~かけがえのない歯を大切にする治療、価値ある治療結果、そしてつらくない治療をめざしています~

HOMEブログページ ≫ プラークコントロールについて ≫

日々雑感

ご高齢の方の定期クリーニングの効果

歯科医院で行う歯のクリーニングを
どのくらいの間隔で受ければよいかという事については
議論があります。

高齢者の歯垢を定期的に清掃することによって
誤嚥性肺炎の発生率を著しく低下させることができる
ことは証明されています。

また歯垢のない状態が維持できれば
歯周病なども予防されます。

しかし、
歯垢は24-72時間で形成され
数日で病原性を生じてしまうので

理論的には月に1回プロがクリーニングしたからといって
誤嚥性肺炎や歯周病が予防できるわけではありません。

では月に1回のクリーニングにはどんな意味があるのか
ですが

実は
歯垢は古くなるほど硬くなり、
また厚みも増し、病原性も増してゆきます。

古くなった歯垢は
歯ブラシでは簡単には
取れなくなるのです。

なので
定期的に歯科医院で歯垢を取る、

そうすると、新しくできた歯垢は
柔らかく、
日々のご自身のケアで
容易に取ることができるようになります。

皆さん歯ブラシなどのケアは
毎日ご自身でなさっていますので

その時の歯垢を
皆様ご自身で、取りやすい状態にする、
そのための定期的な
歯科医院でのクリーニングなのです。

また
ご高齢の方の場合、
口腔周囲筋が硬くなっていたり
唾液分泌が減少していたりします。

それに対し
筋や唾液腺のマッサージをさせていただいて
咀嚼筋、表情筋の活性化
唾液分泌の促進

そういったことも
ご提案させていただければと思います。




 
2026年04月01日 12:08

ブラッシングについて

歯の表面に着く柔らかい白い汚れのことを
プラーク(デンタルプラーク)または歯垢(しこう)
といい、
最近はバイオフィルム、などとも呼ばれます。

これは食事のカスではなく
細菌のコロニーの集合体です。

糖分を摂取すると
この細菌たちも糖を摂取し
酸を排出します。

それによりプラークが酸性に変わって
酸性度の強さが、あるレベルを越えると
歯が溶けはじめる
これが虫歯です。

ここで虫歯予防を考えるうえで
ものすごく重要なポイントがあります。

溜まっているプラークが厚いほど
中心部の酸性が強くなることがわかっています。

つまり、厚いプラークほど中心部の酸性は強くなり、
薄いプラークの中心部の酸性度は弱い

プラークが薄く、酸性度があるレベル以下ならば
虫歯にはなりません。

つまり
プラークの厚みが問題。
これすごく大事な点です。

十分にプラークが薄く
虫歯の予防ができている方が
定期検診でいらしたときに

私が、もっと磨いて、とか
フロスしてますか、とか言わないのは
予防の目的を達成しているからです

予防できているならば
残った汚れは定期的にこちらで取ればよい
と考えています。

必要以上に
患者さんにブラッシングやフロスを
強要すべきでないと考えています。

必要以上の予防は
リーズナブルではありません。

食事の時間は古来から
わかりあう時間であり
腹の探りあい?の時間であり?
関係性を高める時間でもあり

食後の友人との楽しい語らいのひと時に
忙しい家族がやっと過ごせる貴重な時間に
ビジネスパートナーとの重要な会話の瞬間に

「あー歯磨かなきゃ虫歯になる」とか
「フロスしなきゃ」とか

思わせるべきではありません。

歯はものすごく大事なものですが、
時に歯よりも大事なものもあって

そっちで患者さんが人生を
懸命に、時に楽しく過ごしてらしているときに

私たちはそれを陰ながらサポートする
私たちが主張しすぎないことが重要と考えます。

ほんとに必要なら
あるいは患者様がご希望なら
もちろんいろいろなテクニックの
アドバイスをします。

「いつも飲んだまま寝ちゃうんだよなあ」
なんて人がいたら
それはまずいですよ、とは伝えますが

私たちプロは弁護士さんとかと同じで
こうするといいかも、というアドバイスはしますが
こうしてください、とは言いません。

やるかやらないか、
どのようにやるか、は
患者様がその時の価値観、優先順位で決めるもの
ではないかと考えています。

 
2024年06月14日 06:01

パウダーで予防

予防処置のための新しい設備を導入しました。

パウダーを吹いて歯垢を飛ばすことで
歯にやさしく、また従来器具の届きにくかったところまで
すっきりきれいにできます。

軽度のステインも同時に取りますので
やるほど、白くつるっとした歯になります。

短時間で歯にやさしく、すっきりと歯垢を取れる
予防処置の「ゲームチェンジャー」になりうる
新しいコンセプトです。

昔から着色を取るエアフローはあったのですが
パウダーや機械の性能に問題があって、
歯肉などにダメージを与える危険性がありました

でも今度の機械には歯肉へのダメージはありません。
そのため、歯と歯茎の境目のプラークまで取れて

つるっつるになります。

プラーク(バイオフィルム)が
古くなって
感染性が増す前に
パウダーですっきり除去してしまう

20数年前に
私の前の職場に歯科機械中堅企業の
エアフローの開発担当者が来たので

「いずれこの時代が来る」
(エアフローでプラークを取る時代)と
さんざん力説させていただいたのですが

時代が来るのに
20数年たってしまい
申し訳ありませんでした…

機械はスイス製です
この分野でも日本は取られてしまいました

世界のサイエンスの流れに乗って
どんどん英語論文でエビデンスを蓄積して
特許をとっていれば
機械やパウダーは日本の得意分野だったでしょうに

スマホでも
アップルのiphoneより前から
シャープの「ザウルス」とかあって
日本のお家芸だったのに

当時アップルは
パワーマック9000シリーズとか
非常に迷走していて
つぶれそうで
ジョブズが現れて
製品ラインナップをすべてリセットして
iMACを出して

ipadをジョブズが実演したときには
「あんな重いものであんなことするかよ」
みたいに笑われて
でもその後iphoneを出して
世界を変えてしまった

ちなみに
パウダーは従来の重炭酸ナトリウムとかではなく
エリスリトールというもので
汚れを落とした後、溶けてしまうので
口に残ることもなく、快適です。

半年に一回の定期健診だった患者様も
その間に1回もしくは2回とか
パウダークリーニングを入れるのも

いいかもしれません。



 
2024年05月17日 08:37

プラークは悪か

歯の周りに溜まる
白くて柔らかい汚れを
デンタル「プラーク」といい
最近は「バイオフィルム」とも呼びます。

バイオフィルムの中には
様々な虫歯の原因菌や
歯周病の原因菌が生息しており

その人がもともと持っている
細菌叢(さいきんそう)や
バイオフィルムの量や古さなどにより
病原性が強化され
虫歯や歯周病が発生しやすくなります。

かつては
悪玉菌の住処のバイオフィルムを
口腔内から根絶することで
予防歯科医学が完成する?かのように
考えられていましたが

どうやら
バイオフィルムの中には
なんと悪玉菌と戦う
善玉菌がいることがわかってきました

結局細菌レベルから
人間もそうですが
生態系の「力関係」から
逃れることはできないようですね
(天体、宇宙もそうかもしれませんが)

今は「とにかく除菌」とか
「細菌を根絶」とか
そういう時代ではなく

バランスが崩れて病原性が増した細菌叢を
どう「リバランス」するか
というところに
注目されてきていると

さらに
バイオフィルムの病原性だけでなく
人体側の感受性もあります
これも力関係

悪玉菌はあらゆる手段を使って
生き残ろうとするので
現代の科学では
抗生物質が到達しない
バイオフィルムのなかの
特に休眠状態で息をひそめている
悪玉菌を殺すことはできないらしい

かといって
バイオフィルムを化学的に根絶することは
善玉菌たちまで爆撃してしまうようなもの

悪玉菌たちは
数を減らすと
悪さをせず、おとなしくなります
ほんとに人間みたいで
おもしろいですが

おそらく
薬などで抹殺しようとするのではなく
歯ブラシなどで
機械的にバイオフィルムの量を減らし
古くなって病原性が増さないように
定期的にバイオフィルムを壊してやることで

悪玉菌が悪さをしない程度まで減らして
健康的な細菌叢、環境をつくる

私たちの生活環境も
やたら消毒剤をまく、とかではなく
やはり
整理整頓、拭き掃除などで
環境づくりをするくらいの方が
いいのかもしれません。




 
2024年04月04日 23:01