~かけがえのない歯を大切にする治療、価値ある治療結果、そしてつらくない治療をめざしています~

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日々雑感

緩さ(ユルさ)

信念を持つプロフェッショナル
と言うと
なんだか
かっこ良さそうですが

その信念が
危険なこともあり

まあ信念の
内容によりますかね

自分が患者さんだったら
「この治療法が絶対いいんだ」
という歯科医とは

あまりお付き合いしたくないですね

「あなたのためにこれがいいんだ」
と言われたら
余計なお世話だ、と思うでしょう。

驚くべきことに
昔は早めに入れ歯にしたほうがいいんだ、
という考えの歯科医がいたりしました

天然歯を残す治療をせずに
インプラント?という考え
これもヤバい

両隣の天然歯を削ってブリッジより、
歯のないところにインプラント
これはありです。

治療で決してつらい思いをさせたくない、という
信念なら
ぜひお願いしたいかな

私は臨床で
「してください」とは
言わないようにしてます。

「うーむ、こうするといいかもしれない」「というのは・・・」
という提案はします。

私が「~のほうがいいんじゃないですかね」とか言うときは
実は結構強い推奨ですので
すでにかなりの状態なのかもしれませんし、
比較検討の結果、どう見てもこれがいいんじゃないかな、
と言う意味だと思います。

それでも私が決めるわけではありません。
時間かけて考えていただいて

その間、他の小さな虫歯の治療とかしたりして
時間をおいて

結局私が薦めたA案でなく
「俺やっぱりB案がいいや」とか
「ここはもうちょっと様子見ます」とか
そういう事もよくあります。

ありだと思います。

開業医、特に歯科医の場合、
あたりの柔らかさというか
緩い(ゆるい)感じも
必要だと思うのです。









 
2024年09月05日 17:25

市井(いちい)

市井(いちい)という言葉ですが

普通のご近所とか、庶民の生活の中
みたいな意味でしょうか。

先ほど車に乗っていて
急に思い出したのですが

その言葉から
ある看護師の患者さんから聞いた話を
思い出しました。

18,000人以上の、死者・行方不明者を出した
東日本大震災で

避難所にその方の所属する
大規模病院グループから
心理学的ケアのチームが派遣された

しかしそのチームはやがて
地獄のような経験をした被災者たちから
強烈な拒絶を受けることになる

現実を経験していない人による
心理学的な
「傾聴の姿勢」とかが
反感を買ったのかもしれません。

各避難所の入り口に
心理学的ケアお断りの
張り紙が張られる事態となり

その後、被災地医療のために
到着した看護師たちすら
被災者たちに拒絶される事に

水道も電気もなく
着の身着のまま避難してきた避難者たちで
あふれている避難所、

トイレも汚物で詰まってしまっており
衛生上の緊急事態であり

看護師たちは
被災者に拒絶され協力の得られない中でも

まずは衛生状態を改善しなくてはいけないと

水道も出ない中、
トイレに詰まった汚物を手で掻き出し始めた

その様子を見た被災者たちは
やっと心を開いてくれた

人々に拒絶され、嫌悪をぶつけられる状況の中で
その人たちを救うために
水もない中、汚物に手を突っ込む看護師たちがいる

中島みゆきさんの歌ではないですが
そんな、「風の中のすばる」みたいな人達が

市井(いちい)にいるのだということを
忘れてはいけないのだと思います。

 

2024年09月03日 08:18

人(開業物語その4)

若い歯科医師が開業して
一番苦労する問題が
人、の問題と
よく言われます。

求人とか、スタッフとの関係とか

若いうちは自信過剰になっていることが多く
開業して経験不足の自分の実力を知り
患者に選ばれた者か、資金力のある者だけが生き残る
開業医の世界の厳しさを知り

いい医療を追求したい理想がある一方で
開業後の返済、家賃、人件費などの支払いに追われ
さらに家族の生活費とかで悩んだりして

さらに若い歯科医が思う「いい医療」が
patient oriented(患者中心、患者志向)でなくて
患者さんがついて来てくれなかったりして

そういう中で
時にはイライラしたり
スタッフのミスにきつく当たってしまったり
逆に仲良くし過ぎて収集がつかなくなったり
若さゆえの事象が
スタッフとの軋轢を生んで

意外に良く聞くのが
スタッフが一斉に退職してしまうという現象
実は多くの開業歯科医が
これを経験しています。

私の友人が若い開業医によく言っていたのは
誰でも経験するんだから
早いほうがいい、とか

私の場合は開業直前でした。

私は外部から、とある医療法人の
この広尾分院に分院長として入り

この広尾分院が
医療法人本体から切り離されることは
元からいるスタッフたちは知っているようでした。

私も若くてとがっていて
理想を語るわりには経験不足で実力が伴わず
法人から切り離されることがわかっているスタッフたちと関係で
はじめは良かったのですが、次第にいろいろなことでもめて
だいぶ嫌な思いもしましたし
私もさせたのだと思います。

私の開業が迫ってきた3-4か月前でしょうか
ミーティングの場で
私はスタッフたちに話しかけました。

「これからのことについて相談したいと思います」

するとスタッフの中で中心的存在だった一人がきっぱり言いました。

「私たちは先生についていくつもりはありません。」

驚きましたが
うすうす思っていたことでもあり

私が
「そうか。」
「でもこの引継ぎのゴタゴタで
患者さんにだけは、迷惑をかけないようにしよう」
と言うと

スタッフが皆コクリ、とうなずきました。

私はそれを見て
「いい人たちなんだよな」と
思ったのでした。


若くして開業した歯科医の多くは
結局一人ぼっちになってしまうわけですが

一人取り残された診療室で、

一人きりになっても全部やって見せる
という覚悟を決めて初めて
一つ目のハードルを越えるのではないかと
思っています。







 
2024年09月02日 19:26

「気持ち」の場所

いやなことがあると
「頭にくるなあ」と言いますが

何が頭にやって来るのでしょうか

「氣」という書き方をしますが
気持ちが頭にあがってしまうから
「頭に来た」と言う

では本来、気持(氣)は
どこにあるべきなのでしょうか

私は武道の世界では素人なので
聞きかじりですが

「臍下丹田」という場所らしい
「肚(はら)」とも言うようです

手を軽く開いて
親指をおへそに当てて
おなかにくっつけた時の
小指の位置あたりらしいです。

そこに自分の気持ちとか心(氣)があると考える

心が落ち着いているときは
心(氣)が臍下丹田にある

心があるべきところにあることを
「落ち着く」という

座禅などの時も
ここを意識するらしいですね

なんか落ち着かないとか
具合が悪いとか
イライラしているときとか
怒っているときに
心がどこにあるか
感じてみるといいです

あと、緊張しているとき

たいていおへそのすぐ下とか
おへその上とか
胃の当たり、
喉の当たりとか
さらに頭まで
上がってしまっていることが多い

緊張したときに
「あがる」と言いますが
それです。

緊張したときとか
いやなことがあった時に

気持ち(氣)が
ポンと上に上がってしまわない

昔から日本には
「肚(はら)を鍛える」という
価値観があり

そのための武道をやっています。

ヨーロッパなどに行ったサムライが
未開人として馬鹿にされなかったのは
理由があるのだと思います

肚が座っていれば
姿勢も良くなり
周りもよく見え
卑屈に見えない

受け入れる力や
やさしさや配慮が
そこから生まれれるのでは、と思います。

親御さんが子供クラスに子供を入れるのも
そういう肚を練り、臍下丹田の
「落ち着き」を求めてらっしゃる
というのも、あると思います。

私自身、自分に足りないから
魅力的に見えるのだと思います。

合気道をするときは
型稽古をするのですが

長く稽古を続けていて
小手先の型ばかり
先に「できたつもり」になってしまうことを
恐れています。
逆に
肚が鍛えられれば
小手先をあれこれ考えなくても
すべて上手くいくはずなのです。

この考えは極端かもしれませんが
そのくらいのつもりで

せっかく肚を鍛えられる
本物の武道に出会ったのですから

自分のために、
明るく楽しく、
黙々と稽古に打ち込みたいと
思っています。






 
2024年09月01日 06:12

小さい頃は
夏休みや、冬休みなど
長期の休みの度に
親の実家のある鳥取県の
とある小さな町で過ごしていました。

伯耆富士とか大山(だいせん)と呼ばれる
大きな山があり
そのふもとの海沿いの町で

町全体がゆるやかに傾斜している感じがあって
各家々の周りには水路があり
大山から流れ下る雪解け水?が
いつも豊かに流れていて

今行ってもその点は
あまり変わりませんが

そして
近所にお寺があり
私が5-6歳?くらいの時に、母親に寺に連れて行ってもらいました。

記憶はあまり定かではないのですが
法事でも何でもない時で
暗くて静かな堂内に入ると
大きな仏像や木魚があり

そして「地獄絵」というものもありました。

生きているときに悪いことをすると
死んだら地獄に落ちる、ということで

釜茹での絵とか
嘘をつくと閻魔様に舌を抜かれるとか

当時から恐怖映画とかありましたので
子供の私は、ふーん、そういう絵なんだ
ずいぶん古い絵だな、くらいに思う気持ちと

「もしかしたら本当の事なのかな」
と思う気持ちもちょっとあり、
夜布団の中で思い出したり

大人になって思うのは
因果応報というのは
やっぱりあるのかなと

以前、診療後に
とある有名作家さんに
「心がけがいい人は運がいいんですかね」と聞くと

「うーん(思案)」
「…そうでもないわね。」とのこと
いろいろな人生を見てきた人の言葉は
含蓄があります

悪いことをするとバチが当たる、とはいいますが

何をもって「悪いこと」とするのか、
ということもありますが

バチが当たっても
自分の行為との因果関係を何ら考えない人や
周りのせいだ、と考える人も
いると思うので

「あ、バチがあたったんだな」と思えることは
その人の良心だと思うのです。


 
2024年08月13日 13:42

「サービス」

歯の治療は
口を開いている時間も長いし
水も出るし
大変だと思います。

虫歯をしっかりきれいにしたり
虫歯の原因となる「隙間」を作らず
しっかり詰める治療をしなければ
歯は長持ちしないわけですが

そういう治療をしようとすると
治療を受ける患者様も
かなりの労力だと思います。

たとえそうであっても、

できるだけ痛くなく
怖くなく、
そしてなにより、歯科医院を出るときに
いやな気持、不快な気持になって出ていくことがない
ようにしたいと思っています。

大変なハードルを
不快な思いをしないように乗り越えてもらう
しかしその治療結果は
患者様の人生の質、ときに寿命にもかかわってくる
という
難しさや、責任の重大さ

ある意味
歯科は究極のサービス業なのではないか
と勝手に思っています。

北欧の著名な高齢者施設専門の歯科医の
話をきいたことがあります

前歯と奥歯が両方壊れている人がいたとします。
どちらから治すか

まず前歯から治すそうです。
その人の「尊厳」の方が大事だからです。

海外と日本では認識の違いがあるかもしれませんが
「尊厳」が重要であること、
これは変わらないと思います。

私も老人ホームに定期的に診療に行っていますが
こんな経験をしました。

とある男性の認知症患者様
その方は以前はある分野で重鎮で
先生と呼ばれていた人らしい

でも今は認知症で
ボーっとしている感じで

私もまだあまり経験がないころで
「○○さんこんにちはー。」
「はーい、おくちをあいてくださーい」と言うと

「おくち、だと!?」と言って
怒り出しました。

痴呆があるからといって
子供のような扱い
上下関係を押し付ける歯科医療者の態度に
むかついたのだと思います。
当然です

認知症は本当に程度がさまざまなので
その状況によっても対応が違うのですが

このような方の場合には

「○○さんこんにちは」
「今日は歯の診察に参りました」
○○さん→「うむ」
「では拝見いたします」
「はい、次左側を拝見いたします。失礼します」
「お疲れさまでした、今日は終わりになります」
「では失礼いたします」

リスペクトです
一回の歯の診察よりも
尊厳や納得、関係性の方が
よほど重要なのだと考えます

昔は技術と知識があれば
何とかなると思っていました

確かにその二つは
もちろんとんでもなく重要ではありますが

臨床医には
もう一味(ひとあじ)必要であることに
開業して長年の経験の中で
知ることになりました。

このマンションには
現役を引退されて
ご夫婦で済んでらっしゃる方々が
多くいらっしゃいます。

歯や入れ歯の調子がおかしくなった時に
ご夫婦間や、いろいろな会の場で
「ちょっと入江さんとこ行ってくるわ」
という発言が出るらしい

私はそれを聞いて
すごくうれしくなりました。

行きたく無い歯医者
行ったら不快な思いをする歯医者
でないように、
健康になることを実感できる歯医者
であるように、
努力を続けたいと思います。











 
2024年07月04日 07:00

鷹揚(開業物語その3)

以前HPで書きましたが
私は子供のころから
「歯医者を痛くなくできないか」などと
考えていたので
歯学部にいる時から
その現状にえらく違和感を
感じていました。

当時それは
やむを得ないことだったのかも
しれません。

22年前にこの広尾の医院に
就職しましたが

正直言えば
ここでもそのような点では
少々思うところがありました。

時代だったのだと思います。

でも当時の院長先生は
ものすごく勉強している人で
根管治療も、修復物をぴったり合わせることも
入れ歯も上手で
すごい技術を持つ人でした。

よほどいろんなところで
修練を積んできたんだろうなと
思わせる感じ

私もかなり学んできたつもりでいましたが
私の場合は頭でっかちというか
現実の臨床に適用する
実践の部分がかなり甘かった

おかげさまで
ずいぶん勉強になりました。

臨床だけでなく
フィロソフィーの部分でも
いろいろ教えてもらいました。

私は突然、この広尾の地に来て

大した社会経験もなく
これといった趣味もなく
経営者として理想と現実のはざまで
苦労した経験もなかった自分は

この地で暮らす
成功者たちやそのご家族
生活レベルの違う人たちと

正直何を話したら良いのか
わからず

その点でとても苦労しました。

今となっては信じられませんが
当時はどんな顔をして
患者様たちと接すればいいか
わからなくなってしまった

そんな悩みを打ち明けると
院長先生は言いました。

「医者なんだから、
鷹揚(おうよう)としていればいい」と

鷹揚か…

求められているのは
おおらかで親しみやすくて
親切で腕のいい歯医者

コミュニケーションが
すっと楽になった瞬間でした。

その後、
合気道が私のコミュニケーションを
さらに変えてゆくのですが
その話もいつか書きたいと思います。


つづきます。







 
2024年06月28日 08:18

残心(ざんしん)

ちょっとした
物を置くときや
扉を閉めるときなどに

カツンとか、バタンとか、
音が立ってしまう場合

その直前に
気持ちが切れてしまっています

置いてから
あるいは閉めてから
すっと手を離せばいいのですが

直前に気持ちを切らしてしまうから
最後まで気が行き届かない

気は「氣」とも書きますね

最後の瞬間が大事なのに
その直前に
気が抜けてしまう

茶道とかでも習うのかもしれませんが
ふすまを開けるにも

すっと開けて
最後にバンとやらない

道具を置くときにも
音を立てない

私自身の課題でもあります。

きちんとインナーマッスルを使って
最後まで気を抜かない。

そうありたいと思っています。

合気道でも習います
技の最後に
倒れた相手に「残心(ざんしん)」を
1秒くらいしてから
間合いをとる

会話の時でも
せっかく仲良くなったのに
コミュニケーションの最後の方で
相手をけなすような
失礼なことを言ってしまって
微妙な空気感になってしまったりする人は
最後のところで
気が切れてしまっているのだと
思います。

油断するのが早いのかもしれません

親しき中にも礼儀あり
仲良くなっても油断しすぎない、
でありたい

友人とのリラックスした時間に
そんなことを考えるのかと
思われるかもしれませんが

リラックスと気が抜けるは
別のもののようです

気を許すことと
軽く見ることの違い

無礼講で無礼をしてしまう人と
しない人の違い

ここはちょっと控えようと
思うかどうか

もしかしたら
品、というものなのかもしれません。

子供クラスで
「体の力を抜くように」と言うと
フニャフニャと
その場に崩れ落ちてしまう子がいます
(ふざけてですが)

体の力が抜けていても
自分の体軸
地球の中心を貫く自分の体軸は
しっかり意識して

「気」が
あるべきところに落ち着いていて
コミュニケーションの中で
ポンと上がってしまわない

そうありたいと
思っています。



 

2024年06月22日 08:29

ブラッシングについて

歯の表面に着く柔らかい白い汚れのことを
プラーク(デンタルプラーク)または歯垢(しこう)
といい、
最近はバイオフィルム、などとも呼ばれます。

これは食事のカスではなく
細菌のコロニーの集合体です。

糖分を摂取すると
この細菌たちも糖を摂取し
酸を排出します。

それによりプラークが酸性に変わって
酸性度の強さが、あるレベルを越えると
歯が溶けはじめる
これが虫歯です。

ここで虫歯予防を考えるうえで
ものすごく重要なポイントがあります。

溜まっているプラークが厚いほど
中心部の酸性が強くなることがわかっています。

つまり、厚いプラークほど中心部の酸性は強くなり、
薄いプラークの中心部の酸性度は弱い

プラークが薄く、酸性度があるレベル以下ならば
虫歯にはなりません。

つまり
プラークの厚みが問題。
これすごく大事な点です。

十分にプラークが薄く
虫歯の予防ができている方が
定期検診でいらしたときに

私が、もっと磨いて、とか
フロスしてますか、とか言わないのは
予防の目的を達成しているからです

予防できているならば
残った汚れは定期的にこちらで取ればよい
と考えています。

必要以上に
患者さんにブラッシングやフロスを
強要すべきでないと考えています。

必要以上の予防は
リーズナブルではありません。

食事の時間は古来から
わかりあう時間であり
腹の探りあい?の時間であり?
関係性を高める時間でもあり

食後の友人との楽しい語らいのひと時に
忙しい家族がやっと過ごせる貴重な時間に
ビジネスパートナーとの重要な会話の瞬間に

「あー歯磨かなきゃ虫歯になる」とか
「フロスしなきゃ」とか

思わせるべきではありません。

歯はものすごく大事なものですが、
時に歯よりも大事なものもあって

そっちで患者さんが人生を
懸命に、時に楽しく過ごしてらしているときに

私たちはそれを陰ながらサポートする
私たちが主張しすぎないことが重要と考えます。

ほんとに必要なら
あるいは患者様がご希望なら
もちろんいろいろなテクニックの
アドバイスをします。

「いつも飲んだまま寝ちゃうんだよなあ」
なんて人がいたら
それはまずいですよ、とは伝えますが

私たちプロは弁護士さんとかと同じで
こうするといいかも、というアドバイスはしますが
こうしてください、とは言いません。

やるかやらないか、
どのようにやるか、は
患者様がその時の価値観、優先順位で決めるもの
ではないかと考えています。

 
2024年06月14日 06:01

パウダーで予防

予防処置のための新しい設備を導入しました。

パウダーを吹いて歯垢を飛ばすことで
歯にやさしく、また従来器具の届きにくかったところまで
すっきりきれいにできます。

軽度のステインも同時に取りますので
やるほど、白くつるっとした歯になります。

短時間で歯にやさしく、すっきりと歯垢を取れる
予防処置の「ゲームチェンジャー」になりうる
新しいコンセプトです。

昔から着色を取るエアフローはあったのですが
パウダーや機械の性能に問題があって、
歯肉などにダメージを与える危険性がありました

でも今度の機械には歯肉へのダメージはありません。
そのため、歯と歯茎の境目のプラークまで取れて

つるっつるになります。

プラーク(バイオフィルム)が
古くなって
感染性が増す前に
パウダーですっきり除去してしまう

20数年前に
私の前の職場に歯科機械中堅企業の
エアフローの開発担当者が来たので

「いずれこの時代が来る」
(エアフローでプラークを取る時代)と
さんざん力説させていただいたのですが

時代が来るのに
20数年たってしまい
申し訳ありませんでした…

機械はスイス製です
この分野でも日本は取られてしまいました

世界のサイエンスの流れに乗って
どんどん英語論文でエビデンスを蓄積して
特許をとっていれば
機械やパウダーは日本の得意分野だったでしょうに

スマホでも
アップルのiphoneより前から
シャープの「ザウルス」とかあって
日本のお家芸だったのに

当時アップルは
パワーマック9000シリーズとか
非常に迷走していて
つぶれそうで
ジョブズが現れて
製品ラインナップをすべてリセットして
iMACを出して

ipadをジョブズが実演したときには
「あんな重いものであんなことするかよ」
みたいに笑われて
でもその後iphoneを出して
世界を変えてしまった

ちなみに
パウダーは従来の重炭酸ナトリウムとかではなく
エリスリトールというもので
汚れを落とした後、溶けてしまうので
口に残ることもなく、快適です。

半年に一回の定期健診だった患者様も
その間に1回もしくは2回とか
パウダークリーニングを入れるのも

いいかもしれません。



 
2024年05月17日 08:37

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