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日々雑感

部分入れ歯(部分義歯)の設計について

部分的に歯がない場合の治療として
インプラント、ブリッジ、部分入れ歯(部分義歯)があります。

部分入れ歯は
患者様がご自身で着脱する入れ歯です。

この、部分入れ歯は
私たち提供側の技術次第で
患者様の使用感に大きな差が出る分野でもあります。

治療計画作成時には
サベーヤーという器具を使って
0.1mm単位の設計を行い、
義歯の構造体としての強度や金属の弾性まで考慮して
入れるときはスッと入るけど、食事中に外れたり浮いたり
することがない、

そんな義歯を作ります。

歯科技工士さんの腕も大事ですが
技工士さんに任せきりもまずい

歯科医側が事前にサベーヤーを使って設計し
義歯が適切に入る口腔内環境を整えてから型取りし
0.1mm単位の詳細な設計を模型に描き込んでから
技工士さんに送ると
上手い技工士さんならば
設計通りにピッタリとした技工物を作ってきて

チェアサイドではちょこっと調整するだけで
患者様の口腔内にスッと入り

快適な使用感の
部分入れ歯を作ることができます。

設計、準備で
型取りをする前に
勝負が決まっている感じです。

部分入れ歯にはインプラントほどのしっかり感はなくても
当院で入れ歯を作った患者様は
十分快適とおっしゃる方が多いです。

このマンション内でも
かなりの数の義歯を作ってきてますので
ご不安な方は
当院で入れ歯を作られたという患者様に
お聞きになると良いかと思います。

それからいい部分入れ歯の特徴として
残っている歯を守る、という事があります。

部分入れ歯が入ると歯に負担がかかると考えられがちですが
実はいい入れ歯には
歯を支える効果があります。

精密な設計、安定した噛み合わせで製作した義歯は
機能時に動揺がないため
歯に負担を与えるのでなく
逆に歯を支える機能を発揮し

入れ歯を入れることによって
将来より良い口腔環境が
維持されることになります。

いい入れ歯は
それなりに費用もかかりますが
義歯の不具合がある場合や
義歯を含めた総合的な解決法なども

ご相談いただければと思います。








 
2026年07月21日 07:34

総入れ歯(総義歯)名人の話

最近はブログでインプラントのことを書くことが
多いですが

入れ歯(部分義歯、総義歯)も
過去数百年の人類の英知の結晶でも
あります。

日本には木彫義歯と言って
もっとも古いものは1500年代のものが
残っています。

驚くべきことに
現代の歯科学的観点から見ても
その形態は適切なもので

いわゆる、使える義歯だったんだろう
と思われます。
(歯はお歯黒ですが)

世界最古の実用総義歯とも言われているそうです。

ちなみに現代の話に戻りますが、

少し前まで
総義歯(総入れ歯)の世界には
名人、と言われる人たちがいて

大学教授にもいました。

20年くらい前
○○大の○○教授が作った総入れ歯の
端っこが少しはがれたので
診てくれと

私の元に新患の患者さんがいらして
ほんのちょっと
剥がれたところを直しました。

ほんの僅かだったし、
どう見てもきちんと直ったのですが

患者さんの口に戻すと
それまでビシッとしてたのに

なぜか
なんだか微妙にバランスが変わってしまって

あれ?何が起きたんだ?と

患者さんは気づいてないようでしたが

私は頭の中で
「うわっ、しまった!」と思い

しげしげと義歯を見るも
どう見ても問題があるようには見えず
「これ以上触っちゃだめだ」と思い

「すいませんが使ってみていただいて
問題あれば○○先生に診てもらったほうがいいかも」
と話して
帰ってもらったことがあります。

結局その数年後
その名人の流れを汲むとある先生のもとに
数か月通って習うことになりました。

その先生も
研修中、
他の受講生の集中力が途切れているときに
無言で私の前で普段やらない手技をやって見せてくれたり
職人っぽい人で

その先生が打ち上げの時に話してくれたのが
過去に総義歯の名人といわれた歯科医の話

名人と呼ばれるその人も
やがて病により入院したものの
病床でもずーと
治療のことを考えていて

死の間際に
「わかった!!!」と言って亡くなったらしい。

我々の業界
時々そういう話を聞きます。

昏睡状態であるはずなのに
手で診療していて
助手さんに指示を出したりとか

そこまでやれる人達は
ある意味幸せだったのかもしれません。










 
2026年07月15日 08:09

タイミングについて

昔ある100歳近い高齢の患者様の総入れ歯を作りました。

普段は施設に入ってらして
入れ歯でさんざん苦労をしていて、
いくら作ってもダメだとのことで
紹介を受けました。
噛めない入れ歯で
入れたり外したり
何とか生活してらっしゃいました。

拝見すると、確かにかなり難しい状態でしたが
なんとか苦労して
総入れ歯を作りました。

そして口の中に入れると
はっ、とした感じで

いきなり元気な感じになり
歩く姿も変わり
しゃべっているうちに
あれ、この人こんなに背が高かったの?
というくらい姿勢も変わりました。

そのあといろいろ雑談をしたのですが
そのシャープさの変化というか

自分がノルウェーのトロムソでオーロラを見た時の
話をすると
「そうすると、コペンハーゲン乗り換えよね」
とか
なんだかびっくりする感じにかわり
費用も気持ちよく払っていただき

自分も、やってよかったなあ、と
つくづく思っていたのですが、

しばらくして
骨折して
寝たきりになってしまいました。
そして数日で
亡くなってしまいました。

その時に
「ああ、間に合わなかった」
と思いました。

もっと早く対応していれば
状況は違うものになっていたかもしれません。

タイミングは大事です
なんでも治療すればいい、というものではありませんが
しなかった時の代償も決して
小さなものではないことが多い
ということを知っておく必要もあります。

亡くなられた後
そのお顔を拝見した親戚の方が
とても美しいお顔だったと
先生が苦労されてたのは
そのためだったのですね、と言っていただき

そのためだけではないですが
でも少なくとも
その点では
苦労して作ってよかったと思いました。







 
2022年01月17日 10:19

「部分入れ歯」

入れ歯には
総入れ歯と部分入れ歯があります。

自分の歯が少し残っている場合で
インプラントで歯を入れない場合
部分入れ歯を製作します。

部分入れ歯は
金属の骨格を用いることで
薄くて強く、快適な入れ歯にすることができます。

部分入れ歯を入れると
ひっかけている歯がダメになると
思っている方が
時々いらっしゃいますが
それは適合がよくない、
強度の低い、たわむ入れ歯が
原因であることが多いです。

ところが実際には逆で
正しく作られた部分入れ歯は
残っている歯の寿命を延ばすことになります。

ただし部分入れ歯の設計には
膨大な科学的知識の蓄積があり、
細かな配慮が必要です。

そのため当院の入れ歯は
すべて私自身が設計し、技工所に依頼しています。

制作する技工士さんも
日本でもトップレベルの人たちです。

患者さんの健康や生活に直接的にかかわることですから
勉強不足で不適切な設計をすれば
技工士さんに人間性を疑われます。

そういう点で
プロの世界というのは厳しいものですが

逆にわかっている者同士は
そのハートを分かり合える部分もあります。

そういう
やり甲斐もあるわけです。
 
2014年10月13日 00:00