デザイン
先週の日曜日、合気道の稽古がなかったのでデザイナーの友人と茨城県にある
古い名車やスーパーカーのある
ミュージアムに遊びに行きました。
台数は20-30台くらいなのですが、
開場時間の朝10時過ぎから
終了時刻の16時の前まで
お昼も食べずに圧倒的な熱量で
子供のように
車を見ていました
今はそんなに車好きというわけではないのですが、
私が子供のころはスーパーカーブームというのがあり
小学校に行っても家に帰ってからも
友達とスーパーカーの話をして
夜はテレビでスーパーカークイズを見て
ベッドでスーパーカー大全集を見ながら寝ていたような生活
カードもたくさん持っていました。
当時の写真の独特の空気感のなかで
いろいろなスーパーカーが
時にはイタリアの古城の前で
ときには霧に濡れたイギリスの曲がりくねった道の前で
まだ知らぬ国の知らぬ地域のなかの
異文化のかっこいいスーパーカーに
あこがれたものです。
このたびミュージアムに行って
一台一台を
隅から隅まで
近づいたり離れたり
角度を変えたり
上から下から
この車はやっぱりこの角度だろう!
みたいな
ホント子供みたいですが
ボディーや細かなギミックを構成する
当時のデザイナーの徹底したこだわり
について友人が話していて
車のデザインは「ミリ単位」だと
この曲線
この手触り
ここから見たときにこう見えて
それを実現しようとした技術
溶接や研磨や板金
スタイリッシュなボディーに
でかいエンジンを無理やり詰め込んで
機能とデザインの融合
後方視界を切り捨てたり
車の屋根の高さが1mで
座ってドアを開けると地面が手で触れるとか
ある意味もうハチャメチャですが
それをそれまでにない
魅力的で個性的で
人々を夢中にさせる姿にまとめ上げる
デザイナーはその車が街を走っている絵をかいて
ロゴやマークなど細かいところまですべて
徹底的に作りこむ
そのデザイナーの仕事は
車だけでなく
そういう人は
きっと何から何までこだわりで
朝ごはんから飲むコーヒーから
時間から空気感から
朝から晩までデザイナーで
没頭こそが喜びで
感性に導かれた
信念の持ち主なんだろうなあと
想像しました。
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そういえば以前ドキュメンタリーで見たのですが
世界的に有名な日本人のデザイナーが
イタリアでこれまたカーデザインで
超有名なデザイン事務所のディレクターをしていて
各国から来ている新進気鋭の若いデザイナーたちが社内コンペをやって
あるアラブ系の超大胆なデザインが優勝しました。
そして粘土を使った実物大のクレーモデルをつくることになり、
完成したとの連絡を受けて
その日本人デザイナーが見に行き
実物大モデルのボディーのカーブを
「スーッ」と手で触った後
その若いアラブ系デザイナーに言いました。
「お前いじっただろ」
その若いアラブ系デザイナーは
自分が出した案が余りに大胆過ぎて
怖くなってしまい
これくらいならディレクターにばれないだろうと
ちょっと直してしまったようでした。
こういう試されるような話は
オーケストラの指揮者とか
よく聞きますね
すごいと思うのは
ミリ単位の違いに気づいたということもそうですが
若者が出したその大胆なデザインの魅力に
ちゃんと感化される力があったから
その個性が甘くなったことに
気づいた
奇をてらう新しい感性の若者の仕事の価値を
ちゃんと感じて
若者が自信を失いかけても
心配しないで思い切りやれよ
と言えるリーダーシップ
でしょうか
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また話が飛びましたが、
そのミュージアムはそれぞれの車がちゃんと車検もとおして
公道で乗れるように維持されていて、
ランボルギーニ ミウラという
スーパーカーマニアのあこがれの車があるのですが、
ミュージアムの説明員の方いわく
ミウラはどれも大抵一回は燃えていて
その車も先日公道を走っていてエンジンが熱くなりすぎて火が出て
すぐ消したけど
消化器を吹いたので後処理に
360万ほどかかったとのこと
やっぱりスーパーカーは
乗るより見るほうがいいと
思ったのでした。
2023年08月03日 11:03