市井(いちい)
市井(いちい)という言葉ですが
普通のご近所とか、庶民の生活の中
みたいな意味でしょうか。
先ほど車に乗っていて
急に思い出したのですが
その言葉から
ある看護師の患者さんから聞いた話を
思い出しました。
18,000人以上の、死者・行方不明者を出した
東日本大震災で
避難所にその方の所属する
大規模病院グループから
心理学的ケアのチームが派遣された
しかしそのチームはやがて
地獄のような経験をした被災者たちから
強烈な拒絶を受けることになる
現実を経験していない人による
心理学的な
「傾聴の姿勢」とかが
反感を買ったのかもしれません。
各避難所の入り口に
心理学的ケアお断りの
張り紙が張られる事態となり
その後、被災地医療のために
到着した看護師たちすら
被災者たちに拒絶される事に
水道も電気もなく
着の身着のまま避難してきた避難者たちで
あふれている避難所、
トイレも汚物で詰まってしまっており
衛生上の緊急事態であり
看護師たちは
被災者に拒絶され協力の得られない中でも
まずは衛生状態を改善しなくてはいけないと
水道も出ない中、
トイレに詰まった汚物を手で掻き出し始めた
その様子を見た被災者たちは
やっと心を開いてくれた
人々に拒絶され、嫌悪をぶつけられる状況の中で
その人たちを救うために
水もない中、汚物に手を突っ込む看護師たちがいる
中島みゆきさんの歌ではないですが
そんな、「風の中のすばる」みたいな人達が
市井(いちい)にいるのだということを
忘れてはいけないのだと思います。