ギター職人 ~「え?なんですか?」~
以前見たドキュメンタリーだったか?ちょっと、忘れましたが
業界では超有名なギター職人がいて
これまた超有名なギタリストのために
いつもギターを作って納品している。
両者は信頼の絆で結ばれていて
ある日
職人がギターを作っていて
最後の最後の
本当に微妙な調整が
なぜかわずかに
なんとなく、気にくわない
ほんとにごくわずかな
そこまでこだわる必要あるのか、
という点にこだわっている
そして
いや、これはもう無理だ
これで納品しよう…
後日、
ギタリストはギター職人の顔を見ると
言いました。
「○○ちゃーん、どうしたのー?」
ギター職人が「え?なんですか?」
と答えると
ギタリストは「いや、いいや」
とのこと
ギター職人はその瞬間に
ハッとしたらしい
詳しくは忘れましたが
たぶん正直に謝って
作り直したんだろうなあと思います。
わかる人は、お見通しだし
わからなければいいや、と
去ってゆくのみ
もはや、わからない人が
努力してわかるような世界ではないのでしょうし
「いや、いいや」の意味ですが、
「いや、そうか、わからない人だったのか、
じゃあ、いいや」か、
「いや、そうか、わからなくなったんだ、
じゃあ、いいや」か、
あとは
「いや、そうか、わからないふりするんだ、
じゃあ、いいや」か。
わからない人や
わからないふりをする人からは
人が去ってゆく
非常に手前味噌ですが
歯科医院の運営も
似てるところがある気がして
もともと歯医者が苦手の患者さんで
当院で治療を受けたらやる気になっていただき、
積極的になっていただいて
一生懸命通ってらして
明るい、積極的なオーラを出していらしたのに
だんだん遅れ気味になったり
キャンセルや
仕事でしばらく行けなくなったとか
電話がきたりすると
「ああ、またやってしまったあ」
と思うわけです
何がまずかったのか
いろいろ考えます
「そうか、あの時もう30μ調整すべきだった。
何となく、もう完了した気がして
終わらせてしまったのがまずかった」
「顕微鏡下の麻酔の方が痛くなくできると
思ったのに逆にそれが恐怖感を与えてしまった」
「歯を治すことばかりに一生懸命になりすぎて
その人の多忙さに配慮できなかった」
「いいと思ってお薦めした最新の方法が
実は従来法の方が優れていた。患者さんの
勘の方が正解だった」
逆に
「もっと臆せず、積極的に導入すべきだったのに
何となく遠慮してしまった」、とか
他にも
「費用は掛かるが、明らかにいい方法があるのに
何となくお金の話をするのを遠慮してしまった」
などなど
ただありがたいことに
多くの患者さんは一度離れても
また戻ってきてくださることが多いのですが
3度目はない、と思わないと
1~2年が過ぎて
そういう方が戻ってきてくれたとき、
「また繰り返せば後がない」
「今度こそ、上手く終わらせなければ」
と
思うわけです。
個人医院のサービスの質は
そうやって反省から地道に
高めていくのも
一つの進め方なのだろうと考えています。
2025年12月02日 20:45