~かけがえのない歯を大切にする治療、価値ある治療結果、そしてつらくない治療をめざしています~

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日々雑感

天然の歯とインプラント

私は大学歯学部を卒業したのち、
とある医学部の附属病院で研修を受けました。
もう30年も前のことですが

研修医と先輩たちが医局で休んでいた時、
10年くらい上の口腔外科の先生が飛び込んできて
「出た、出た、とうとう出た」とのこと。

手には英語論文があり
「Dental Implant induced Squamous cell carcinomaだ」とのこと
(歯科インプラントが誘発した扁平上皮癌)

当時はインプラントに疑念を持っている歯科医が多く、
なぜこんなに上手くいくのか、
話がうますぎるのではないか
きっとそのうち大きなしっぺ返しが来るに違いない、
のように、
インプラントに対して思っている人が少なくなかった

その話を聞いて当時の私も、
「これはまずいのではないか」と思いましたが

その後その関連性は否定され、個人的な臨床実感としても、
正直、全く関係がないように思います。

初期の頃に感じていた、
インプラントに対する
話がうますぎる、
いつかしっぺ返しが来るのでは、といった思いは
全く当たらなかった

それどころか
患者さんのインプラントは生活の質を高め
栄養状態を改善し
健康寿命を伸ばしている、という実感の方が
はるかに強く感じます

あと当時私は

インプラントを入れた患者さんが歳をとって
歯を磨けなくなったらどうなるのか、

インプラントが炎症を起こしたりして
これは社会問題になるのではないか、
なんて思っていましたが

どうやらこれもあまり問題にならず

今は老人ホームに時々診察に行っていますが、
インプラントが問題を起こすどころか
インプラントに日々支えられている人も多い

ということで

初期の頃からも日々進歩し
今は非常に優れた治療法となったインプラントですが、

私としては
インプラントは神様が造った天然の歯ではありませんので
そういったものに対する慎重さは失ってはならないと
思っています。

神様が造った天然の歯をまず大事にして
その歯がいろいろ問題を起こして
やむを得なくなったら、
必要に応じて
最小限のインプラントを使用して
人生を全うしていただくのが
いいのではないかと

考えています。






 
2025年02月23日 15:25

消えた「心因性」

医学的には痛みには3種類あります。

熱いものに触れたり、ぶつけたりした時に感じる
侵害受容性疼痛、と

末端から中枢に至るまでの途中の神経線維に障害が
生じておこる、神経障害性疼痛

そして中枢で問題が生じておこる、
痛覚変調性疼痛

の、3つです。

虫歯の痛みは一般的には歯髄の中の受容器で感じる
ことが多いので、侵害受容性疼痛

(例外あり)

ヘルニアで坐骨神経痛とか、
三叉神経痛、
帯状疱疹後神経痛などは
痛んでいる場所自体に問題はなく、
そこに至るまでの神経に問題が生じているので
神経障害性疼痛

そして脳など中枢での変化により
痛みの感受性が高まっておこるのが
痛覚変調性疼痛

PTSDやうつ、その他さまざまな経験や状況により
脳内の電気信号に変調をきたし
痛みを感じたり、強く感じてしまう

以前はこの痛みを
心因性疼痛、などと表現されていました。

ただこの表現だと
心の問題、精神的な問題といった
非科学的なとらえ方がなされるため
今は使われません。

心因性の疼痛、とは
今は言わないのです。

どう見ても異常がなくても
患者さんは痛みを感じていることがある

それは脳内の電気信号に変化が起きてしまっているためで
決して、気のせい、といったものではない

そして我々歯科医が
気を付けなければいけないこととして

よくわからない痛みに対して

安易に歯を削ったり、歯髄を取ったりしては
いけないということです。

歯が原因でない歯の痛みを
非歯原性歯痛といいます。

実は正常な歯髄なのに
非歯原性歯痛を歯髄の炎症と
勘違いして
歯髄を取ってしまうという事例が
存在します。

当院ではできるだけ
歯髄を取らないようにしています。

なぜなら歯髄を取れば
歯の寿命が短くなることが多いからです。

特に痛みの原因がよくわからないときは
決して神経を取ったりしません。

たとえ歯の痛みの訴えであっても
実は筋筋膜疼痛など非歯原性歯痛で
歯髄を取らなくても、
理学療法で治ることもあり

それが少しでも疑われれば
歯髄は取りません。

そのような場合、何で歯の治療をしてくれないのか、と
言われることもありますが

歯の治療をしても治らない痛みで
別の原因の可能性があるからです。

また万一にも間違えて取ってしまった歯髄は
決してもとには戻らないからです。





 

2025年01月31日 22:02

3D

今日は日曜日でしたので
午前中は合気道の稽古で
午後は医院に行って溜まっていた雑用をしました。

以前は休日に職場に行くと
レジンという固まるプラスチックを使って
手で練って形を作って
いろいろ、仮歯とか入れ歯とか
治療に使う道具を作ったりなどの
作業が多かったイメージですが

最近はデジタル化が進んで
パソコンの画面に向かってする仕事が多くなりました。

今日も職場でパソコンに向かって
先日3Dスキャナーで撮影した患者さんの歯列を
CTのデジタルデータと合成して
インプラントを入れる位置を決めて
サージカルガイドというものを設計して

そのデータを家に持ち帰って
CADソフト上で手を加えて
今、隣の部屋で3Dプリンタがサージカルガイドを作っています。

自分が歯科医になりたての頃は
まさかCADソフトで3Dデータを加工したりすることが
自分の仕事の一部になるとは
思っていませんでした。

最近は歯列矯正の計画もAIが考えたり
一般医科の分野でも内科などAIが活躍し始めていて

そのうち医療のかなりの部分を
機械化されたAIが担うようになることも
ありうることだと思います。

先日、車で通勤中にラジオを聴いていたら
AIの話をしていて

「人間には出来て、AIには決して出来ないことがある」
という話がでて

私は聞きながら、
いや、そんなことを言っていても
テクノロジーが進歩すれば、AIに出来ないことなんて
なくなるんじゃないの?
と、思ったのですが、

「人間に出来て、AIには決して出来ないこと」というのは
責任を取ることだそうです。

なるほどなあ、と思いました。

やはりどんなにテクノロジーが進化しても
大事な判断をAI任せにしてしまうと
後悔することになりそうですね。





 
2025年01月26日 22:18

白い歯

天然の歯は
ホワイトニング、(歯の漂白)で
白くできます。

最近は漂白薬剤も良くなりました。
ライトもLEDになり、熱も出にくいし
なにより漂白効果が高くなりました。

上手な施術をすれば痛くないですし。

最近はいろいろなものが、良くなりました。

歯並びは目立たないマウスピース矯正で治せますし
詰め物、かぶせ物の材料もより審美的になり
そしてホワイトニングも、良くなりました。

ホワイトニングを受けてみるとわかりますが
歯が白くなったり
口元がきれいになると

意識が変わります。

何となく見せたくないものだった歯が
見せたい歯に変わります。
笑いたい口に変わります。

見た目が変わると
気持ちの積極性、前向きさ、が変わってきます。

残りの人生における
このインパクトの大きさは
いかほどのものでしょう

中高年男性のホワイトニング、
ありだと思います。

80代で歯のホワイトニングをなさる患者様
当院では珍しくありません。
全然ありです。

あまり見せたくない歯から
見せたい歯へ
笑いたい口へ

「見せたい歯」プロジェクト
本格始動です。





 
2024年12月25日 20:56

わからないこと

口腔内の細菌と全身の病気との関連は
最近研究が進んできていて

従来から言われていた
誤嚥性肺炎、心内膜炎、糖尿病のほかにも
様々な病気と関連があることがわかってきています。

私の医院は
かなり状況の悪い歯であっても
手を尽くして、できる限り歯を抜かない
努力をする医院ではありますが、

そこには常に
葛藤があります。

状況の特に悪くなってしまった歯は
手を尽くして治療したとして

すっきり元通りになるのかと言えば
そうでもないことも多くて

ちゃんと腫れは引いて
しっかり形も回復しても

すっかり治ったかのようで
やはり健康な歯より弱いことが多いです。

わずかに炎症が残ったり
まれに腫れたりすることもあったりして

そうなったときに
最後までそういう歯を残していいのか、という
思いがあったりします。

悪い歯が全身に影響することを
私たち歯科医が現実に経験することは
実感として
あまりないというか
めったにないのですが

それでも
脳卒中の病変部位から
う蝕細菌が見つかることもわかっていて

良くない歯を口腔内に残していた患者さんが
ある日、脳卒中(脳梗塞、脳出血、くも膜下出血)になった、
なんてことがあると

「あれを抜いておくべきだったんじゃないのか?」と

頭を抱えることがあります。

私自身
そうやって大事な人を過去に失う経験をしているので
でも、関連なんてわかりません。

歯は残すべきだと思うし
患者さんも残したがるし
でも、体を悪くしたら本末転倒
どころの話ではありません。

その歯は何の自覚症状もない歯でした。
レントゲンでは明らかに問題があり
前医での治療は手を尽くされており、それでも治っていなくて
抜歯が必要な状態でしたが、
自覚症状のまったくない歯を
まさか、抜きましょう、とは言えませんでした。

今ならCTやマイクロがあるので
もっと違う対応ができたかもしれません。

脳動脈瘤のクリッピング手術をすべきか相談を受け
年間0.5%程度の破裂率に
クリッピングの合併症発症率が2-3%

医者の言う成功率98%は
まず失敗はないという意味ですので

クリッピングを勧めるべきでした。
そこでまず一つ目の判断ミスをして

そしてあの歯を残したことは
二つ目の判断ミスだったのではないのかと

今も思うことがあるのです。

人の身体は強い
問題のある歯を抱えて元気に生活している人は
いくらでもいます。

できるだけ歯は抜くべきではないですが

これは正直に言っていいものか、とも思うのですが、

誰もわからないことだと思うのです。











 
2024年11月21日 19:47

抜歯の基準

最近見た夢は
治療中の歯に亀裂が入っていることがわかり
それも亀裂が開き始めていて
だいぶやばい状態で

歯科の教科書的には
抜歯しなければいけないとされてるレベルの歯に

夢の中の自分が
「治療して残してみましょう」
と言っていて
患者さんが喜んでいる夢

朝方、夢であることに気づいて
まどろみながら
「おいおい、大丈夫なのか?
上手くいくかわからないのに
そんな安請け合いして
結局患者さんに迷惑かけるんじゃないのか」
と、心配になりました。

と同時に
数日前の治療で同じ状況があり
あーそういえばあの歯
うーん、どうかなあ

など考えていたら
目が覚めました

無理して残そうとして
治療に時間もかかり
費用もかかり

結局ダメになってしまうと
患者さんに迷惑をかけてしまう

しかし生体というものは
時に驚異的な回復力を見せることもあり
本来残せないはずだった歯が
すっきり治ることもある

すっきり治って
末永く使えてしまうこともあるし、

明らかに状態の悪かった歯が
根気強く丁寧な治療をした結果
驚くほど回復し
患者さんと一緒に喜んでいたら
しばらくしたら
結局ダメになってしまうこともある

人の体でもある事ですが
死期の近づいた方が
最期の直前にすごい元気になったりする

人がそうであるように
歯も生きようとしているのだと思います。

私が抜歯を判断する場合の
判断基準は

他の歯に迷惑をかける場合
例えば良くない状態の歯を残し過ぎると
その隣の健康な歯に悪影響を及ぼすことがあります

健康でいてほしい隣の歯の
支えている骨にまで悪影響を与えるようであれば
抜歯すべきです。

それから
その歯がある事で
体に悪影響を与える場合と

残したところで
噛む、という機能に
そもそも耐えられないほど
虫歯で小さくなってしまった歯

などでしょうか。


 
2024年11月10日 06:34

ブラッシングについて

歯の表面に着く柔らかい白い汚れのことを
プラーク(デンタルプラーク)または歯垢(しこう)
といい、
最近はバイオフィルム、などとも呼ばれます。

これは食事のカスではなく
細菌のコロニーの集合体です。

糖分を摂取すると
この細菌たちも糖を摂取し
酸を排出します。

それによりプラークが酸性に変わって
酸性度の強さが、あるレベルを越えると
歯が溶けはじめる
これが虫歯です。

ここで虫歯予防を考えるうえで
ものすごく重要なポイントがあります。

溜まっているプラークが厚いほど
中心部の酸性が強くなることがわかっています。

つまり、厚いプラークほど中心部の酸性は強くなり、
薄いプラークの中心部の酸性度は弱い

プラークが薄く、酸性度があるレベル以下ならば
虫歯にはなりません。

つまり
プラークの厚みが問題。
これすごく大事な点です。

十分にプラークが薄く
虫歯の予防ができている方が
定期検診でいらしたときに

私が、もっと磨いて、とか
フロスしてますか、とか言わないのは
予防の目的を達成しているからです

予防できているならば
残った汚れは定期的にこちらで取ればよい
と考えています。

必要以上に
患者さんにブラッシングやフロスを
強要すべきでないと考えています。

必要以上の予防は
リーズナブルではありません。

食事の時間は古来から
わかりあう時間であり
腹の探りあい?の時間であり?
関係性を高める時間でもあり

食後の友人との楽しい語らいのひと時に
忙しい家族がやっと過ごせる貴重な時間に
ビジネスパートナーとの重要な会話の瞬間に

「あー歯磨かなきゃ虫歯になる」とか
「フロスしなきゃ」とか

思わせるべきではありません。

歯はものすごく大事なものですが、
時に歯よりも大事なものもあって

そっちで患者さんが人生を
懸命に、時に楽しく過ごしてらしているときに

私たちはそれを陰ながらサポートする
私たちが主張しすぎないことが重要と考えます。

ほんとに必要なら
あるいは患者様がご希望なら
もちろんいろいろなテクニックの
アドバイスをします。

「いつも飲んだまま寝ちゃうんだよなあ」
なんて人がいたら
それはまずいですよ、とは伝えますが

私たちプロは弁護士さんとかと同じで
こうするといいかも、というアドバイスはしますが
こうしてください、とは言いません。

やるかやらないか、
どのようにやるか、は
患者様がその時の価値観、優先順位で決めるもの
ではないかと考えています。

 
2024年06月14日 06:01

パウダーで予防

予防処置のための新しい設備を導入しました。

パウダーを吹いて歯垢を飛ばすことで
歯にやさしく、また従来器具の届きにくかったところまで
すっきりきれいにできます。

軽度のステインも同時に取りますので
やるほど、白くつるっとした歯になります。

短時間で歯にやさしく、すっきりと歯垢を取れる
予防処置の「ゲームチェンジャー」になりうる
新しいコンセプトです。

昔から着色を取るエアフローはあったのですが
パウダーや機械の性能に問題があって、
歯肉などにダメージを与える危険性がありました

でも今度の機械には歯肉へのダメージはありません。
そのため、歯と歯茎の境目のプラークまで取れて

つるっつるになります。

プラーク(バイオフィルム)が
古くなって
感染性が増す前に
パウダーですっきり除去してしまう

20数年前に
私の前の職場に歯科機械中堅企業の
エアフローの開発担当者が来たので

「いずれこの時代が来る」
(エアフローでプラークを取る時代)と
さんざん力説させていただいたのですが

時代が来るのに
20数年たってしまい
申し訳ありませんでした…

機械はスイス製です
この分野でも日本は取られてしまいました

世界のサイエンスの流れに乗って
どんどん英語論文でエビデンスを蓄積して
特許をとっていれば
機械やパウダーは日本の得意分野だったでしょうに

スマホでも
アップルのiphoneより前から
シャープの「ザウルス」とかあって
日本のお家芸だったのに

当時アップルは
パワーマック9000シリーズとか
非常に迷走していて
つぶれそうで
ジョブズが現れて
製品ラインナップをすべてリセットして
iMACを出して

ipadをジョブズが実演したときには
「あんな重いものであんなことするかよ」
みたいに笑われて
でもその後iphoneを出して
世界を変えてしまった

ちなみに
パウダーは従来の重炭酸ナトリウムとかではなく
エリスリトールというもので
汚れを落とした後、溶けてしまうので
口に残ることもなく、快適です。

半年に一回の定期健診だった患者様も
その間に1回もしくは2回とか
パウダークリーニングを入れるのも

いいかもしれません。



 
2024年05月17日 08:37

安全思想

当院には治療台が2台ありますが
そのどちらにも
マイクロスコープがあります。

主に私が治療で使っているものは
アメリカ製のマイクロスコープ

おもに衛生士さんがクリーニングで使っているのが
ドイツ製のマイクロスコープです。

ドイツ製のほうが新しい製品なので
カメラとかもHD画質で
ライトもLEDで
とてもきれいな映像を
モニターに映すことができます。

私の方は古いアメリカ製のもので
ライトはハロゲンで
カメラはCCDと
スペック的には古いのですが
光学的には十分で
シンプルで使いやすいです。
(レンズは日本製のようです)

それから私のマイクロスコープは
いろいろカスタマイズしてあるので
見る人がみると

「これは○○社の△△だね」
「でも脚が違うし、関節も多いなあ??」
と、気づくと思います。
普通じゃないのです(笑)

ハロゲン電球は
だんだん暗くなったり
突然切れたりするので

このマイクロスコープには
一つのライトボックスの中に
まったく同じ照明システムが
二つ入っています。

一つのシステムにトラブルが発生したときに
瞬時に次のシステムに切り替えて
診療を続けられる

このあたりの安全思想が
古き良きアメリカを
感じさせます

たとえ大学教授になっても
第一線の臨床をやり続ける人に対して
「やつはウエットフィンガーだ」
と言ってリスペクトする文化があったと
聞きましたが

今はどうなのでしょうか









 
2024年05月05日 17:02

プラークは悪か

歯の周りに溜まる
白くて柔らかい汚れを
デンタル「プラーク」といい
最近は「バイオフィルム」とも呼びます。

バイオフィルムの中には
様々な虫歯の原因菌や
歯周病の原因菌が生息しており

その人がもともと持っている
細菌叢(さいきんそう)や
バイオフィルムの量や古さなどにより
病原性が強化され
虫歯や歯周病が発生しやすくなります。

かつては
悪玉菌の住処のバイオフィルムを
口腔内から根絶することで
予防歯科医学が完成する?かのように
考えられていましたが

どうやら
バイオフィルムの中には
なんと悪玉菌と戦う
善玉菌がいることがわかってきました

結局細菌レベルから
人間もそうですが
生態系の「力関係」から
逃れることはできないようですね
(天体、宇宙もそうかもしれませんが)

今は「とにかく除菌」とか
「細菌を根絶」とか
そういう時代ではなく

バランスが崩れて病原性が増した細菌叢を
どう「リバランス」するか
というところに
注目されてきていると

さらに
バイオフィルムの病原性だけでなく
人体側の感受性もあります
これも力関係

悪玉菌はあらゆる手段を使って
生き残ろうとするので
現代の科学では
抗生物質が到達しない
バイオフィルムのなかの
特に休眠状態で息をひそめている
悪玉菌を殺すことはできないらしい

かといって
バイオフィルムを化学的に根絶することは
善玉菌たちまで爆撃してしまうようなもの

悪玉菌たちは
数を減らすと
悪さをせず、おとなしくなります
ほんとに人間みたいで
おもしろいですが

おそらく
薬などで抹殺しようとするのではなく
歯ブラシなどで
機械的にバイオフィルムの量を減らし
古くなって病原性が増さないように
定期的にバイオフィルムを壊してやることで

悪玉菌が悪さをしない程度まで減らして
健康的な細菌叢、環境をつくる

私たちの生活環境も
やたら消毒剤をまく、とかではなく
やはり
整理整頓、拭き掃除などで
環境づくりをするくらいの方が
いいのかもしれません。




 
2024年04月04日 23:01

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