~かけがえのない歯を大切にする治療、価値ある治療結果、そしてつらくない治療をめざしています~

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日々雑感

「ある一節」

今日は休みだったので
部屋の片づけなどしていました。

本など整理整頓、
つい読んでしまうわけですが

始めはがん治療の世界的権威といわれている
日本人医師たちの手記など・・・

そのあと、ふとある一節を思い出して
いろいろな本をひらひらめくって探しました。

そして、ありました。
「3章 何によって憶えられたいか」
  P.F.ドラッカーの「プロフェッショナルの条件」です。

「自らの成長のためにもっとも優先すべきは、
卓越性の追求である。そこから充実と自信が生まれる。
能力は、仕事の質を変えるだけでなく、人間そのもの
を変えるがゆえに、重要な意味を持つ。」

その後、こんな一節が

何年か前に、かかりつけの腕のいい歯医者に聞いたことがある。
「あなたは、何によって憶えられたいか」
答えは
「あなたを死体解剖する医者が、
この人は一流の歯医者にかかっていたと
いってくれること」だった。


つまりは

健康的で、
バランスがよく
筋肉や関節に完全に調和した
安定したかみ合わせや、

天然の歯や機能に
完全にそして長期間調和し
かみ合わせを支え続けた、かぶせもの。

そして炎症や病的状態がないこと。

といったことでしょう。

歯科医としての責任の範囲の仕事を
きちっとこなして

生前のその人の快適な食生活や
コミュニケーションや
パワーを支え続けた
そういう歯科治療


歯科医にとって実は決して
簡単なことではないのですが
その実現によって

「充実と自信」を実現したいものです。
2012年04月19日 00:00

「麻酔の日」

今日10月13日は「麻酔の日」とのことです。

歯の治療にもなくてはならない麻酔ですが、その完成までには過去の偉人たちの大変な努力があったようですね。大学の時に麻酔の発見者について少し習いましたが、どうもはっきりしないので、ちょっと調べてみました。

しかしずいぶんヘビーな話です。

どうやら1804年10月13日に華岡青洲が世界で初めて全身麻酔下で乳がん摘出術に成功したとのこと。この「通仙散」の開発までには彼の母と妻の献身的な協力があり、恐るべきことにその影響で彼の母は亡くなり、妻は失明してしまったとのことでした。

その40年後、歯科医師のホレス・ウェルズが笑気麻酔下で自分の歯を助手に抜歯させて笑気麻酔を発見。マサチューセッツ総合病院で公開実験をするも失敗し、彼は失った信用を取り戻そうと自分を実験台にして研究を繰り返した結果、その副作用によって傷害事件を起こし、獄中で自らの命を絶ってしまいます。パリの医学協会から全身麻酔の発見者として彼を認めた手紙が着いたのはその直後だったそうです。

ウェルズの公開実験の1年後、化学者チャールズ・ジャクソンにアドバイスをうけた歯科医師ウイリアム・モートンがエーテルでの公開実験に成功するも、その後ジャクソンとモートンで争いとなりモートンは経済的に破たんしたのちに卒中を起こして亡くなり、ジャクソンは発狂して7年後に精神病院で死亡したとのこと。

で、実はその4年前から外科医のクロフォード・ロングが外科手術にエーテルを使用していたとのことでした。

なかなか複雑です。


私たちはふだんは全身麻酔を使っているわけではありませんが、麻酔の歴史に二人の歯科医師がかかわっていることが、いかに昔から無痛的な治療を歯科医師が望んでいたかがわかります。

局所麻酔の薬も発展しましたが、まだ私たちは日々の臨床で、薬の効果だけに期待していては十分な麻酔効果を得ることはできず、そこには多くの技術的なポイントがあります。

薬も技術ももっと向上して、患者さんが全くつらい思いをせずに、きちっと治せる時代は
私たちの夢でもあります。
2011年10月13日 00:00

「帰ってきました」

1週間ほどロサンゼルスに行っておりました。
日本の暑さとは違う、からっとした感じ。
いいものですね。

あちらの専門医や技工所など、
何軒か訪れるチャンスがありましたので
いろいろ見てきました。
相変わらず怪しい英語で押し通しましたが

治療の技術的な話になると
あちらのDr.も熱くなります。
ちょっとした器具の扱い、
治療時の患者さんへの配慮、
やっぱり、プロ同志というのはいいもんだな、と
思いました。

で、やはり大したものです。
使っている材料は日本と変わりません。
では何が違うか?

総合的な治療計画のレベルが高い。
見た目のコンプレックスを抱えていたり、
咬めない歯列を受け入れている人の問題を
がらりと解決する、治療計画。

私の医院でも同様の治療は行っていますが
あちらは遠慮がないというか
まあビバリーヒルズですから・・・

費用はかかると思いますね。
でも見た目がコミュニケーションに与える影響や
よく噛める歯が健康に与える影響、
それらの効果性を
その費用以上に重視する人には
いいと思います。

あちらは訴訟大国でもあるので
そういった中で確立されたシステムというのも
勉強になることも多い。

かぶせ物や詰め物は人工物です。
壊れることがあります。
天然の歯でも壊れます。
(天然の歯が壊れても歯科医に
文句を言う人はいませんが・・・)

患者さんとのトラブルがないか質問すると
ある専門医はこう言いました。

「かぶせ物が壊れたりするようなトラブルはある。
でも患者さんとのトラブルは
「コミュニケーションのトラブル」だろ・・・」


びっくりした上に、考えさせられました。
確かにそうかもしれませんね。
2011年07月15日 00:00

「セミナー」

今日はセミナーに出席しました。

昨晩は遅くまで勉強会と打ち上げだったので
今朝は大丈夫か心配しましたが・・・

内容はインプラント矯正のセミナーで
6ヶ月コースです。
歯列矯正に矯正用インプラントを使うもので
まだまだ発展途上の分野ではありますが
これまでの概念をがらりと変える可能性があります。

私はこういう勉強会とかセミナーみたいなものが
結構好きです。

一生懸命準備して
創造的で情熱的な講師から
患者さんのニーズにさらに答えうる
知識やノウハウを吸収したり
皆でデータを深読みしたり、
自分の視点、新たな切り口から
精神的な空気を共有する、みたいな。
寝不足などは吹き飛びます。

あらゆるニーズに答えうる歯科医になりたい、
というのが私の目標、やりがいでもあるので
成長している実感が
本当に楽しいわけです。

以前マズローの「人間性の心理学」という
心理学の本のことを書きましたが
その一節を借りるなら、
やはり研修でも、職場でも、家庭でも、友達でも、
「人類」にはもともと、

 「自己実現」したい、という
 高次の欲求をがあり、
 優れた環境はこれを育成、奨励する。

本当にそう思います。

私はどうもコミュニケーションという点では
得意でないので
友人には「研究者向きではないか」とか
「専門分野で留学したらいいのでは」とか
言われますが、

どんな人にも
歯科医学ってすごい、と思ってもらえるものを
歯科医人生のうちで
実現したいと思うわけです。
2010年05月09日 00:00

「信用について」

最近、「信用」について
こんなことを考えました。

商売は信用が第一と言われます。
医療に商売という言葉を使うと
違和感がありますが
「信用第一」であることは
全く変わりません。

自力で手に入れる「信用」の
得難さ、有難さ、
そして維持することの難しさを、
「身をもって知る」、
これができることが
人生、厳しい生業(なりわい)にあえて身を置くことの
価値ではないか、と。

幼少のころから
そういうことを知っている人もいます。
「嘘はいけない事」とか
「命を大切に」とか
「正しいことは美しい」とか
改めて説明しようとすると
なかなか難しい根本的なことについて。
「そういうことを大事にしないと
大変なことになる」とか、

嘘、不正、怠惰、浪費などに対し
「そういうことはいけないことだ」とか
「ばちが当たる」とか
そういったことを
心から信じることができている人たち。
教育、道徳、宗教、経験、嗜好、文化
そういったものの違いなのでしょうか。

もともと身についている
人たちはいいのですが、
大半の人たちは
社会に鍛えられた末に
それを知ることができる人と
できないで終わる人に
分かれると思います。

子供のころから身についている人以外
誰もが、
始めは
それを心からは、
信じることができないのでは
ないでしょうか。

「本当に嘘はいけないんだろうか」とか

「もっとうまい具合にごまかして
人生乗り切れるんじゃないか」

「まあ適当にやっておけば」とか・・・

そういう化けの皮は必ずはがれて
嘘、偽り、ごまかしの類は
商売でも農業でも
ものづくりでも医療でも
必ず報いを受けるのではないか、と
ましてや信用を維持し続けることなど
決してできないのではないか、と考えました。

自分などまだまだだと思います。
歯がゆい思いもすることもありますが、
プロとして、社会人・家庭人として
信用される力をつけて
結果を出し続けて
人生が成り立つような

人生はその境地に達するための
修行ではないか
とも思うわけです。

若いころは障害が多いうえに
理想と現実のギャップが大きすぎて
誰でも苦労するわけですが
そのプロセスにもまた
価値があるとも思います。


うーん、ちょっと重かったですかね。
失礼しました。
2010年04月13日 00:00

「VIP」

場所柄かVIPと呼ばれる人たちが来ます。
一国の浮沈にかかわりそうな人も来ますが

えらく忙しい方が多いので
治療の段取りや治療後の仕事への影響など
秘書の方と
とても気を使います。

でも本当の事は
きちんと伝えます。
どんなVIPでも、
なにが原因で
どれがプラークで
どうすれば取れるかも
必ず伝えます。

皆さんにとっては
新鮮なようです。
遠慮して、誰も本当の事を言わなかったのでしょうか。
だから重宝がられます。

でも決してくどくは言いません。
賢い人たちですから
自分で判断します。
優先順位の問題です。

あとうわの空のように見えるときは
決して不必要に話しかけません。
とても重要な判断の最中かもしれないからです。

予防もきちんと
治療も所定の手順をきちんと踏んで進めます。

その患者さんが将来リタイヤして
肩書きがなくなっても、
かけがえのない自分の歯で
健康的な生活を送れるように。
2010年03月05日 00:00

「ビジョン」

昨夜は毎月恒例の経済勉強会でした。

今回から新しいビジネスマンの方が仲間入りし、
さらににぎやかになってきました。

経済指標の分析などの後、
ピーター・ドラッカーの「プロフェッショナルの条件」
という本の読み合わせをしているのですが、

それに関連して、今回は「ビジョン」について
盛り上がりました。

確か「ビジョン」とは、各人が持っている「強みや情熱」と、
世の中の「ニーズ」、
その両者を「知力」で結びつけたものの
ことだったと思います。


うちの診療室のビジョンは

「できるだけ患者さんがつらくないように、でもいい治療をして、
信頼されるようになって、自分自身もHappyになりたい」

という私やスタッフの思いと、

「少々費用や時間がかかっても、つらくないように、
そしていい治療が受けたい」

という患者さんのニーズを、

「さまざまな歯科的技術やノウハウ」で結びつけたもの
といえます。

まだまだ完全ではありませんが、
いいところまで来ていると感じています。


そして今回の討論の中で思いました。
どんな業界でも、どんな小さな組織のものでも
魅力的なビジョンは
社会の資産であり、世代交代後も
生き続け得るのではないか。

魅力的なビジョンは、同じような情熱を持つ
若い歯科医にとっても魅力があるかもしれませんし、
同じようなニーズを持つ患者さんにとっても
魅力的かもしれません。

私自身は自分のことを若いと思ってはいますが、
機会があれば、もっと若い、悩める歯科医たちとも
「知力」を磨きあいたい、と考えています。
2009年12月10日 00:00

「横浜」

先週木曜は、はるばる鳥取から横浜に出てきてくれた
私の親戚たちを車で観光に案内しました。

30年ぶりの従兄弟とか、
農業、漁業を営んでいる親戚たちと
赤レンガ倉庫とか、山下公園とか
中華街とか
そして羽田空港まで送りました。

いろんな話をして
改めて、親戚、というのはいいものだな、
と感じました。

1月には島根で接着歯学会があるので
時間があれば顔を出してこようかな、と
考えてます。

それから日曜は研修でした。
内容は、骨の少ないところにインプラントを
入れる技術です。
私は数年前にこの研修を修了しているのですが
やはり日進月歩の分野なので
知識と手技の再確認が必要なのです。

ただ、「日進月歩の分野」というものには注意が必要で、
「最新で有効な技術」として紹介されたものが
数年後に「やっぱり良くなかった」と評価される場合が
あります。

私が「鳴り物入りの最新技術」の導入に慎重なのは
そこに理由があります。

信用のほうが大事だからです。

メーカーから発表される製品は大抵、
「最新で最高」のようにアナウンスされる
ことが多いのですが、
歯科医師までそのように考えてしまうことは
危険であるといえます。
2009年12月03日 00:00

「気合」

ある外食チェーンの社長さんに
インフルエンザ、大丈夫ですか?と聞いたら
「おれが風邪なんかひいたら終わりだよ」とのこと。
外食業界はいま大変みたいですね。
気合が入っているときは風邪をひかないものです。

私はもうすぐ開業7年目ですが
今のところ皆勤賞です。
そんなに体は強いほうではないのですが

自宅で休日、「なんか熱っぽいなー」とか、
職場で「なんだかのどが変」と思った時には
明日の診療のアポイント表を見ます。

そうすると治ります。

風邪をひいてる場合じゃないと
気合が入るわけです。

この事実に気づいてから
この方法を積極的に活用してます。

歯のことで複雑な問題を抱えた患者さんが
遠くから通ってきてくれてますので
治療にあたっての段取りや
応用する技術、方法、材料、道具、必要な準備・環境の整備
説明、費用、患者さん体調、スケジュールとの調整などなど
それらがプラン1、プラン2と・・・

考えることはいくらでもあるわけです。

あと私はもともと物を組み立てたり、
機能を考えたりするのが好きなようで
小さいころから、夜布団に入ると頭の中で
いろんな機械や機能が組みあがってた
ように記憶してます。

で、仕事に体力面でも支えられてる様な感じで

先日こんな言葉を見つけました。
フランスの哲学者でボルテールという人の言葉だそうです。

「仕事は私たちを疲労と邪悪と欲求から守ってくれる。」

確かに、仕事もなく、生産性の低い気合の入らない日々を送っていたら、どうなるでしょう。

まあ誰にもいくつもの役割があり、がんばるのは仕事だけではないとは思いますが。

自分のようなタイプは将来定年後が心配でもありますが
目と手と頭がきっちり働く間はやると思います。

私の師匠だった先生はもう70才近くになりますが
「(歯科用)マイクロスコープがある限り君らには絶対負けん」
と言っています。

確かに素晴らしい仕事をしてます。

社会の高齢化が進んでいますが
技術革新は頭の柔らかい高齢者の
「生涯現役」を実現するのかもしれないと
思いました。
2009年11月17日 00:00

「休診日」

毎週木曜日は休診日です。
今日はジムで汗を流しました。
週に2回、合気道かジムに行くことを習慣にしています。

これは前に書いた「7つの習慣」という本の
影響でもあります。

その本の中に、こんな挿話がありました。

ある日、きこりが全力で木を切っている。
通りかかった人がこう話しかける。
「一休みして、のこぎりの刃でも研いだらどうだい?」
「そんな暇があるか!」
きこりは怒鳴り返す。

がんばり続ければいつか木は切れて
きこりは達成感はあるかもしれませんが
一休みして刃を研いで体力を回復するほうが
よほど早く楽に、そしてきれいに終わるわけです。

「7つの習慣」という本はStephen Coveyという人が
成功者に関する文献を調べ上げ、
成功して「幸せになった人」に共通する点をまとめあげた本、
とでも言えばいいのでしょうか。
ポイントは
成功した結果、「代わりに何かを失った」人でなく、
Happyな人生を送れた人、の共通点であることです。
そしてその共通点を実行してみよう、というわけです。

私は10年くらい前から何度か読み返していて、
読むのは易し、やるのは難し、ですが
そのたびに希望とモチベーションをもらっています。

その中に「刃を研ぐ習慣」というのがあり、
毎週やることを決めて継続的に「肉体」とか「精神」とか
4つほどある要素を「研ぐ」のです。
「肉体」なら「週何回30分ずつ走る」とか、
「精神」なら「一日30分古典を読む」とか。
それを雨が降ろうが風が吹こうがやるわけです。

昔、葛西のほうに住んでいたときは夜明け前に荒川の
河川敷を毎日7キロほど走っていました。
途中妙に怖い場所もあったのですが、
「心を鍛えるチャンス!!」とばかりに走りこんでました。

なんだか、若かったんですかね。

で、今日ジムでバイクをこぎながら読んでいたのが
A.H.マズローの「人間性の心理学」。
知っている方も多いかと思います。
ちょっと古いのですが、
これが世界に与えたインパクトも相当なものだったようです。
私は2年ほど前に出会い、だいぶ苦労して読みまして、
今はまとめつつ読み返している、という感じです。

とてもいい本なのでいずれ紹介します。
2009年09月10日 00:00

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