~かけがえのない歯を大切にする治療、価値ある治療結果、そしてつらくない治療をめざしています~

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日々雑感

とんでけー

昨晩は
もう90近い
認知症の母が
足の神経痛がひどく痛く
苦しいらしく

寝てもすぐ痛みで目が覚めてしまうようで
誰かいないか、というので

そばで面倒をみていました。

1時と3時、4時を過ぎ
あまりの痛みに
足を切り落としてしまいたいほど、とのこと

こんな人生の最後まで人を苦しめる
痛みとは

いったい何なのか

4時半くらいに
つかの間の眠りについた母を見て

私が小さいころ
虫歯が痛くて
朝方まで母のひざ枕で
泣いたことを思い出しました。

「いたいのいたいの

とんでけー」

今の私より
ずっと年若かった母は
どういう気持ちだったんだろうと
思いました。

2023年09月07日 04:16

出雲

先日、友人たちを出雲大社に案内しました。

行ったのは
出雲大社とその近辺と
裏出雲、といわれる
島根半島の裏側
にある神社仏閣、
古代の祭祀場などの
パワースポット

子供のころは
夏休みや冬休みに鳥取にいましたので
もう何度となく
出雲大社には行っています。

訪れると
いつも思い出すことがあります。

ーーーーーーーーーーーーーーー

十数年前
島根県松江市のインプラント学会に出席しました。
その際に
一人で一畑電鉄に乗って出雲大社に行き
お参りしました。

2礼4拍手1礼
家族の健康や診療室のこと、お願いしました。

以前ブログにも書きましたが

私の姉が亡くなったのは
そのしばらく後でした。

葬儀も
出雲大社でした。

葬儀の日、家族と喪服で
出雲大社にお参りしました

いつものように2礼4拍手1礼

それまでのことで意気消沈していた私は
その時、ハッと思いました。

家族の健康をお願いしていた出雲大社
姉が亡くなり
葬儀に出雲大社に来て
またいつものように参拝して
家族の健康を願う?
ちょっとまてよ、と

それまで平静を装っていた私は突然、
なんで死んだん?という思いになり
意気消沈して少々鬱だったのかもしれませんが
この場所に対して
なにか激しい怒りのようなものが
ふつふつと湧いてきました

そのすぐ後、子供が
「おみくじ、おみくじ!」と
おみくじを引きたがったので
一緒に引きました

神様が何を言われるのか
興味がある、みたいな
少々残酷な気持ちもありました

その内容は

待ち人
縁談
学業
仕事
方位
などなど

最後に一文
こうありました。

「神仏を恨むことなかれ」

びっくりしました
そして、
神様でも
どうにもならないこともあるんだな、と
思ったのでした。













 
2023年05月12日 09:46

タイミングについて

昔ある100歳近い高齢の患者様の総入れ歯を作りました。

普段は施設に入ってらして
入れ歯でさんざん苦労をしていて、
いくら作ってもダメだとのことで
紹介を受けました。
噛めない入れ歯で
入れたり外したり
何とか生活してらっしゃいました。

拝見すると、確かにかなり難しい状態でしたが
なんとか苦労して
総入れ歯を作りました。

そして口の中に入れると
はっ、とした感じで

いきなり元気な感じになり
歩く姿も変わり
しゃべっているうちに
あれ、この人こんなに背が高かったの?
というくらい姿勢も変わりました。

そのあといろいろ雑談をしたのですが
そのシャープさの変化というか

自分がノルウェーのトロムソでオーロラを見た時の
話をすると
「そうすると、コペンハーゲン乗り換えよね」
とか
なんだかびっくりする感じにかわり
費用も気持ちよく払っていただき

自分も、やってよかったなあ、と
つくづく思っていたのですが、

しばらくして
骨折して
寝たきりになってしまいました。
そして数日で
亡くなってしまいました。

その時に
「ああ、間に合わなかった」
と思いました。

もっと早く対応していれば
状況は違うものになっていたかもしれません。

タイミングは大事です
なんでも治療すればいい、というものではありませんが
しなかった時の代償も決して
小さなものではないことが多い
ということを知っておく必要もあります。

亡くなられた後
そのお顔を拝見した親戚の方が
とても美しいお顔だったと
先生が苦労されてたのは
そのためだったのですね、と言っていただき

そのためだけではないですが
でも少なくとも
その点では
苦労して作ってよかったと思いました。







 
2022年01月17日 10:19

陽だまり

認知症の話が連続していますが

私が診察に行っている老人ホームでのことです。

重度に認知症が進んでしまって
もはや寝返りを打つこともなく
発語や表情もなく
意思疎通も不可能な入所者のとある女性が
穏やかな陽だまりのベッドで横たわっていました。

私たちは口腔ケアのために部屋に入り
お声がけをして
お口を開けさせていただいたところ、
驚きました。

普段は乾燥気味の口腔内なのに
その日は大量の粘度の高い喀痰が
溜まっていたのです。

褥瘡防止のための側臥位であったので
窒息しなくて済んだのだと思いますが

急いで吸引器で喀痰をすべて除去し
口内を拭き上げて差し上げました。

部屋の壁にはその方の元気なころの写真や
ご家族とにこやかに過ごす写真が貼られていて

なんとなくですが、写真の中の穏やかなお顔に
戻ったような気がしました。







 
2021年08月15日 20:02

虫歯の洪水といわれた時代

夕食で鍋料理を食べたら
熱さで奥歯がじわっと痛くなって
すぐ治りましたが

噛み合わせ的に負担がかかっている歯なので
何かごく初期の問題があるのかもしれません。

こういう、あれ?ちょっと変だったぞ、と
感じたときは、何らかの問題があることが多いです。

おそらく肉眼的にもレントゲン診査でも
まだ原因を発見することはできないでしょう。

人間の体が微妙に発する危険信号は
きわめて鋭敏であると感じます。

こういう段階で
悪化していかないように
ちょこちょこっと軌道修正できるのが
本当の名医かもしれませんが

しかしながら、人の体自体も
かなり高いレベルですでにバランスをとっていることが多く
そこに人為的に手を加えることに対しては
注意が必要です。


ところで
歯痛で思い出したのですが

自分が幼児だった頃
何度か、歯の痛みで母親のひざまくらで泣いたことがありました。

だいたい夜で
「ちちんぷいぷい」とか
「痛いの痛いの飛んでけー」とか

そして朝6時台に
自転車の後ろに乗せられて2キロくらい先の
歯科医院へ行く

すると歯科医院の隣に大きな空き地があって
大きな錆びた缶?(灯油缶だったかもしれません)で焚き火をしていて
その周りにキャンプファイヤーのように
ぐるっと人が取り巻いて
暖をとりながら
順番を待っている

もちろん病院の待合室は人がいっぱいでした。

一言二言しか喋らない怖い先生でしたが
虫歯の洪水と言われていた時代で
しょうがなかったのかもしれません。

治療の後は
近くの肉屋さんで
コロッケを買ってもらって食べながら帰りました。
麻酔とか血とかで
微妙な感じだった記憶があります。





 
2020年03月16日 09:19

「言葉について」

小さい頃から
気の利いたセリフがすぐに出てこなくて
苦労してきました。

能力の問題かもしれないですが
結構言葉に詰まってしまいやすい
傾向があります。

そういう意味では意外とコミュニケーションで
苦労する方でしたが

ただ大人になるにつれて
「あの時軽々に発言しなくてよかった」
と思う場面が出てくるようになりました。

歯学部の学生だった時とか
卒業して大学病院で勤務していた時

その瞬間は「あ、今のタイミングであれを言えばよかったなあ」
なんて思っていても

よくよく考えて、後でぞっとしたりします。
「危ない、あんなこと言わなくてよかった、」と

大学で白衣を着るようになって
調子に乗っていたのかもしれませんが

周りにはいろいろな病気の人や、その家族がいて

ただ昔から言葉は出にくかったので
良かったのかもしれません。
何度か「危なかった」と思うことがありました。

合気道の先生がおっしゃってましたが
言葉は「言霊」になって
戻ってくる。
だから気をつけなくてはいけないと


言葉が出にくいことなど
昔は短所だと思っていたことが
歳と経験を重ねると
実は口が軽くないという
自分の長所だったのではなかと
思えるようになってきました。
2018年10月04日 00:00

「便利であること」

今はインターネット経由で世界中から物を買って
カードで支払ったりできるわけですが

こういうものすごい便利な世の中で
ちょっとアナログな事をしようとすると
えらい大変だったりしますね。
ネットで数秒で終わるようなことが
あっちこっち行ったり、何日もかかったり。

先日、うちの子がコペンハーゲンの空港の手荷物検査で
ナップサックを忘れて、デンマーク警察の遺失物係に
送金したことがあるのですが、
デンマーククローネで何クローネをこの銀行のこの口座にとか・・・

日本の銀行から円でさっと送れるかと思ったら
まだまだ、そういうところはダメなんですね。
こういうところは、シンガポールとか香港の方が
進んでるんでしょうかね。

金融機関の人も良くわからなかったりして
送金手数料もだいぶ高いですし、
送金先の銀行でも管理料を取られるかもしれないので
相手先に送った金額が届くかわからん(なんだそれ?)
みたいな

米ドルなら送れるとのことでしたが
米ドルとデンマーククローネのレートなどは
自分で調べなくちゃいけなくて
家に帰ってきて調べてまた行って
やっと書類を書き始めたら何とかNo.が必要です、とか・・・
時差もあるので後日相手先に確認して書き込んで再び出直す始末。

やっと受理されたかと思ったのですが
1週間後に電話がかかってきて、書類を修正してくれとのこと。
まだ日本にいたのかい!と思いましたが。

まあおかげさまで
ナップサックは1か月後にようやく帰ってきまして
子供のニンテンドーDSとポケモンソフトも帰ってきました。

ちなみにデンマークの警察の人も
「ポケモン」と言ってました。
世界共通語ですね。


情報技術の進歩で買い物もコミュニケーションにおける
距離の影響もえらく変わりました。
直観的なインターフェイスの下にある
極めて高度な技術
ちょっとしたほころびは
生活上の大きな支障につながる、
今日の社会の弱点かもしれませんね。
2012年11月11日 00:00

「北極圏に行ってきました」

北欧の北極圏最大といわれる都市に
歯学部を持つ大学があり、
行く機会がありました。

日本に比べるととても物価が高くて
2倍以上でしょうか。

税率も極めて高いのですが
その代わりに公共サービスが極めて充実しています。

あの雪と氷と気候ですから
インフラとその管理が相当充実していないと
たちまち村々は孤立化して
生命にかかわる危機に瀕するでしょう。
当然払うだけの理由がある、
ということでしょうか。

でも治安が良くて
人々が親切なことにも驚きました。

今回の旅ではあまりにいろんなことがありました。

荷物のことで地元の警察に世話になり
(自分の不注意ですが)
北極圏の風雪の中、スーツケースをひいて歩いて
地元の言葉でその名称がよくわからずに
さんざん雪道を歩いて別のホスピスを訪れてしまったり
その上ATMがなぜか使えず
たまたま自分の番でセルフチェックイン機が故障して、
オスロ空港でエレベータが故障して閉じ込められ
やっと乗った成田行きではオーバーブッキング・・・

ある意味ずいぶん勉強になりましたが。


それからなんと念願のオーロラも見ました。


人里離れた雪原で2~3時間くらい待っていると
現れました。

光る雲のようなものかと想像していたのですが
そんなのんびりしたものではなく

光る砂を空からまいたように
ふわーっと落ちてきたり
カーテンのように揺れてパッと消えたり
光の筋のような直線になったり
まさに変幻自在で
空一面に見ることができました。

晴天率の低い地域なので
とてもラッキーだったようです。
2012年03月31日 00:00

「また行ってきました」

今月の連休+2日ほどお休みをいただいて
またロサンゼルスに行ってました。

今回は見学ではなく
インプラント関連の研修と
審美歯科関連の研修。

今や日本の治療レベルも相当に高く
情報もすばやく、手に入る時代なのですが
わざわざ行ってこそ、わかることもあります。

最終日は時間があったので
お土産にチーズケーキを買って帰ろうと
お店まで行ったのですが
常温は無理とのことで諦め、
ぶらぶらしてバスを乗り継いで
飛行場まで行きました。

あちらのバスは危なっかしくて
車内で喧嘩が始まったり、
空港周辺は危ない地域だったりするので
慣れない私としては
けっこう緊張しましたが。

行き先表示を見るのに一生懸命で
座席の背もたれに手を置いていて
黒人のおばさんに怒られたりしたのですが

そのおばさんが
あんたどこまで行くのさ、とか
次は何とか通りだからまだよ、とか
遠すぎるから座りなさいよ、とか

別のバスでもやっぱり黒人の
おばあさんに世話になって
「その人ハワイ人みたいだから
シャトルまで行くわよ」などなど

皆、お礼を言うと気持ちのいい笑顔を
返してくれました。

治安には気を付けるに越したことは
ないのかも知れませんが

貧しさはあっても
いかにも下町らしい
血の気の多さと
おせっかいなほどの親切を
感じた旅でした。
2011年09月27日 00:00

「お正月」

皆様、あけましておめでとうございます。
今年が、皆様にとって健康で充実した1年となりますよう、
お祈りしております。

我が家は年末の姉の件がありましたので
派手なお祝いはない正月でした。

年末は30日まで仕事してましたが、
歳が明けて三が日は
初日の出を見に行ったり、
折りたたみ自転車など出して
子供と近所の公園などでぶらぶらしてました。

そして4日からは
北海道の小樽へスキーに行きました。
私は北海道フリーク、とまではいかないかもしれませんが
十数年前から年1~2回のペースで
遊びに行っています。

いつもレンタカーを借りていますが
今年の山中の吹雪はすごかった。
吹雪の中での地元民の運転の飛ばしっぷりにも
驚きましたが。

小樽はいい町です。
札幌のように巨大で移動が大変、ということも無く
風情があって、食べ物がおいしく
温泉もいい。

我々夫婦は自分から飲むほど
アルコールが好きではないのですが
どちらも歯医者のくせに
どちらかというと甘い物好きです。

今回もいろいろ行ってきました。

過去の名店が
なんだかいまいちになっていたり
(驕りのせいでしょうか)
新進気鋭の店の中には
一口だけで
「むむっ、これはちがう」と思わせる店があります。

勉強になります。
この「知り尽くしている」という感じ。

私は医療をやっていますので
まずよい結果をめざすことは大前提ですが
それを踏まえたうえで
歯科に対する、あまり良くない既成概念を
持って来院された患者さんに
「むむっ、これはちがう」と、
思ってもらえるような、

そんな医院を目指したいと考えています。
2010年01月07日 00:00

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