量

初診の患者様がいらして
写真やレントゲンなどの資料取りをさせていただいて
治療方針を相談して、方針が決まり

そしてまず一回目の治療で
麻酔が必要となった場合

気を付けていることとして

まず痛くないように、と言うのは当然あるのですが、
「効かせすぎない」ということにも
気を使っています。

麻酔の効きには個人差があり
かなりの量を使ってもなかなか効かない方もいらっしゃる
一方で
通常量でガツンと効いてしまって
後が大変だったと言われることもあるからです。

初めの治療で麻酔で嫌になってしまって
後が続かないのは困りますので
多すぎず、少なすぎず
気をつかいます。

時には申し訳ないことに
当てが外れてしまうこともあり、
効きが足りないような場合には
すぐ追加をしたり、
虫歯の部分に薬を入れて
いったん終了したりして
対応します。

ちなみに一般的に使われている
浸潤麻酔という方法は
効かせたい部分に、文字通り
麻酔液を浸潤させる麻酔法ですが

歯は場所によって効き方が違い
効きにくい歯に浸潤麻酔をする場合、

それまでに撮影したCT画像があれば
皮質骨から根の先端までの距離を見たりして
量を調整したりします。

皮質骨から根尖までの距離が近い場合
すぐに麻酔が浸潤しますが、
大部分の麻酔薬が
血流の良い粘膜下にとどまるために
逆に麻酔効果が消えるのが早い傾向があります。

はじめは
麻酔においても
そうやって試行錯誤で
適切な関係性を
探っていくしかないと
考えています。





 
2025年03月13日 17:12

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