プラークは悪か
歯の周りに溜まる白くて柔らかい汚れを
デンタル「プラーク」といい
最近は「バイオフィルム」とも呼びます。
バイオフィルムの中には
様々な虫歯の原因菌や
歯周病の原因菌が生息しており
その人がもともと持っている
細菌叢(さいきんそう)や
バイオフィルムの量や古さなどにより
病原性が強化され
虫歯や歯周病が発生しやすくなります。
かつては
悪玉菌の住処のバイオフィルムを
口腔内から根絶することで
予防歯科医学が完成する?かのように
考えられていましたが
どうやら
バイオフィルムの中には
なんと悪玉菌と戦う
善玉菌がいることがわかってきました
結局細菌レベルから
人間もそうですが
生態系の「力関係」から
逃れることはできないようですね
(天体、宇宙もそうかもしれませんが)
今は「とにかく除菌」とか
「細菌を根絶」とか
そういう時代ではなく
バランスが崩れて病原性が増した細菌叢を
どう「リバランス」するか
というところに
注目されてきていると
さらに
バイオフィルムの病原性だけでなく
人体側の感受性もあります
これも力関係
悪玉菌はあらゆる手段を使って
生き残ろうとするので
現代の科学では
抗生物質が到達しない
バイオフィルムのなかの
特に休眠状態で息をひそめている
悪玉菌を殺すことはできないらしい
かといって
バイオフィルムを化学的に根絶することは
善玉菌たちまで爆撃してしまうようなもの
悪玉菌たちは
数を減らすと
悪さをせず、おとなしくなります
ほんとに人間みたいで
おもしろいですが
おそらく
薬などで抹殺しようとするのではなく
歯ブラシなどで
機械的にバイオフィルムの量を減らし
古くなって病原性が増さないように
定期的にバイオフィルムを壊してやることで
悪玉菌が悪さをしない程度まで減らして
健康的な細菌叢、環境をつくる
私たちの生活環境も
やたら消毒剤をまく、とかではなく
やはり
整理整頓、拭き掃除などで
環境づくりをするくらいの方が
いいのかもしれません。
2024年04月04日 23:01