~かけがえのない歯を大切にする治療、価値ある治療結果、そしてつらくない治療をめざしています~

HOMEブログページ ≫ 治療について ≫

日々雑感

マウスピース矯正と適応症

マウスピース型の矯正装置は日々進歩しています。

以前インビザラインという商品が
一世風靡し、
世界的に今も主流ではありますが

最近は様々な競合が現れて
それぞれ強みをもって
自社製品を開発しています。

どれも似たようなものかというと
そうではなくて

各社の製品にはそれぞれ個性があります。

アタッチメント、と呼ばれる部品や
トリムラインといった設計、
素材となるシートにも
各社様々な個性や特許、
技術的な強みなどをもっています。

これらの開発競争のおかげで
マウスピース矯正の適応症も日々拡大して
人類は目立たない矯正治療の恩恵を
より多く受けられるようになってきています。

それぞれの製品に得意、不得意があるため
Dr側は様々な症例に対応しようとすると
複数のライセンスを持つ必要があります。

ほとんどの製品がデジタルですが、
中には今も歯科技工士さんが
手作業で製作するものもあり、
症例によってはそれが向いている場合もあります。

そのような製品は技工士の腕次第で結果が変わるので
腕のいい技工士と連携する必要もあります。

ワイヤー矯正の時代と比べて
いわゆる抜歯して行う矯正も少なくなりました。

中高年の矯正症例も増えてきています。

ご興味あればご相談いただければと思います。








 
2026年04月14日 07:56

ご高齢の方の定期クリーニングの効果

歯科医院で行う歯のクリーニングを
どのくらいの間隔で受ければよいかという事については
議論があります。

高齢者の歯垢を定期的に清掃することによって
誤嚥性肺炎の発生率を著しく低下させることができる
ことは証明されています。

また歯垢のない状態が維持できれば
歯周病なども予防されます。

しかし、
歯垢は24-72時間で形成され
数日で病原性を生じてしまうので

理論的には月に1回プロがクリーニングしたからといって
誤嚥性肺炎や歯周病が予防できるわけではありません。

では月に1回のクリーニングにはどんな意味があるのか
ですが

実は
歯垢は古くなるほど硬くなり、
また厚みも増し、病原性も増してゆきます。

古くなった歯垢は
歯ブラシでは簡単には
取れなくなるのです。

なので
定期的に歯科医院で歯垢を取る、

そうすると、新しくできた歯垢は
柔らかく、
日々のご自身のケアで
容易に取ることができるようになります。

皆さん歯ブラシなどのケアは
毎日ご自身でなさっていますので

その時の歯垢を
皆様ご自身で、取りやすい状態にする、
そのための定期的な
歯科医院でのクリーニングなのです。

また
ご高齢の方の場合、
口腔周囲筋が硬くなっていたり
唾液分泌が減少していたりします。

それに対し
筋や唾液腺のマッサージをさせていただいて
咀嚼筋、表情筋の活性化
唾液分泌の促進

そういったことも
ご提案させていただければと思います。




 
2026年04月01日 12:08

軟化象牙質について

虫歯になると象牙質が柔らかくなります。

これを学術的には
軟化象牙質といい、私たちは略して
軟象(なんぞう)と呼んだりします。

この軟象は感染組織であり、
機械的強度も低下しているため
通常、除去する必要があります。

機械的強度が低下した軟像が
歯の中に残っていると
詰め物を支えるべき歯が
強度不足となります。

そうすると
歯がかみ合うたびに
詰め物と歯質の間にストレスがかかり
やがて隙間ができて
虫歯が再発します。

新患の患者さんを診ていて
特に多いと感じるのが
下の奥歯の軟象によるトラブルです。

下の奥歯は
昔も今も麻酔を効かせるのに
技術的に難しい、ということがあります。

本来なら
麻酔もきっちり効かせて
軟象もきちんときれいにしてから
詰めるべきなのですが

麻酔が効かせられないと
無理しないで行こう、とか
無理させないで行こう、とか
(判断としては正しいと思います)

逆に、長引かせないで急いでやってしまおう、とか
(これは恐ろしいですね)

結果的に
感染歯質を残してしまったり
逆に
削りすぎてしまったり

そうすると
治療後に
どうもしみる、とか
詰め物が取れてしまう、などの
問題が起きやすくなります。

レントゲンでは問題なくとも
詰め物を外すと
軟象があるケースが多く

きちんと軟象をきれいにすると
症状が解決します。

削り残さず
でも削り過ぎず

このためには
マイクロなどでの拡大視野と
スプーンエキスカベーターという
手用のインスツルメントを使って
丁寧にやるしかないと思っています。
(当院の患者様はご存じと思います)

ちなみに学術的には
う蝕(虫歯)象牙質は表層から
多菌層、寡菌層、先駆菌層、に分かれており
寡菌層はある程度残してもよいとされていますが
このある程度、が問題で

昔ながらの手用器具で
丁寧にやることが
結果的にバランスが良い治療が行われることが
知られています。
















 
2026年03月31日 08:39

歯髄の話

歯の中には歯髄があります。

歯髄には血管や神経が含まれていて
歯の感覚や
歯質への栄養補給を行っていて

歯もその内部で
細胞のターンオーバーがあり、

つまり歯は生きています。

そのため歯髄を取ってしまうと
その後長い目で見ると
歯はその強度が劣化すると言われています。
(諸説ありますが)

強度が劣化した結果、問題となるのが
歯根破折、です。

ですので
歯の神経はできるだけ
取らないほうがいい、というのが
大原則だと思います。

しかし虫歯が極端に深い場合など、
歯髄に感染が到達しているしていることがあり

そのような場合
水酸化カルシウムなどを使いながら
段階的にう蝕除去を行い
(ステップワイズ・エクスカベーションといいます)

それでも歯髄が露出してしまった場合、
ケミカルサージェリーなど行ってから
MTAセメントといった材料で封鎖します。
これを「直接覆髄」といいます。

そして経過が良ければ
歯髄を残したまま、充填など
治療を継続します。

昔に比べ
歯髄はかなり残せるようになってきています。

特に修復力の旺盛な若い人は
これから80年とか使う歯ですから
とにかく、歯髄保存を行うことが
大事だと考えられています。

ただ当院では
50代とか、時に60代であっても
こうやって歯髄保存をすることもあります。

なぜなら
人生90年、人生100年の時代
50代、60代であっても
これから30年とか、40年、
歯を使うかもしれないわけです。

昔は歳を取れば
歯が減ってゆくのが普通でした。

介護の現場では
総入れ歯が一番楽だという声もある
正直私も老人ホームで診療していると
そう思う部分もありますが

しかし歳だからと言って
まだ元気なのに歯のある生活を
あきらめるのは
ちょっと違うんじゃないかと
思うのです。








 
2026年03月31日 07:30

ナイトガード率 ~ハリウッドやウォール街では~

ハリウッドやウォール街では
ナイトガード(マウスピース)使用率が約30%と言われています。

その目的は
エイジングによる摩耗や歯列の乱れを防ぐためと、
クラウンやべニアなどが壊れるのを防ぐため、
そして歯の破折を防ぐためです。

残念ながら
加齢とともに
人の歯や歯列も崩壊していきます。

毎日毎晩、歯には負担をかけているし
人のエナメル質は
爪や髪の毛と同じで
それ自身に破壊に対しての
修復力はないためです。

また審美的なクラウンなど
修復物は割れやすかったりします。

技術革新により
すごい硬い白い材料もありますが
それを使うと
今度は歯根が問題を起こしてきます。

またアメリカでは金融や法律分野などの
高ストレス職でも
30%以上がナイトガードを使用しているとも言われており

白いクラウンを入れていて
高ストレスにさらされる立場の方は

まず、ナイトガードを入れたほうがいいと思いますし、

そうでない場合でも
エイジングに対処するためには
使ったほうがいいと思います。

ナチュラルなエイジングでいいのだ、という考えも
あると思いますが

現代のような
90代とかまで生きるのが
当たり前のようになってきた時代には

歯のエイジングに対応するためにも
昔とは違うアプローチが必要です。

テレビでトランプ氏の演説を見るたびに
「あー、ナイトガード使ってるんだろうな」
と思ってます。

ナイトガードも消耗品なので
ランニングコストもかかりますし
いいものを作ろうとすると
実は技術的にも難しいものではありますが

どこの歯科に通っても
治療の繰り返しで
ずっと歯で悩んでいて
当院でナイトガードを作って
歯の悩みから解放された方々が
結構おられます。

歯をきれいに保ちたい方
治療した歯を長持ちさせたい方

あと睡眠の質にもかかわるものでも
ありますので

ナイトガード(マウスピース)の
ちょっといいものを作って
お使いになることを
お薦めします。
























 
2026年03月14日 07:41

新年(2026)

あけましておめでとうございます。

お正月休みもあっという間に終わりまして、

と言っても、まるまる休みだと少々時間を
持て余してしまう感もあったのですが、

診療が始まると共に
いくつかの問題の解決や
複数の治療のプロジェクトが
一気に始まり

この感じは
わるくないなと思います。

時には疲れることもありますが、

やはり仕事は健康の源だなあと
思ったりするわけです。

とある患者さんがおっしゃってましたが
大事なのは
「きょういく」と「きょうよう」とのこと。
いわゆる教育と教養ではなく

今日、行く、ところがあることと、
今日、用が、あること

だそうです。

今日は木曜で休診でしたが
診療室で雑用の後、

何人かの患者様の治療計画を考えました。

どれくらい噛めるクラウンを入れるか、を考えたりして

「とにかくよく噛めるクラウンがいいに決まってるじゃないか」と
思われるかもしれませんが

すごくよく噛めるクラウンを入れると
実は歯の根に負荷がかかりすぎる、ということが起きます。

高速走行用の高性能タイヤの寿命が短いように
いわゆるトレードオフの関係で

例えば石臼のように
上下でぴったり合って
ゴリゴリすりつぶせれば

食べ物を瞬時につぶすことができ、
消化にも味覚的にもいいかもしれませんが、

擦れ合う歯には大変な負担がかかり
結果的にその歯の寿命は短くなります。

どれくらい噛めるかを専門的には
咀嚼能率、という言い方をしますが

上下の歯が当たってはいても
「擦れ合わない」歯は

根にかかる負担が少ないため
歯が長持ちします。

ただし、その歯が咀嚼にあまり貢献しないことになり、
その代わりに
その周りの歯に負担がかかってくるので

周りの歯の寿命に影響してくることもあります。

つまり、治療した歯が長持ちするだけで
必ずしも腕のいい歯医者とは言えない、ということがあります。

私たちはその患者様の
性格とか、治療へのご希望とか
年齢とか、
歯科に対する経済的な感覚とか
その歯自体の強さとか、
その歯と噛み合う方の歯の強さとか
その周りの歯への負担とか

咬合力の強さとか、
全体的な噛み合わせのバランスとか
ブラッシングなど管理のレベルとか
お体の状態(加齢後にに再治療できるかとか)

できれば歯を削る量の少ない方法はできないか、
マウスピースへの理解はどうだろうか、とか

天然の歯の、人工物には替えられない、良さを
どうやって残すかとか、

そのあたりのことをいろいろ考えながら、
匙加減を調整しながら計画を立てて行きます。

一か所の治療が全体に影響しますので
人生のように?
太く短くか、細く長くか、
その中間か、とか
これをすべての歯で組み合わせる感じでしょうか

ブログを書いていたら
時間がたってしまったので
また仕事に戻りたいと思います。

新年早々、ややこしい話で失礼しました。

本年もよろしくお願い申し上げます。






 
2026年01月08日 18:52

中と外 ~インプラント表面性状の進化~

体の中と外の境界には
バリアがあります。

皮膚や粘膜

粘膜は皮膚に比べて
バリア機能が弱いために
それを補完する様々な機構があり

口腔粘膜の場合
唾液やそれを物理的に維持する口唇
唾液中に含まれる抗菌性物質や
実は口腔内細菌叢もバリア機能の一部です。

歯はその粘膜から硬組織が突出している
特殊な器官であり

歯のまわりの
歯と粘膜の境目にも
バリア機構があり

専門的には
「生物学的幅径」と言います。

なぜこの話をするかというと

実はインプラントにも
この「生物学的幅径」の代わりになるものがあることが
知られており

この部分を治療時に適切に作るかどうかで
長期予後が変わってくることが
わかっています。

手技的には埋入深さの
ほんの1ミリとか2ミリとかの深さの違いなのですが
それをやるかどうかで
将来的な予後が違ってきます。

このコンセプトが確立したのが
2017年

もし炎症などでこのバリア機構が破壊されて
インプラント表面に細菌感染が起きた場合

以前のインプラントでは
骨吸収が急速に進行して
インプラントが失われることが多かったですが、

今のものは表面性状が進化していて
露出しても感染が起きにくくなっています。

露出時の対感染性の表面性状が確立されたのが
2005年

それらコンセプトが学術的に確立しても
企業が製品にそれを導入したり
歯科医が臨床に導入するまでに
タイムラグがあったりしますが

結局、何が言いたいかと言いますと

インプラントは「昔のもの」と比べて
確実に進化しており

最近になって
ブリッジよりもインプラントが
第一選択になって来たのは
それ相応の理由があるのです。

今の進化は
先人たちの努力の結晶なわけですが

当院でもインプラント治療が増えてきているのは
昔と大きく変わって
良くなっているからこそ、であると言えます。




 
2025年12月10日 07:11

アピアランス ~中高年の歯列矯正について~

加齢とともに
「歯並びが悪くなってきた」という
相談を受けることがよくあります。

人の歯は年齢とともにすり減ったり
傾斜したりする傾向があり

「若い頃はもっといい歯並びだったのに」
いつの間にか
前歯などがガタガタになってしまっている
など

人生80年から90年の時代になり
昔は「歳だから」とあきらめていた事も

今は60代も70代も
まだまだ現役

男性も女性も
「アピアランス」が重視される
時代になりました。

ちょっとここを治したい、など
の希望もよくあります。

ちなみに中高年でも歯列矯正は可能です。

今は目立たない装置で
できるようになりました。

ただし、骨細胞の代謝は低下していますので
時間はかかるのと
様々な配慮をする必要はあります。

すでに入っているかぶせ物や、インプラント、
歯周病や内服薬との兼ね合いなど

私の考えとしては
中高年の矯正治療では

見た目にかかわる前歯を中心に動かし
何十年機能してきた奥歯の噛み合わせは
できるだけ動かさずに

できるだけ安全重視で
矯正期間中も生活に負担の少ない矯正を
注意深くフォローしながら
行うべきです。

目立たない矯正治療と
歯のホワイトニング
古いクラウンの作り直しなどで
見た目は大きく改善することが可能です。

ご興味がおありならば
一度ご相談いただければと思います。




 
2025年12月09日 07:34

「歯列」という考え方 ~目標は生涯維持~

上の顎にも下の顎にも
Uの字型に歯が並んでいます。

人によっては
V字型の人もいるかもしれません。

これを
全体で、歯列、と呼びます。

歯は単独で機能しているわけでなく
「歯列」で機能します。

食べ物を咬みきり、咀嚼し
会話の時の発音にも
見た目にも

歯列の維持、が重要です。

今後高齢化する社会、
人生90年時代に
いかに「歯列」を維持するか

初診の患者様がいらして
痛い場所とか、壊れた歯の治療が
ある程度進んだら

次は歯列を見ます。

どうやってこの歯列を
将来的に維持するか
相談します。

なぜある程度治療してから
相談するか

初診の患者様からしたら
どんな治療をしてくれる歯医者なのか
はじめはわからないからです。

なるほどこういう感じなのか、
とわかってもらってから
全体の話をします。

歯列全体を見ると
「ところでこっちの歯は大丈夫なのか」、とか
「この当たり方だと将来この歯が悪くなりそうだな」、とか

いろいろでてきます。

目標は歯列の維持です。
90歳まで、最近は100歳?まで

入れ歯も、インプラントも
得意ではありますが

でもできれば、入れ歯になってほしくないし、
できれば、インプラントにもしないで済ませたい
と考えています。

 
2025年12月06日 07:28

金(ゴールド)について ~メンテナンスフリーの強み~

歯科で昔から用いられている金属に
金(ゴールド)があります。

最近はその見た目から
敬遠されがちなのですが

上手に使えば
鋳造精度が高いために
詰め物と歯の間に隙間ができにくく、

噛み合う歯にも優しい適度な
柔らかさもあり

100年以上前から
歯科で重用されてきました。

人の歯は年齢とともに
すり減ったり、移動したり
変わってゆくのですが、

金合金のすごいところは
生体側の変化にある程度
詰め物が適応して

ある程度なら
形態が変化したり、調和
してくれたりします。

歯がこすれあって
歯と詰め物の間に隙間が出来そうになっても
なんとゴールドは
それ自体が伸びる、ことによって
隙間を埋めたりします

まるで生き物のようですが

ジルコニアなどの白い材料も
CADCAMの進化などによって
適合精度は非常に良くなりましたが

伸びて閉じてくれる、みたいなことは
ないです

奥歯まで白い材料を使っているような
女優さんとかは
ほぼ就寝時にマウスピースを入れているか、
もしくは
白い奥歯のかぶせ物が壊れるたびに
やり直しをしていることが多いです

昔アメリカの有名な歯科医の見学に行って
「奥歯まで白くしたら壊れるんじゃないか」、と言ったら
「マウスピースは100%処方するし、
壊れたらやり直す。ここはアメリカだよ。」
とのこと

ゴールドには
放っておいても何とかなる、みたいな
メンテナンスフリーの強みがあります
(歯周病などのメンテナンスは必要です)

最近は若い人たちには特に
できるだけ金属を使わない方向で
治療をしていますが

上顎の一番奥歯くらいは
詰め物などにゴールドを使うと
将来的なトラブルが
少なくなるかもしれません。

もし全部白くするならば
寝るときにマウスピースを
お使いになることをお薦めします。

天然の歯列でさえ
加齢とともにすり減り、
歯並びも変わっていきます。

マウスピースにはそれらの変化を
予防する働きもあります。

あと最近は
ゴールドの価格が上がりすぎて
治療費も上げざるを得なく
なってしまいました

今はグラム2万いくらとか
昔は800円くらいの時もあったんですが

世界的に金の価値が上がっているのと同時に
相当な勢いで円の価値が下がっているのかも
しれませんが

資産をゴールドで持たれていた方は
円が安いうちに一部現金化して

歯の治療を受けられても
いいかもしれません。









 
2025年12月05日 08:30