審美材料とMI
最近の歯科材料の進歩は著しく審美修復といわれる、
歯の白い詰め物、かぶせ物の
材料や、運用方法も
変化しつつあります。
基本的な流れとしては
MI(ミニマムインターベンション)といって
あまり削らず、できるだけ歯質を残す、
という方向になってきています。
人の身体は
ミクロからマクロまで
本当によくできていて
私たちの体なのに
私たちの理解が及ぶレベルでない
生命の深淵がそこにあります。
その一例として
すべての機械は
外側から
例えば、ふたを開けて、部品を外から外していって
最後に中心部に到達できるようにできていますが
ヒトの体は
そのような「アクセス」が
一切考慮されていなくて
あきらかに
誰かが「作ったもの」ではないな、と
学生時代の解剖実習の時に
思いました。
そのような
いまだに人知の及ばぬ構造、機能を秘めた
体の部分をできるだけ
残そうという考えは
非常に賛同できる
考え方です。
ただ問題もあります。
天然の歯は虫歯になりますが、
詰めたりかぶせたりした
人工物自体は
当然虫歯になりません。
虫歯のなりやすさのことを
カリエスリスク、といいますが
このカリエスリスクには著しい個人差があり
世の中には
歯ブラシしたことがないけど
虫歯になったこともない、みたいな人もいて
本当に不公平にできていて
カリエスリスクの高い方の場合、
虫歯を防ぐためには
糖分摂取のコントロールや
プラークコントロールや
フッ化物の使用など
患者様ご自身による
日々の努力がなければ
虫歯は防げない
(それでも減るだけで防げるわけでない)
ことがわかっています。
予防歯科のお手本とされている
最高レベルの予防結果を出した
スウェーデンの介入疫学研究でも
実は毎年のように治療を受けている人たちが
一定数います。
つまり
歯科医院に頻繁に通わなければいけないような
カリエスリスクの高い方の
虫歯の発生を減らそうと思えば
本人の努力が必須であるということに
なります。
そして残っている歯質の露出部が多いほど
そこは虫歯になる可能性があります。
特に歯と歯の間などの
プラークコントロールが難しい部分は
虫歯になりやすく
130年前からある概念ですが
虫歯になりやすいところをあらかじめ
人工物でカバーしてしまうことを
「予防拡大」といい
リスクが高いのに、
どうしてもプラークや糖分などの
コントロールができない方の場合や
来院が困難な方の場合、
ちゃんと「予防拡大」しておく方が
そのあとの被害が少なく済むこともあり
なんでもMIが
良い結果をもたらすわけではない事も
知っておく必要があります。
2026年11月02日 07:28