~かけがえのない歯を大切にする治療、価値ある治療結果、そしてつらくない治療をめざしています~

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日々雑感

「奇跡」の歯ブラシ

最近話題の

「奇跡」の歯ブラシ

なかなか良いです。

種類は2種類あり、
奇跡の歯ブラシと奇跡の黒歯ブラシ

毛先が歯と歯の間に
入り込みやすい形状になっています。

当院でも販売しています。

ーーーーーーーーーーーー

歯科の世界では
歯ブラシや歯間ブラシ、フロスなどで行う清掃は
プラークコントロールといいます。

プラークは歯垢のことで
歯についた柔らかい白いカス

プラークコントロールの目的は
このカスをとることです

プラークが毎日とりきれれば
理論上、歯周病も虫歯も
予防できます。

ただこれが難しい。

まず歯ブラシの持ち方
柄をグッと握ってしまうと
まず無理です

歯ブラシはペングリップで持つ
まずここから始める必要があります。

普通のブラシの毛先を
歯と歯の間や
歯と歯茎の間に届かせるためには
少し押し付け気味にして
毛先が移動しないように動かします

毛先が移動すると
歯根が削れたりしますので要注意です

入りにくい歯列の内側は
歯ブラシの角
先の角を「つま先」下の角を「かかと」
などと呼んだりしますが
それを使います

歯ブラシを縦にしたり
斜めにしたりして
毛先を当てます。

ーーーーーーーー

といったテクニックが
普通の歯ブラシでは
必要なのですが、

この「奇跡」の歯ブラシは
あまりテクニックを必要としません。

ペングリップぐらいはしたほうがいいと思います。
それから毛先を移動させることで
歯根を削ってしまわないように注意が必要なのは
同じです。

youtubeなどのCMでやっている
あの汚れの落ち方は
ちょっと大げさすぎるとは思いますが、

なかなか良いと思います。

ただ、普通の歯ブラシで十分にプラークコントロールが
できている方の場合

「奇跡」の歯ブラシだと、ちょっと毛が入り込みすぎる
感じになるかもしれないので

あえて変える必要はないと思います。


(追伸)
歯ブラシの持ち方ですが、五本の指先で持つ、パームグリップの
変法、でもいいかもしれません。





 

2023年06月26日 17:22

どこまで

診療室の5年後のあり方を構想しようとして
5年前の日記を見てみました。

読んで感じたのは
5年前の方が臨床をやるにあたって
悩んでいない(笑)

今の自分は
5年前の自分が知らなかった知識や技術を
知っていますが

5年前の自分は
自分のスキルに疑いなく
のびのびやっていた
感じが読み取れます。

たとえば
上下のあごがかみ合う
顎の位置(顎位)を決める方法

もちろん
5年前にやっていたのも
世界的に見て標準的な方法です

ただその後の5年間で
もっといい形に治せる方法を
知ってしまった、ということがあります。
しかしそれを適用すべきかどうかにおいて
哲学的な問題があると考えます

例えば顎関節
ヒトの顎関節は一般的に
年齢とともに変化していきます。

骨の間にある軟骨の円板がずれたり
穴が開いたりして
やがて骨同士が当たりはじめ
それにより骨がすり減り
その結果かみ合わせが変わり
奥の方の歯の当たりが極端に強くなってきて
奥歯からだんだん失われる傾向があります。

加齢変化とも言えます。
これは膝や股関節などでも
似たようなことが起きます。

昔は
その時のその年齢の顎関節に
合った歯を入れればいいじゃないかと思ってました

その関節に合った歯を入れれば
その歯が顎を支えて
関節の老化が遅れるかもしれないし

老化の進行が変わらなければ
それは体の方の問題と

しかしその後
顎関節は加齢の時計を
ある程度戻せる可能性があることを
知りました。

この考え方は最先端であるし
学術的にも証明の途中にあります。
しかしどうやら正しそうです。
うまく適用できれば
健康寿命に対するインパクトも
かなり大きいのではないかと考えます。

このような、老化の時計を戻すような
治療が、今後医科にも歯科にも入ってくるでしょう。

実際それほど難しい手技ではありません。
マウスピースを使って
時間はかかりますが、

しかしこのときに問題になるのは
顎関節だけ戻していいのか、という問題です。

先ほどお話ししたように
ヒトの体は変わってゆきます。

体の関節も骨格も姿勢も変わってゆき
顎の骨も華奢になり歯を支える骨も減っていて
そして歯列も加齢に合わせてすり減っています。

そんな中で顎関節だけ
いわゆる若返りさせたとしたら

噛み合わせも変わるし
若返りした後の顎関節を
老化した骨や歯が支えられるのか

大規模で頑丈な治療をすれば
支えられるかもしれないが

若返りした顎関節が
どれだけ維持されるかわからないのに
顎のあたりだけ若返りさせたことが
全身にどのような変化をもたらすか、

想像以上に
いい変化をもたらす可能性はありますが、
アンバランスが
逆に新たな問題をもたらすかもしれない、のに
そこまで踏み込むのか

かといって
老化して機能低下していく関節をわかっていながら
それに調和した歯を入れることだけで正しいのか

医学の進歩によって
たくさんの哲学的な問題が発生しています。

歯科ではインプラントもそうです。
なんで悪くなってしまった歯を努力して残すのか
という考え方もあります。

先日亡くなられた松本零士氏の原作のアニメで
銀河鉄道999というのがあって
子供の頃よく見てました。

その中で機械伯爵?が
なんで生身の体にこだわるのか
機械になれば永遠の命が手に入るのに
みたいなセリフがあったと思いました

まあインプラントは
何もかもいいわけではないので
まず天然の歯を残すことが大切かと思いますが

こんな話を以前シアトル大から来た先生に質問したら
僕の専門ではないので哲学者に聞いてくれと
言われたこともありましたが








 
2023年04月30日 21:37

「長持ち」について

治療した歯が「長持ちする」ことが
いい歯医者さんの条件であるかのように
考えがちですが

必ずしもそうではありません。
理由は二つあります。

一つ目の理由として
「長持ちする」ことだけを重視すると
状況がよくない歯、治療してもあとどれだけ持つか
わからないような歯は
安全のために、抜歯することになります。

後でトラブルが起きたときに
「長持ちしなかった」という評価になるためです。

二つ目の理由として
「長持ちする」ことだけを重視すると
治療装置の頑丈さを重視することになります。

頑丈に作るためには
厚みを確保する必要があります。
厚みを確保するためには
歯を削る量が多くなります。

また頑丈に作るためには
弱い歯同士をつなげてかぶせたりします。
つまり削る本数も多くなります。

そして使う材質も
頑丈なものを使うことになり

そうやって、とにかく頑丈なブリッジなどの治療をすれば
とりあえず長持ちはするでしょう。

しかし、歯は上と下で噛みあっています。

ものすごく頑丈な治療は
噛みあう歯が壊れることがあります。

入れたばかりのクラウンやブリッジが
すぐ壊れてしまったら
歯科医は責任を問われると思いますが

では噛みあっている反対側の歯が壊れたらどうでしょうか

アメリカなど訴訟の多い国では
とにかく抜きたがる傾向があります。
そしてインプラントを入れて
そこに頑丈な材料で歯をかぶせる

頑丈なインプラントに
頑丈なクラウン
そうすれば、壊れることはまずありません

そこで噛みあう天然の歯が壊れても
因果関係の証明は困難です

抜歯されてインプラントになるような歯と
長年噛みあっていた歯ですから
もともと内部に亀裂などダメージがあったかもしれない
という話になります


ここでもう一つ
話は複雑になりますが
別の因子を考慮する必要があります。

それは、それぞれの患者さんの
お金に対する価値観です。

例えば何十万円の治療だったら
とにかく後でダメにならないように
無理そうな歯は抜いて
周りの歯に拡大してもいいから
とにかくしっかりした頑丈な歯を入れてくれ、と
言われることもあれば

何十万円くらいだったら
もしダメになればその時はまた考えるので
だめかもしれない歯もトライして残してほしい
必要以上に治療装置を拡大しないでほしい、
頑丈すぎる構造体でなく、周りに負担の少ない、
違和感の少ない形態にしてほしいと
言われることもあるわけです。

どちらの場合もあるし
そしてその中間もあります

私たちは治療計画や金額の説明をするときに
その方の反応や雰囲気を見させていただいています。

反応を見てもわからないときは
あえてお聞きすることもあります。

お金の価値は変わらなくても
お金に対する価値観は人によって全く違うからです

その方の歯科に対する評価も
治療する中で、変わっていったりもします

そのような動的な関係性の中で
ミスマッチした治療を提供しないようにするのも
必要なサービスなのだと思っています。




 
2023年04月29日 22:39

「ここ一番」

お正月休みは今日までで
明日から診療です。

今日は職場に来て
事務処理や治療計画を作ったり
器具を研いだりしていました。

今年はどんな年になるのでしょう

気候変動や、コロナや
戦争まで起きて
世界の不安定化が増している中で
しておくべきことは何でしょうか

手前味噌ですが
歯を治すことだと思います。

時々言いますが
歯は資産です

たんす預金は増えませんが
健康な歯は無限の可能性をもたらします

世の中が大混乱してから
歯を治すわけにはいかないでしょうから

先にしっかり治しておいて

ちゃんと食べられて、ちゃんとしゃべれて
しっかり身体を支えられて
隠さずに笑えるきれいな歯があれば
何とかなるかもしれません。

まれに思春期のお子さんの虫歯の治療に
費用をかけたがらない親御さんがいますが

思春期の虫歯には
費用をかけて
顕微鏡を使って、過不足なく虫歯の治療をして
いい材料で
隙間のない接着充填をすることが
最も費用対効果の高い方法と考えます。

これから80年とか使う歯です。

将来活躍すれば
ハードな環境、ハードな仕事
重い責任、重要な判断
にさらされるでしょう。

その時に
しっかり食べれて、時には歯をくいしばって頑張れて
これからさらに不安定化していく世の中でも
やっていけるように
しっかり治しておいてあげるべきだと思います。

ちょっと話が脱線しましたが

歯は
年齢にかかわらず
これから不安定化していく世の中で

重要な局面で
ここ一番で
頑張れるように

治せるうちに
治しておく

というのが
いいのではないでしょうか。

ということで
本年もよろしくお願いいたします。




 
2023年01月03日 20:49

歯が原因でない痛み

患者さんが歯が痛いと訴えて来院された場合でも
原因は歯の場合と、歯でない場合があります。

歯の痛みのように感じる
歯が原因でない痛みを
「非歯原性歯痛」
といいます。

患者さんはまるで歯が痛いように感じるので
「歯を治してほしい」と来院されるのですが
注意が必要です。

残念ながら
非歯原性歯痛にたいして
歯の治療をしてしまう事例が
報告されています。

たとえば
悪くない歯を削ってしまったり
神経を取ったり
抜歯になってさえも
痛みが取れない事例

この非歯原性歯痛は
臨床で比較的高頻度に見られます。

原因は
筋肉の痛みだったり
神経線維の傷だったり
痛覚の変調とか
三叉神経痛
上顎洞炎
脳腫瘍などのこともあります。

患者さんは抜けば治るのではないかと
抜歯を希望され
抜歯をしたのに
痛みが取れない、
ということが起こりうるのです。

そのため私たち歯科医は
「これは非歯原性歯痛では」
と思ったときに
安易に削ったり、ましてや抜いたり
しないようにしなければいけません。
しても治らないのですから

痛みに耐えている患者さんには
時間がかかってしまって大変申し訳ないのですが
遠回りになるようでも
ちゃんと評価して
非歯原性歯痛の原因に対する
治療を行うことで
歯を守る必要があります。
 
2022年12月19日 06:32

医者の「ちょっと」

自分が昔
口腔外科にいたころ

残念なことに
この処置は痛くて当たりまえ
みたいな考えがありました。

顎骨骨折のシーネ巻とか
手術後の抜糸、とか

口腔外科でなくてもあります。
下の奥歯の急性歯髄炎の治療とか

患者さんの立場からして
心配なのは
自分がこれから受ける処置は
どうなのか、ということだと思います。

これは歯科に限らず
何科でもあることだと思うのですが

というか、
医科のほうが多いかもしれません。

以前内科の先生に
「ちょっとしみる可能性がある」と言ったら

「医者の言う”ちょっと痛い”は
ちょっとじゃないことが多いので、
麻酔してください」とのことでした。

かつては伝統的に
痛いのはしょうがない、
みたいな認識があったわけですが

今思うと
バタバタと忙しい
大学病院の診療室だから
できなかっただけで

例えば抜糸とか
肉眼でやろうとするから
引っ張らなければいけないのであって

マイクロスコープを使って
0.3mmの糸を
10倍に拡大して切れば

ほとんど引っ張らなくてもいいし
痛くなくできます。
(状況にもよるかもしれませんが)

急性歯髄炎の治療にも
様々な工夫があります。

高杉晋作氏の言葉で
「おもしろきこともなき世を
おもしろく」

というのがあるようですが、

当院では
様々な工夫で

「痛い治療も
痛くなく」

でありたいと思っています。
2022年06月14日 10:33

匙加減(さじかげん)

歯は体を支えています。

治療でかぶせ物をするために
歯を削ったり

入れ歯の噛み合わせを修正したりすると

急に患者さんの身体が傾いたり
逆に姿勢が直ったり
という経験を
多くの歯科医がしていると思います。

しっかりとした奥歯が
しっかりとその人の身体を支えるなら
問題はないのですが

問題となるのは
その歯が過去に虫歯や炎症などで
治療を繰り返していて
既にしっかりしていない場合や、

くいしばりなどで亀裂が入り
壊れ始めている場合です。

たとえば、そういう弱っている歯を
多少無理させてでも
また、しっかりと噛ませたとします。

するとその歯は患者さんの身体をしっかり支え
その身体はベストなパフォーマンスを発揮するでしょう。
しかし、歯の寿命は短くなります。

一方で
そういう弱っている歯が
無理しないように
噛み合わせを弱く当てるならば
歯の寿命自体は長くなるでしょう。

しかし、患者さんの身体パフォーマンスが
低下する可能性があります。

歯科医はこの話はあまり
したがりません。

もちろん
こういう話はエビデンスなどありませんし、
そんなことまで歯科のせいに
されてはたまらん、
というのもあるのでしょう。

また世の中が
歯科の治療の質として
わかりやすい
longevity(長持ちかどうか)
ばかり求める
傾向がある、
というのもあります。

もちろん人の身体には
高度な適応能力があり
多少低くても
調整はされるので
それに期待している部分も
あるでしょう。

ちなみに、この適応能力にも
噛み合わせへの身体反応の鋭敏度にも
個体差があります。

それぞれの歯の状況や噛み合わせの強さや
歯の使い方もそれぞれ個人差があり

太くて短いを望むか
細くて長いを望むか、みたいな
患者さんによって人生観も違い

年齢や
今が人生のどういう頑張りどころなのか、
みたいなこともあるかもしれませんし、

どれだけの費用ならば
どのくらいの期間、治療歯が持ってほしい
という
お金に対する価値観も違います。

歯がなくなった後の対応
インプラントなのか、入れ歯なのか
それらの受け入れによっても違ってくるでしょう。

実は相談すべきことはいくらでもあり
当院ではそういう時間をとるように
していますが、

どれくらい当てるかみたいな
微妙なところは
患者さんとしても聞かれても困る
みたいな部分だと思います。

そういうところ、
結局、歯科の治療は
匙加減、であるといえます。

いろいろ考えて
この人のこの歯は
このくらい当てよう、と

この采配が
当たることもあれば
外れることもあるわけで

患者さんが長く
元気で通ってきてくれる歯科医院は
そのあたりが
良いのかもしれません。


 
2022年06月07日 20:26

平均寿命、健康寿命

日本人の平均寿命は
男性82歳、女性が88歳です。

医療へのアクセスが良く
健康志向の方が多い地域では
男女問わず
90近くでも元気、という方々が
多くいらっしゃいます。

一方で日本の平均
「健康寿命」は
男性72歳、女性75歳とされています。
その年齢以降は
日常生活に支障となる何らかの健康問題を
抱えるわけです。

当院にも
お気の毒なことに
ご高齢で、歯も良い状態でなく
お口を拝見すると
「これは噛めないな」と思うような
方が時々受診されます。

そういう方の
「歯列全体」を治療して
しっかり噛めるように、
しっかりしゃべれるように
して差し上げると、失礼な話ながら

「この人こんなにしっかりした人だったの?」
と思うくらい元気になり
びっくりすることが
非常に良くあります。

姿勢や表情や判断力などの性格まで
10年、15年くらい若返ったんじゃないかな
と思うくらい

生物にとって歯がいかに重要なものか
実感します。

そういう方々は
もともと歯医者に行っていなかった、のではなく
歯医者には通っていたが
もうご高齢だからと
抜本的な改善をせず
「とりあえずの」治療を繰り返していた

そういう方が多いように思います。
歯科医側も遠慮していたのかもしれません。

でも私は
歯科医側が勝手に遠慮するのは
良くないと思います。

その「とりあえず」では解決しなかった
抜本的な噛み合わせの改善が
残りの人生の質も、長ささえも左右するほどの
重要な問題に
なることがあるからです。

患者様にとって歯科医はプロフェッショナルです。
プロに「やめときましょうか」と言われたら
患者様は「そうか、そういうものなのか」と
思ってしまうかもしれません。

患者様は根本的な歯科治療の先に
驚くような生活の質の改善の可能性があるなど
知る由もないのです。

ご高齢になってしまうと
治療ができる健康状態なのか、
という問題もあります。
全体の治療には半年とか1年とか時間もかかります。
通う体力も必要でしょう。
もちろん患者様のご希望もあります。

ちゃんと噛めず
体力も低下したご高齢の患者様がいらしたとき
大変失礼な話ですが
「はたして間に合うか」
と思うことがあります。
時間的にも
その方のお気持ちの問題も含めてです。

歯科医が勝手に遠慮することなく提案し

健康寿命を延ばして
平均寿命との差を縮めるのも
歯科の役割と考えています。



 
2021年12月13日 12:00

教科書的、について

教科書的には抜歯すべき、とされるくらい
状態の悪化した歯が
その後の治療により改善し、
その後長期間機能する、
といったことがよくあります。

抜歯の基準とはなにか
考えさせられます。

こんな話がありました。

とある分野の日本人の専門医が
新しい治療法を開発し、
それまでできなかった症例の
治療ができることを
明らかにしました。

彼はアメリカの有名学術誌に
投稿しましたが、
受理されませんでした。

その理由は
「診断が違う」とのこと

画期的な治療法なのに
これまでのエビデンスに基づいていない?

最近何かとアメリカの硬直化が気になりますが…

その後彼は世界的に有名な学術誌に投稿しなおしたところ、
なんと賞を取りました。

エビデンスとは何か
考えさせられます。

昔日本の歯科で猫も杓子もEBMと騒いだ時期があって

私の友人のスウェーデン帰りのDrが
「これはエビデンス・ベースド・メディシンじゃなくて
エビデンス・ビリーブド(Believed)・メディシンだ」

と笑っていたのを思い出します。



 
2021年11月16日 13:28

どこまで治すか

人の歯は上に14本、
下に14本あります。
(親知らずを除く)

これを「歯列」と言います。

歯科医が治療するにあたり
「どこまで治療すべきか」
という問題があります。


どこまで、とは

依頼された「その歯」だけ治せばいいか

「歯列全体」の健康を考えるべきか

「歯列全体と顎の関節など咀嚼器官」の健康まで考えるべきか

「歯列全体と顎の関節など咀嚼器官から体のゆがみや重心など体全体のこと」まで
考えるべきか

歯科医によって考えはそれぞれです。

私自身は「体全体のこと」まで考えて
学び続けるべきだと
思ってはいますが

話が大きくなるほど
科学的根拠が怪しくなってくることも
事実です

老化で変化してゆく体に対して
歯だけがそれにあらがうことが
そもそもできるのか、というのもあります。

どこまでやるべきか
どこまでできるのか

人は変わってゆきますし
変化は経験しなければわからないと思います。

やはりこれは
いろいろな関係性(バランス)の問題であり
 

それぞれの患者様と我々との関係
それぞれの患者様の老化とその受け入れの関係
その処置の学問的正確さと臨床実感の関係
それぞれの患者様の自然治癒力との関係

歯科にかかわることは
さまざまな動的な平衡状態を維持しつづけることでも
あると思っています。
 

2021年08月26日 00:03

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