鷹揚(開業物語その3)
以前HPで書きましたが私は子供のころから
「歯医者を痛くなくできないか」などと
考えていたので
歯学部にいる時から
その現状にえらく違和感を
感じていました。
当時それは
やむを得ないことだったのかも
しれません。
22年前にこの広尾の医院に
就職しましたが
正直言えば
ここでもそのような点では
少々思うところがありました。
時代だったのだと思います。
でも当時の院長先生は
ものすごく勉強している人で
根管治療も、修復物をぴったり合わせることも
入れ歯も上手で
すごい技術を持つ人でした。
よほどいろんなところで
修練を積んできたんだろうなと
思わせる感じ
私もかなり学んできたつもりでいましたが
私の場合は頭でっかちというか
現実の臨床に適用する
実践の部分がかなり甘かった
おかげさまで
ずいぶん勉強になりました。
臨床だけでなく
フィロソフィーの部分でも
いろいろ教えてもらいました。
私は突然、この広尾の地に来て
大した社会経験もなく
これといった趣味もなく
経営者として理想と現実のはざまで
苦労した経験もなかった自分は
この地で暮らす
成功者たちやそのご家族
生活レベルの違う人たちと
正直何を話したら良いのか
わからず
その点でとても苦労しました。
今となっては信じられませんが
当時はどんな顔をして
患者様たちと接すればいいか
わからなくなってしまった
そんな悩みを打ち明けると
院長先生は言いました。
「医者なんだから、
鷹揚(おうよう)としていればいい」と
鷹揚か…
求められているのは
おおらかで親しみやすくて
親切で腕のいい歯医者
コミュニケーションが
すっと楽になった瞬間でした。
その後、
合気道が私のコミュニケーションを
さらに変えてゆくのですが
その話もいつか書きたいと思います。
つづきます。
2024年06月28日 08:18