~かけがえのない歯を大切にする治療、価値ある治療結果、そしてつらくない治療をめざしています~

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日々雑感

唾液腺マッサージ

口腔ケアの手技の一つに
唾液腺マッサージという
ものがあります。

唾液腺には大唾液腺と小唾液腺
があり

主に大唾液腺のマッサージを行い
唾液の排出促進を行います。

唾液の機能には
食物を嚥下、消化しやすくし

口腔内を清潔に保ち
虫歯や歯周病などの感染症を抑制し
細菌やウイルスなどの外部からの侵入を防ぎ

口腔機能時の潤滑を保つことで
粘膜を保護したり、発音時の活舌を
改善したりなど

多くの重要な機能があり

またその中の消化酵素や殺菌・免疫成分
組織修復成分など

わかっている主要な成分だけでも
十数種類あります。

しかし残念ながら
加齢とともに
あるいは
内科疾患対する服薬の
副作用によって

唾液は減少し
様々な問題が発生してきます。

若い頃は歯が強かったのに
加齢とともに
いろいろな問題が起きてくるのは
唾液の減少が影響していることが
多いです。

また
若いころから
歯の問題が起きやすい方の場合

唾液中の有効成分の量や機能に
生まれつき
問題があることも多いです。

逆に言えば
唾液は若さの要(かなめ)であり
唾液分泌を促進させることができれば

多くのアンチエイジング効果が期待できることになります。

その方法のひとつとして
「唾液腺マッサージ」があります。

唾液腺のマッサージを行うことで
唾液分泌の促進を行うもので

耳下腺、顎下腺、舌下腺といった
大唾液腺に対して行います。

歯科医院で行うこともできますし
ご自身で行っていただくこともできます。

マッサージをした後
唾液分泌の増加を
実感していただけると思います。

これは単に
唾液腺を押したことで
中にたまっていた唾液が出てくる
いわゆるリザーバーエフェクト
といったものではなく

マッサージ後には
一定時間唾液分泌増加が続いたり
安静時唾液(刺激のない状態で出る唾液)自体が
増加することや
口腔乾燥間の改善が維持されたりすることが
研究で報告されており

触覚刺激、圧刺激による
副交感神経への刺激が
三叉、顔面、舌咽神経といった脳神経を介した
反射を起こし
唾液分泌が増えるものと
考えられています。

唾液腺マッサージ、
ご興味ございましたら
相談していただければと思います。











 
2026年05月12日 07:55

ご高齢の方の定期クリーニングの効果

歯科医院で行う歯のクリーニングを
どのくらいの間隔で受ければよいかという事については
議論があります。

高齢者の歯垢を定期的に清掃することによって
誤嚥性肺炎の発生率を著しく低下させることができる
ことは証明されています。

また歯垢のない状態が維持できれば
歯周病なども予防されます。

しかし、
歯垢は24-72時間で形成され
数日で病原性を生じてしまうので

理論的には月に1回プロがクリーニングしたからといって
誤嚥性肺炎や歯周病が予防できるわけではありません。

では月に1回のクリーニングにはどんな意味があるのか
ですが

実は
歯垢は古くなるほど硬くなり、
また厚みも増し、病原性も増してゆきます。

古くなった歯垢は
歯ブラシでは簡単には
取れなくなるのです。

なので
定期的に歯科医院で歯垢を取る、

そうすると、新しくできた歯垢は
柔らかく、
日々のご自身のケアで
容易に取ることができるようになります。

皆さん歯ブラシなどのケアは
毎日ご自身でなさっていますので

その時の歯垢を
皆様ご自身で、取りやすい状態にする、
そのための定期的な
歯科医院でのクリーニングなのです。

また
ご高齢の方の場合、
口腔周囲筋が硬くなっていたり
唾液分泌が減少していたりします。

それに対し
筋や唾液腺のマッサージをさせていただいて
咀嚼筋、表情筋の活性化
唾液分泌の促進

そういったことも
ご提案させていただければと思います。




 
2026年04月01日 12:08

マイクロ・クリーニング

当院はすべての治療台に
マイクロスコープを装備しているため

メインテナンスなどのクリーニング時にも
歯科衛生士がマイクロスコープを使用します。

歯石除去など様々な場面で
その効果を発揮しますが

審美性、の観点でも
効果的です。

顕微鏡レベルで細かいステインなどを
除去することができ、

なおかつ、
当院はプロキシマスターという
エアフローも装備していますので

これらの相乗効果によって

明らかに見た目が変わる
パッと見で歯の明るさが変わってくるような

そういうクリーニングを
提供しています。

私自身も
エアフローとマイクロで
ここまで効果があるとは
当初想像していませんでした。

ご希望の方は
ご予約をお取りいただければと思います。

ただし、初診でクリーニングご希望の方は
原則的には、先にDrの診察を
受けていただいております。

審美障害の原因は
古い詰め物や先天性の原因、
歯並びや歯髄の状態などが
関係していることもあるため、

先に診察させていただいて
総合的な観点から
ご相談させていただきたいと思います。






 
2025年08月29日 09:53

ブラッシングについて

歯の表面に着く柔らかい白い汚れのことを
プラーク(デンタルプラーク)または歯垢(しこう)
といい、
最近はバイオフィルム、などとも呼ばれます。

これは食事のカスではなく
細菌のコロニーの集合体です。

糖分を摂取すると
この細菌たちも糖を摂取し
酸を排出します。

それによりプラークが酸性に変わって
酸性度の強さが、あるレベルを越えると
歯が溶けはじめる
これが虫歯です。

ここで虫歯予防を考えるうえで
ものすごく重要なポイントがあります。

溜まっているプラークが厚いほど
中心部の酸性が強くなることがわかっています。

つまり、厚いプラークほど中心部の酸性は強くなり、
薄いプラークの中心部の酸性度は弱い

プラークが薄く、酸性度があるレベル以下ならば
虫歯にはなりません。

つまり
プラークの厚みが問題。
これすごく大事な点です。

十分にプラークが薄く
虫歯の予防ができている方が
定期検診でいらしたときに

私が、もっと磨いて、とか
フロスしてますか、とか言わないのは
予防の目的を達成しているからです

予防できているならば
残った汚れは定期的にこちらで取ればよい
と考えています。

必要以上に
患者さんにブラッシングやフロスを
強要すべきでないと考えています。

必要以上の予防は
リーズナブルではありません。

食事の時間は古来から
わかりあう時間であり
腹の探りあい?の時間であり?
関係性を高める時間でもあり

食後の友人との楽しい語らいのひと時に
忙しい家族がやっと過ごせる貴重な時間に
ビジネスパートナーとの重要な会話の瞬間に

「あー歯磨かなきゃ虫歯になる」とか
「フロスしなきゃ」とか

思わせるべきではありません。

歯はものすごく大事なものですが、
時に歯よりも大事なものもあって

そっちで患者さんが人生を
懸命に、時に楽しく過ごしてらしているときに

私たちはそれを陰ながらサポートする
私たちが主張しすぎないことが重要と考えます。

ほんとに必要なら
あるいは患者様がご希望なら
もちろんいろいろなテクニックの
アドバイスをします。

「いつも飲んだまま寝ちゃうんだよなあ」
なんて人がいたら
それはまずいですよ、とは伝えますが

私たちプロは弁護士さんとかと同じで
こうするといいかも、というアドバイスはしますが
こうしてください、とは言いません。

やるかやらないか、
どのようにやるか、は
患者様がその時の価値観、優先順位で決めるもの
ではないかと考えています。

 
2024年06月14日 06:01

パウダーで予防

予防処置のための新しい設備を導入しました。

パウダーを吹いて歯垢を飛ばすことで
歯にやさしく、また従来器具の届きにくかったところまで
すっきりきれいにできます。

軽度のステインも同時に取りますので
やるほど、白くつるっとした歯になります。

短時間で歯にやさしく、すっきりと歯垢を取れる
予防処置の「ゲームチェンジャー」になりうる
新しいコンセプトです。

昔から着色を取るエアフローはあったのですが
パウダーや機械の性能に問題があって、
歯肉などにダメージを与える危険性がありました

でも今度の機械には歯肉へのダメージはありません。
そのため、歯と歯茎の境目のプラークまで取れて

つるっつるになります。

プラーク(バイオフィルム)が
古くなって
感染性が増す前に
パウダーですっきり除去してしまう

20数年前に
私の前の職場に歯科機械中堅企業の
エアフローの開発担当者が来たので

「いずれこの時代が来る」
(エアフローでプラークを取る時代)と
さんざん力説させていただいたのですが

時代が来るのに
20数年たってしまい
申し訳ありませんでした…

機械はスイス製です
この分野でも日本は取られてしまいました

世界のサイエンスの流れに乗って
どんどん英語論文でエビデンスを蓄積して
特許をとっていれば
機械やパウダーは日本の得意分野だったでしょうに

スマホでも
アップルのiphoneより前から
シャープの「ザウルス」とかあって
日本のお家芸だったのに

当時アップルは
パワーマック9000シリーズとか
非常に迷走していて
つぶれそうで
ジョブズが現れて
製品ラインナップをすべてリセットして
iMACを出して

ipadをジョブズが実演したときには
「あんな重いものであんなことするかよ」
みたいに笑われて
でもその後iphoneを出して
世界を変えてしまった

ちなみに
パウダーは従来の重炭酸ナトリウムとかではなく
エリスリトールというもので
汚れを落とした後、溶けてしまうので
口に残ることもなく、快適です。

半年に一回の定期健診だった患者様も
その間に1回もしくは2回とか
パウダークリーニングを入れるのも

いいかもしれません。



 
2024年05月17日 08:37

プラークは悪か

歯の周りに溜まる
白くて柔らかい汚れを
デンタル「プラーク」といい
最近は「バイオフィルム」とも呼びます。

バイオフィルムの中には
様々な虫歯の原因菌や
歯周病の原因菌が生息しており

その人がもともと持っている
細菌叢(さいきんそう)や
バイオフィルムの量や古さなどにより
病原性が強化され
虫歯や歯周病が発生しやすくなります。

かつては
悪玉菌の住処のバイオフィルムを
口腔内から根絶することで
予防歯科医学が完成する?かのように
考えられていましたが

どうやら
バイオフィルムの中には
なんと悪玉菌と戦う
善玉菌がいることがわかってきました

結局細菌レベルから
人間もそうですが
生態系の「力関係」から
逃れることはできないようですね
(天体、宇宙もそうかもしれませんが)

今は「とにかく除菌」とか
「細菌を根絶」とか
そういう時代ではなく

バランスが崩れて病原性が増した細菌叢を
どう「リバランス」するか
というところに
注目されてきていると

さらに
バイオフィルムの病原性だけでなく
人体側の感受性もあります
これも力関係

悪玉菌はあらゆる手段を使って
生き残ろうとするので
現代の科学では
抗生物質が到達しない
バイオフィルムのなかの
特に休眠状態で息をひそめている
悪玉菌を殺すことはできないらしい

かといって
バイオフィルムを化学的に根絶することは
善玉菌たちまで爆撃してしまうようなもの

悪玉菌たちは
数を減らすと
悪さをせず、おとなしくなります
ほんとに人間みたいで
おもしろいですが

おそらく
薬などで抹殺しようとするのではなく
歯ブラシなどで
機械的にバイオフィルムの量を減らし
古くなって病原性が増さないように
定期的にバイオフィルムを壊してやることで

悪玉菌が悪さをしない程度まで減らして
健康的な細菌叢、環境をつくる

私たちの生活環境も
やたら消毒剤をまく、とかではなく
やはり
整理整頓、拭き掃除などで
環境づくりをするくらいの方が
いいのかもしれません。




 
2024年04月04日 23:01

予防的ということ

審美と関係のない場合でも

矯正治療をすることがあります。

人の前歯は年齢とともに
歯並びが悪くなる傾向があります。

歯並びが悪くなってくると
いろいろなことが起こってきます。

その中の一つに
粘膜を噛む、というのがあります。

食事中など、しょっちゅう
唇をいきなり噛んでしまう

その治療として
歯の形を修正したり
さらには
矯正まで行うことがあります。

粘膜に対する慢性的な外傷は
癌を引き起こすことがあるからです。

口腔癌になれば
人生が変わってしまいます。

矯正治療は
費用も時間もかかりますが
感謝していただけます

なぜなら
運命を変える治療だからです。


一方で
予防的治療は
やるべきでない
割に合わないという
医師もいます。

病気になってさんざん患者さんが後悔してから
スーパーテクニックで治したほうが
感謝されると(?)

ひどい話みたいですが
一理あります

予防的治療も
治療ですので
リスクも伴います

どんな大きなトラブルを回避できたとしても
患者さんがその価値を心から認めていなければ
「本当にやる必要があったのか」
「削る必要があったのか」「お金かけすぎたんじゃないか」
とかいう話になります。

もちろん画像や映像などで説明はつくしますし
患者さんが、ではやってください、と言わない治療は
するわけがないのですが

過去に歯で苦労した人ほど
やりたくないと思っている

でもやらなければ
数多の患者さんを見てきた者として
歯列の崩壊が目に見えている

歯が割れたりひどい痛みになったりして
本当に凝りて助けを求めてくるまで待つか

侵襲が少なくて済むうちに対応する習慣を
苦手意識を克服してつけてもらうか

そこが技術だと思っています。
苦労することも多いですが


 

2022年02月22日 08:44

「検診のこと」

治療後は数ヶ月に1回の定期検診を
お勧めしているのですが
この「数ヶ月」はいつも
あっという間に過ぎてしまいます。

6ヶ月おきの方も多いのですが
検診が2回あったら年が明けている
(当たり前ですが)
時の経つのは本当に早いですね。

ちなみに
毎日会っている家族や同僚とかと違って
数ヶ月に一度だと
患者さんの変化に気づきやすいです。

「あれ、急に痩せたな」とか
「歩きかたがちょっとおかしい」とか
顔色や表情とか…

患者さんが気づいていない
ごく初期段階の病気に気づく事もあります。

もちろん詳しくはわかりませんが

今までに患者さん自身より先に異変に気づいたのは
ガンとかパーキンソン病、あとアルツハイマー病など
でした。

そして私はそれが気になった時には
その事を患者さんに言うようにしています。
初期に対応すれば
進行を抑制できる事もあるからです。

でもしかられてしまう事もあります。
「健診したばっかりですよ」とか。

昔、ある方の歩く様子がちょっと気になったので
「糖尿の検査してますか」と聞いたとき
検査したばっかりだ、と
ちょっとムッとされてしまったのですが
その後膵臓ガンとわかった事がありました。

時に顰蹙を買ってまで
なぜわざわざ言うのかというと…

それは過去に、
言わなかった為に何度も後悔しているからです。

気づいているのに
「そこまで言う事もないか」とか
「ま、大丈夫だろう」とか
「気のせいだろう」
と言う姿勢でいることで
取り返しのつかない事になったりします。

あのとき顰蹙を覚悟でちょっと言ってあげれば
事態は変わったかもしれない
自分のもともとの消極的な性格が
災いした、取り返しのつかない状況…

ガンもパーキンソンもアルツハイマーも
進行してしまえば
不治の病です。
どんなに努力しても
どんなにお金をかけても
治らないわけです。

歯の健康は
言ってみれば「買える健康」です。
天然の歯に勝るものはありませんが
まあもし歯を失っても
入れ歯やインプラントで
日常生活に差し障りのないレベルの
機能回復は出来ます。

しかし世の中にはまだまだ
治らない病気があります。
病気が進行してしまった人にとっては
健康はもはやお金では買えないもの
になります。

ちょっとでも異変に気づいたなら
大げさなくらいでいいと思います。

以前とある患者さんが
歯を治療して欲しいと来院されました。
その方は昔からこの医院に検診に通ってらして
私が「ここを治療した方がいいのでは」と
言っていた歯があったのですが
ずっと治療しないままでいました。

その方がある日、治療して欲しい、と来院されたのです。
お話によると白血病を患って
入院生活の後、
なんとか治癒して生還されたとの事。

私が治療をお勧めしていた歯について
「どうして治療しようと思わなかったんだろう?」と
おっしゃってました。

私もちょっと考えましたが
もしかしたら
生死の境から生還されたことで、
お金とちょっとの努力で手に入る健康もあるのか、
という事に気づかれたのかもしれません

歯の健康は残りの人生の
すべての瞬間に関わる部分だと思います。

コミュニケーション、美味しく食べる事
その人の最後の瞬間まで
尊厳を守るものかと

元気なうちに治療なさるのは
とても良い事かと思われます。
2015年03月13日 00:00