金(ゴールド)について ~メンテナンスフリーの強み~
歯科で昔から用いられている金属に金(ゴールド)があります。
最近はその見た目から
敬遠されがちなのですが
上手に使えば
鋳造精度が高いために
詰め物と歯の間に隙間ができにくく、
噛み合う歯にも優しい適度な
柔らかさもあり
100年以上前から
歯科で重用されてきました。
人の歯は年齢とともに
すり減ったり、移動したり
変わってゆくのですが、
金合金のすごいところは
生体側の変化にある程度
詰め物が適応して
ある程度なら
形態が変化したり、調和
してくれたりします。
歯がこすれあって
歯と詰め物の間に隙間が出来そうになっても
なんとゴールドは
それ自体が伸びる、ことによって
隙間を埋めたりします
まるで生き物のようですが
ジルコニアなどの白い材料も
CADCAMの進化などによって
適合精度は非常に良くなりましたが
伸びて閉じてくれる、みたいなことは
ないです
奥歯まで白い材料を使っているような
女優さんとか
ほぼ就寝時にマウスピースを入れているか、もしくは
白い奥歯のかぶせ物が壊れるたびに
やり直しをしていることが多いです
昔アメリカの有名な歯科医の見学に行って
「奥歯まで白くしたら壊れるんじゃないか」、と言ったら
「マウスピースは100%処方するし、
壊れたらやり直す。ここはアメリカだよ。」
とのこと
ゴールドには
放っておいても何とかなる、みたいな
メンテナンスフリーの強みがあります
(歯周病などのメンテナンスは必要です)
最近は若い人たちには特に
できるだけ金属を使わない方向で
治療をしていますが
上顎の一番奥歯くらいは
詰め物などにゴールドを使うと
将来的なトラブルが
少なくなるかもしれません。
もし全部白くするならば
寝るときにマウスピースを
お使いになることをお薦めします。
天然の歯列でさえ
加齢とともにすり減り、
歯並びも変わっていきます。
マウスピースにはそれらの変化を
予防する働きもあります。
あと最近は
ゴールドの価格が上がりすぎて
治療費も上げざるを得なく
なってしまいました
今はグラム2万いくらとか
昔は800円くらいの時もあったんですが
世界的に金の価値が上がっているのと同時に
相当な勢いで円の価値が下がっているのかも
しれませんが
資産をゴールドで持たれていた方は
円が安いうちに一部現金化して
歯の治療を受けられても
いいかもしれません。
2025年12月05日 08:30