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ペニシリン

最近は患者さんで
かなりのご高齢なのに
とても元気な方が
増えてきました。

この診療室は自分とともに歳を取っていて
60代からいらしていただいている患者さんも
もう80代とかになり

80歳代でお元気な患者さんは
もう普通にいらしていて
中には90歳になっても
ここで普通に歯科治療を受けて
普通にお帰りになるような方々が
ぼちぼち現れてきました

私の感覚では
昔と今では10歳くらいの感覚差がある
気がします。

今の90歳は昔の80歳
今の80歳は昔の70歳
70歳は60歳、60歳は50歳
という感じ

では今の若い人たちも同じように
90とかまで元気で生きるだろうかと考えると
自分を含め、そうはいかないと思っています。

私が思うに
今の90で元気な人たちは
根本が違う

90歳といえば
1932年とかの生まれ
前年に満州事変
太平洋戦争の直前の生まれで
戦争を生き抜いてきただけでなく

何といっても
抗生物質のない時代に
感染症を生き抜いてきた人たちです

フレミング博士がペニシリンを発見したのが1923年
1943年のベルリン大学薬理学教室のペニシリンに関する論文を
ドイツ往復を試みた五隻の潜水艦のうち
唯一生還した伊号第八潜水艦が持ち帰り
1944年にチャーチル首相の肺炎がペニシリンで治癒したという報道をうけ
日本でも研究が開始され
同年には製品が開発されるも
大量生産には至らず
戦後占領軍の招聘した教授の指導の下
日本の製薬各社が製造を始め
大量生産が開始されたのが1947年

今の90代は
(80代もですが)
感染症による乳児死亡率の極めて高かった時代に
抗生物質なしで生き抜いた
免疫力を持つ人たちです。

私も乳児のころひどい肺炎を起こし
抗生物質が効かなければ
もう無理だろうと医者に言われ
でも抗生物質が効いてくれたので
生きています。

フレミング博士の発見がなければ
私もいなかったのかもしれません

そうやってやっとこさ
抗生物質に救われた人に比べると
今の90代は
根本が違う人たちだと思うのです。

そしてもう20年も前のことですが
かくいう私の子供も
肺炎で入院し
なかなか熱が下がらず
面会に来た私たち両親の前で
点滴を付けたままうれしそうに
遊ぶ我が子をみたあと
面談の医師に「覚悟してください」といわれ
まさか死ぬ?のか、と
大変な衝撃をうけたものでした
その後おかげさまで回復して無事退院し
今は元気ですが

そうやって人類は弱くなっていくのかもしれませんが
でも医学は進歩しています

歯科は咀嚼と認知症予防や
かみ合わせと姿勢など
最近明らかになりつつある発展的な分野で
もっと人生をサポートする、どころか
健康寿命を延長するような知見を
臨床に取り込んでいくべきと考えます。

今年も本当にいろんなことがありました。
来年良い年が皆様に訪れますように












 
2022年12月31日 15:26

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