~かけがえのない歯を大切にする治療、価値ある治療結果、そしてつらくない治療をめざしています~

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日々雑感

AI治療計画

最近はパソコンでやる仕事が
本当に増えました。

CTなどの診断でパソコンを使うだけでなく
インプラントも、矯正も

今やっていたのは、インプラントの
サージカルガイド作製のための
シミュレーション

あと0.8度回転させて、
あと0.1mm近づけて

とか、しながら
理想的な最終形に近づけてゆき

完成したらSTLデータで出力して
家にある3Dプリンタにデータを送ると
動き出して
サージカルガイドを作らせて

先ほどまで画面の中の
デジタル空間にいた技工物が
ポンと現実世界に現れて

実際の患者様の口の中で
圧倒的な価値を生み出す

これによって
インプラント治療は
昔に比べて
ほとんどのケースで
手術も短時間で切開もなく
なおかつ安全にできるようになりました。

この一連の仕事の中で
今後AIが出来そうなことは

埋入位置の微調整や
インプラントの選択など

いずれは患者様の表情の動画やCTや
各種情報を入力するだけで

AIがシミュレーションして、
ポンと
「こんなのどうでしょう」と
治療後の表情のビデオ映像とか
かなり良くできた治療計画を出してきて
歯科医が承認だけして

そしてその計画通りに
歯科医が働くという

主従逆転みたいなことが
起こるかもしれませんね

医師も歯科医も
AIの台頭に抵抗しようとするかもしれませんが

アメリカの保険会社とか
AIによる治療計画でないと
承認しませんとか

いずれ言い出す時代が来るのではないかと
思います。









 
2026年04月14日 21:28

マウスピース矯正と適応症

マウスピース型の矯正装置は日々進歩しています。

以前インビザラインという商品が
一世風靡し、
世界的に今も主流ではありますが

最近は様々な競合が現れて
それぞれ強みをもって
自社製品を開発しています。

どれも似たようなものかというと
そうではなくて

各社の製品にはそれぞれ個性があります。

アタッチメント、と呼ばれる部品や
トリムラインといった設計、
素材となるシートにも
各社様々な個性や特許、
技術的な強みなどをもっています。

これらの開発競争のおかげで
マウスピース矯正の適応症も日々拡大して
人類は目立たない矯正治療の恩恵を
より多く受けられるようになってきています。

それぞれに得意、不得意があるため
Dr側は様々な症例に対応しようとすると
複数のライセンスを持つ必要があります。

ほとんどの製品がデジタルですが、
中には今も歯科技工士さんが
手作業で製作するものもあり、
症例によってはそれが向いている場合もあります。

そのような製品は技工士の腕次第で結果が変わるので
腕のいい技工士と連携する必要があります。

ワイヤー矯正の時代と比べて
いわゆる抜歯矯正も少なくなりました。

中高年の矯正症例も増えてきています。

ご興味あればご相談いただければと思います。








 
2026年04月14日 07:56

ご高齢の方の定期クリーニングの効果

歯科医院で行う歯のクリーニングを
どのくらいの間隔で受ければよいかという事については
議論があります。

高齢者の歯垢を定期的に清掃することによって
誤嚥性肺炎の発生率を著しく低下させることができる
ことは証明されています。

また歯垢のない状態が維持できれば
歯周病なども予防されます。

しかし、
歯垢は24-72時間で形成され
数日で病原性を生じてしまうので

理論的には月に1回プロがクリーニングしたからといって
誤嚥性肺炎や歯周病が予防できるわけではありません。

では月に1回のクリーニングにはどんな意味があるのか
ですが

実は
歯垢は古くなるほど硬くなり、
また厚みも増し、病原性も増してゆきます。

古くなった歯垢は
歯ブラシでは簡単には
取れなくなるのです。

なので
定期的に歯科医院で歯垢を取る、

そうすると、新しくできた歯垢は
柔らかく、
日々のご自身のケアで
容易に取ることができるようになります。

皆さん歯ブラシなどのケアは
毎日ご自身でなさっていますので

その時の歯垢を
皆様ご自身で、取りやすい状態にする、
そのための定期的な
歯科医院でのクリーニングなのです。

また
ご高齢の方の場合、
口腔周囲筋が硬くなっていたり
唾液分泌が減少していたりします。

それに対し
筋や唾液腺のマッサージをさせていただいて
咀嚼筋、表情筋の活性化
唾液分泌の促進

そういったことも
ご提案させていただければと思います。




 
2026年04月01日 12:08

軟化象牙質について

虫歯になると象牙質が柔らかくなります。

これを学術的には
軟化象牙質といい、私たちは略して
軟象(なんぞう)と呼んだりします。

この軟象は感染組織であり、
機械的強度も低下しているため
通常、除去する必要があります。

機械的強度が低下した軟像が
歯の中に残っていると
詰め物を支えるべき歯が
強度不足となります。

そうすると
歯がかみ合うたびに
詰め物と歯質の間にストレスがかかり
やがて隙間ができて
虫歯が再発します。

新患の患者さんを診ていて
特に多いと感じるのが
下の奥歯の軟象によるトラブルです。

下の奥歯は
昔も今も麻酔を効かせるのに
技術的に難しい、ということがあります。

本来なら
麻酔もきっちり効かせて
軟象もきちんときれいにしてから
詰めるべきなのですが

麻酔が効かせられないと
無理しないで行こう、とか
無理させないで行こう、とか
(判断としては正しいと思います)

逆に、長引かせないで急いでやってしまおう、とか
(これは恐ろしいですね)

結果的に
感染歯質を残してしまったり
逆に
削りすぎてしまったり

そうすると
治療後に
どうもしみる、とか
詰め物が取れてしまう、などの
問題が起きやすくなります。

レントゲンでは問題なくとも
詰め物を外すと
軟象があるケースが多く

きちんと軟象をきれいにすると
症状が解決します。

削り残さず
でも削り過ぎず

このためには
マイクロなどでの拡大視野と
スプーンエキスカベーターという
手用のインスツルメントを使って
丁寧にやるしかないと思っています。
(当院の患者様はご存じと思います)

ちなみに学術的には
う蝕(虫歯)象牙質は表層から
多菌層、寡菌層、先駆菌層、に分かれており
寡菌層はある程度残してもよいとされていますが
このある程度、が問題で

昔ながらの手用器具で
丁寧にやることが
結果的にバランスが良い治療が行われることが
知られています。
















 
2026年03月31日 08:39

歯髄の話

歯の中には歯髄があります。

歯髄には血管や神経が含まれていて
歯の感覚や
歯質への栄養補給を行っていて

歯もその内部で
細胞のターンオーバーがあり、

つまり歯は生きています。

そのため歯髄を取ってしまうと
その後長い目で見ると
歯はその強度が劣化すると言われています。
(諸説ありますが)

強度が劣化した結果、問題となるのが
歯根破折、です。

ですので
歯の神経はできるだけ
取らないほうがいい、というのが
大原則だと思います。

しかし虫歯が極端に深い場合など、
歯髄に感染が到達しているしていることがあり

そのような場合
水酸化カルシウムなどを使いながら
段階的にう蝕除去を行い
(ステップワイズ・エクスカベーションといいます)

それでも歯髄が露出してしまった場合、
ケミカルサージェリーなど行ってから
MTAセメントといった材料で封鎖します。
これを「直接覆髄」といいます。

そして経過が良ければ
歯髄を残したまま、充填など
治療を継続します。

昔に比べ
歯髄はかなり残せるようになってきています。

特に修復力の旺盛な若い人は
これから80年とか使う歯ですから
とにかく、歯髄保存を行うことが
大事だと考えられています。

ただ当院では
50代とか、時に60代であっても
こうやって歯髄保存をすることもあります。

なぜなら
人生90年、人生100年の時代
50代、60代であっても
これから30年とか、40年、
歯を使うかもしれないわけです。

昔は歳を取れば
歯が減ってゆくのが普通でした。

介護の現場では
総入れ歯が一番楽だという声もある
正直私も老人ホームで診療していると
そう思う部分もありますが

しかし歳だからと言って
まだ元気なのに歯のある生活を
あきらめるのは
ちょっと違うんじゃないかと
思うのです。








 
2026年03月31日 07:30

ナイトガード率 ~ハリウッドやウォール街では~

ハリウッドやウォール街では
ナイトガード(マウスピース)使用率が約30%と言われています。

その目的は
エイジングによる摩耗や歯列の乱れを防ぐためと、
クラウンやべニアなどが壊れるのを防ぐため、
そして歯の破折を防ぐためです。

残念ながら
加齢とともに
人の歯や歯列も崩壊していきます。

毎日毎晩、歯には負担をかけているし
人のエナメル質は
爪や髪の毛と同じで
それ自身に破壊に対しての
修復力はないためです。

また審美的なクラウンなど
修復物は割れやすかったりします。

技術革新により
すごい硬い白い材料もありますが
それを使うと
今度は歯根が問題を起こしてきます。

またアメリカでは金融や法律分野などの
高ストレス職でも
30%以上がナイトガードを使用しているとも言われており

白いクラウンを入れていて
高ストレスにさらされる立場の方は

まず、ナイトガードを入れたほうがいいと思いますし、

そうでない場合でも
エイジングに対処するためには
使ったほうがいいと思います。

ナチュラルなエイジングでいいのだ、という考えも
あると思いますが

現代のような
90代とかまで生きるのが
当たり前のようになってきた時代には

歯のエイジングに対応するためにも
昔とは違うアプローチが必要です。

テレビでトランプ氏の演説を見るたびに
「あー、ナイトガード使ってるんだろうな」
と思ってます。

ナイトガードも消耗品なので
ランニングコストもかかりますし
いいものを作ろうとすると
実は技術的にも難しいものではありますが

どこの歯科に通っても
治療の繰り返しで
ずっと歯で悩んでいて
当院でナイトガードを作って
歯の悩みから解放された方々が
結構おられます。

歯をきれいに保ちたい方
治療した歯を長持ちさせたい方

あと睡眠の質にもかかわるものでも
ありますので

ナイトガード(マウスピース)の
ちょっといいものを作って
お使いになることを
お薦めします。
























 
2026年03月14日 07:41

働き方改革 ~風のにおい~

もう1月も終わり、早いですね。
今日は診療室はお休みです。

木曜日と日曜日が基本的に休診日ですが
毎月の最終週だけ
土日を休診日とさせていただいております。

一般の会社員と同じ土日休みが
あってもいいのでは、という事で

当院も働き方改革の一環として
このようなスタイルになりました。

そして今朝は介護施設にいる父の見舞いに行って
その後、職場へ

富士山や丹沢の山々がきれいに見えて
仕事じゃなくてバイクに乗れば良かったかなと
かなり思ったのですが

今日中に治療計画を8ケース立てる必要があるのと
各ラボへの指示と
あと時間的に可能ならば
懸案の医局の片づけをしたいと思っているので
診療室に来ました。

ちなみにバイクという乗り物ですが
寒い時に乗るとめっちゃ寒く
暑い時期に乗ると猛烈に暑いという

何とも不便な乗り物です。
暑い時期は風を切って走れば
涼しそうに見えるかもしれませんが、
そうでもなく、実はえらく暑いです。

雨が降るとびしょ濡れですし

ですが、その分、普段では感じられないような、

風のにおいとかを感じて、
感性を刺激されます。

走っていると、
それぞれの土地の空気の匂いがあったり
雨や、新緑の匂い、海とか、夜の匂いとか

小さい頃や、若いころに感じたあの感覚を
思い出すような

不思議なことに
時間の流れも土地によって違って感じたりします。

いい時期になって来たので
チャンスがあれば出かけたいと思います。

という事で、
仕事に戻ります。











 
2026年01月31日 14:41

新年(2026)

あけましておめでとうございます。

お正月休みもあっという間に終わりまして、

と言っても、まるまる休みだと少々時間を
持て余してしまう感もあったのですが、

診療が始まると共に
いくつかの問題の解決や
複数の治療のプロジェクトが
一気に始まり

この感じは
わるくないなと思います。

時には疲れることもありますが、

やはり仕事は健康の源だなあと
思ったりするわけです。

とある患者さんがおっしゃってましたが
大事なのは
「きょういく」と「きょうよう」とのこと。
いわゆる教育と教養ではなく

今日、行く、ところがあることと、
今日、用が、あること

だそうです。

今日は木曜で休診でしたが
診療室で雑用の後、

何人かの患者様の治療計画を考えました。

どれくらい噛めるクラウンを入れるか、を考えたりして

「とにかくよく噛めるクラウンがいいに決まってるじゃないか」と
思われるかもしれませんが

すごくよく噛めるクラウンを入れると
実は歯の根に負荷がかかりすぎる、ということが起きます。

高速走行用の高性能タイヤの寿命が短いように
いわゆるトレードオフの関係で

例えば石臼のように
上下でぴったり合って
ゴリゴリすりつぶせれば

食べ物を瞬時につぶすことができ、
消化にも味覚的にもいいかもしれませんが、

擦れ合う歯には大変な負担がかかり
結果的にその歯の寿命は短くなります。

どれくらい噛めるかを専門的には
咀嚼能率、という言い方をしますが

上下の歯が当たってはいても
「擦れ合わない」歯は

根にかかる負担が少ないため
歯が長持ちします。

ただし、その歯が咀嚼にあまり貢献しないことになり、
その代わりに
その周りの歯に負担がかかってくるので

周りの歯の寿命に影響してくることもあります。

つまり、治療した歯が長持ちするだけで
必ずしも腕のいい歯医者とは言えない、ということがあります。

私たちはその患者様の
性格とか、治療へのご希望とか
年齢とか、
歯科に対する経済的な感覚とか
その歯自体の強さとか、
その歯と噛み合う方の歯の強さとか
その周りの歯への負担とか

咬合力の強さとか、
全体的な噛み合わせのバランスとか
ブラッシングなど管理のレベルとか
お体の状態(加齢後にに再治療できるかとか)

できれば歯を削る量の少ない方法はできないか、
マウスピースへの理解はどうだろうか、とか

天然の歯の、人工物には替えられない、良さを
どうやって残すかとか、

そのあたりのことをいろいろ考えながら、
匙加減を調整しながら計画を立てて行きます。

一か所の治療が全体に影響しますので
人生のように?
太く短くか、細く長くか、
その中間か、とか
これをすべての歯で組み合わせる感じでしょうか

ブログを書いていたら
時間がたってしまったので
また仕事に戻りたいと思います。

新年早々、ややこしい話で失礼しました。

本年もよろしくお願い申し上げます。






 
2026年01月08日 18:52

大晦日(2025)

今日は大晦日ですが
朝から大掃除で

天気が良くて助かります。

高圧洗浄機で
雨どいのカビ問題を解決

中国製ですが
ほんと良くできていて

ロボット掃除機もそうですが
深圳あたりの電気製品は
本当によく作りこんであって

彼らはジョブズだけでなくて
本田宗一郎や松下幸之助とかも
読んでるんだろうなあ、とか
感じさせるような
作り込みで

そのあとは窓ふき

少し前までは
老いた両親の部屋の窓を拭くと

「あら、きれいになったわねえ」
と母親が喜ぶのが
うれしかったのですが

その母も今はなく
父も老人ホームに入っています。

やはり歩行が困難になると
トイレの問題が出てきますので
ホームにお世話にならざるをえなくなります。

でもホームは良くしてくれるようで
父も穏やかな日々を過ごしている様子
ありがたく思っています。

明日朝には父を迎えに行って
家で正月をする予定です。

ここ最近の年末で気になるのが
周りの家の大掃除の音が聞こえないこと

何年か前までは
まわり中で大掃除している様子がありました。

世田谷でも空き家が問題になってきているようですが

私の住んでいる住宅地でも高齢化が進み

右前の家は住んでいないし、
その隣も空き家

住んでいらしても
我が家のように
高圧洗浄機でブシュ―とか
あちらこちらの窓をキュッツキュと拭いている様子もなく

ご高齢になると大掃除とか
大変になってしまうのだと思います。

我が家も二世帯用の住宅に
一家族で住んでいる状態ですので。

来年はいっそう進む高齢化と少子化に
この国は、国民はどう対処してゆくのか

この国を支えてゆく人達、
支えてきた人達の

歯の健康を通じて
陰ながら
そのパワーをサポートしてゆきたいと
考えています。

本年も大変お世話になり
ありがとうございました。

では皆様良いお年を
お迎えください。






 
2025年12月31日 11:03

中と外 ~インプラント表面性状の進化~

体の中と外の境界には
バリアがあります。

皮膚や粘膜

粘膜は皮膚に比べて
バリア機能が弱いために
それを補完する様々な機構があり

口腔粘膜の場合
唾液やそれを物理的に維持する口唇
唾液中に含まれる抗菌性物質や
実は口腔内細菌叢もバリア機能の一部です。

歯はその粘膜から硬組織が突出している
特殊な器官であり

歯のまわりの
歯と粘膜の境目にも
バリア機構があり

専門的には
「生物学的幅径」と言います。

なぜこの話をするかというと

実はインプラントにも
この「生物学的幅径」の代わりになるものがあることが
知られており

この部分を治療時に適切に作るかどうかで
長期予後が変わってくることが
わかっています。

手技的には埋入深さの
ほんの1ミリとか2ミリとかの深さの違いなのですが
それをやるかどうかで
将来的な予後が違ってきます。

このコンセプトが確立したのが
2017年

もし炎症などでこのバリア機構が破壊されて
インプラント表面に細菌感染が起きた場合

以前のインプラントでは
骨吸収が急速に進行して
インプラントが失われることが多かったですが、

今のものは表面性状が進化していて
露出しても感染が起きにくくなっています。

露出時の対感染性の表面性状が確立されたのが
2005年

それらコンセプトが学術的に確立しても
企業が製品にそれを導入したり
歯科医が臨床に導入するまでに
タイムラグがあったりしますが

結局、何が言いたいかと言いますと

インプラントは「昔のもの」と比べて
確実に進化しており

最近になって
ブリッジよりもインプラントが
第一選択になって来たのは
それ相応の理由があるのです。

今の進化は
先人たちの努力の結晶なわけですが

当院でもインプラント治療が増えてきているのは
昔と大きく変わって
良くなっているからこそ、であると言えます。




 
2025年12月10日 07:11