歯が原因でない痛み
患者さんが歯が痛いと訴えて来院された場合でも原因は歯の場合と、歯でない場合があります。
歯の痛みのように感じる
歯が原因でない痛みを
「非歯原性歯痛」
といいます。
患者さんはまるで歯が痛いように感じるので
「歯を治してほしい」と来院されるのですが
注意が必要です。
残念ながら
非歯原性歯痛にたいして
歯の治療をしてしまう事例が
報告されています。
たとえば
悪くない歯を削ってしまったり
神経を取ったり
抜歯になってさえも
痛みが取れない事例
この非歯原性歯痛は
臨床で比較的高頻度に見られます。
原因は
筋肉の痛みだったり
神経線維の傷だったり
痛覚の変調とか
三叉神経痛
上顎洞炎
脳腫瘍などのこともあります。
患者さんは抜けば治るのではないかと
抜歯を希望され
抜歯をしたのに
痛みが取れない、
ということが起こりうるのです。
そのため私たち歯科医は
「これは非歯原性歯痛では」
と思ったときに
安易に削ったり、ましてや抜いたり
しないようにしなければいけません。
しても治らないのですから
痛みに耐えている患者さんには
時間がかかってしまって大変申し訳ないのですが
遠回りになるようでも
ちゃんと評価して
非歯原性歯痛の原因に対する
治療を行うことで
歯を守る必要があります。