臨界点
見た目は変わらなくとも、昔と今ではまったく別物になっている歯科の技術があります。
最近はインプラントや骨造成の治療を
患者様におすすめすることが多いですが
10年くらい前までは
あまりおすすめしていませんでした。
技術が成熟していなかったからです。
歯科の技術は日進月歩なところがあり
よりよい生活を提供するという観点から、
確実に向上していると感じますが、
新しいものに飛びつくと
痛い目を見ることがあることも確かです。
当院の患者様に大変な思いをさせたくないので
私は新しい歯科技術は
成熟を待つことが多いです。
時間がたつほど
学術研究が蓄積され
本物かどうかが
明らかにされてきます。
かっこいい、華々しい治療法が
研究者たちの厳しい目にさらされ
どれほど消えていったことか
医学の発達の過程で
医療者はどれだけ患者様に迷惑をかけてきたか
昔に比べ
確実に良くなったものは
まずインプラントの表面性状
昔はインプラントを入れてから
骨と着くまで6か月とか待ちましたが
今は3週間のものが薬事承認されています
当院で使っているタイプです。
早いだけでなく
昔のインプラントは
骨が下がったりして
表面が露出したときに
周囲が強い炎症を起こしてしまうものが多くあった
(今でもそういうシステムがあります。注意が必要です。)
あと骨造成材料
やむを得ず抜歯になった場合
放置すると治るのに時間がかかり
さらに、抜いたところがへこんでしまったりするのですが
それを防ぐために、
骨造成材を入れ、
メンブレンなどで封鎖します。
この材料が
ものすごく良くなった
やはり学術研究が蓄積されると
あるところで臨界点を迎え
臨床導入しても安心な
スタンダードなテクニックになります
あとインプラントは
3Dシミュレーションによる
サージカルガイド
これも圧倒的ですね
これが成熟していない時代は
私はあまり患者様にインプラントを薦める気が
ありませんでした。
でもこれによって
一気に楽で安全で確実な治療になりました
新しくてかっこいいものには
気をつける
確実なものを導入する
保守的かもしれませんが
このスタイルを
続けていきたいと思います。
2024年03月07日 07:45