~かけがえのない歯を大切にする治療、価値ある治療結果、そしてつらくない治療をめざしています~

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日々雑感

「魂について」

私は高齢の親と住んでいますが
先日突然の心筋梗塞で目の前で倒れてしまい
心拍も呼吸も止まってしまったので
急いで救急蘇生しました。

まさか親の蘇生術をすることになるとは思いませんでしたが

そのあと入院していましたが、
入院生活が退屈だとか言って
早々に退院してきました。

おかげさまで今は元気ですが

生と死の境目があんなに急に訪れることに
今更ながら衝撃を受けました。

直前まで生きていた人の心はどこに行ってしまうのか
本当に不思議に思います。

心というか、魂というか


学生だった時に解剖の実習がありました。
5-6人のグループになって
ご遺体の解剖をさせていただくのですが
確か半年くらいやっていたと思います。

実習の最終日には
ご供養の会といって
皆で実習室から大講堂に移動して
軽くお酒を飲んだりする会があるのですが、

私は会の初めだけ顔を出した後
解剖を続けたかったので
一人実習室に戻りました。

静かな実習室にいるのは私だけでした。
ご遺体は確か10体くらいでした。

その時も考えました。

人の心とか魂は
一体どこに行ってしまうのか。

一つ確かなことは
遺体の中には魂などありません。

どんなに解剖してもどこかにあるわけでなく
そんな感じもしないです。

霊とか見えるのかなと思って
実習室を見回して見ましたが
まあ、見えませんでした。


たぶんそこにはいないのだと思います。

どこにもいないのかもしれないし
生きている人の心の中にいるだけなのかもしれないです
2018年10月04日 00:00

「共感力について」

先日、昇段審査を受けますか、というお言葉をいただき、
大変光栄なのですが

技や動きは、
やればやるほど身についてゆくように
感じていますが

なかなか難しいのは
心のほうです。

高段者の先輩方は
明らかに大人というか
何か違う感じがあって

自分が子供ぽい?のかもしれませんが


最近思うのは

自分は他の人が大事に思っていること
そういう繊細な部分に対する
共感力、が足りないのではないかということ

先日も
後から、しまったなあ、と思うことがありました。

この共感力を磨くというのは
どうしたらいいのか、
考えました。


わかったふりをすればいい、
ということではないのはわかります。

一つは、経験でしょうか。
経験すればわかることもある、
これは事実だと思います。


あと最近もう一つ、ヒントを見つけました。

ある本で
ネガティブ・ケイパビリティという言葉に出会いました。

とある精神科医の書いた本でしたが

今の時代はとにかく急いで結論を出したがる世の中で
素早く到達することで
わかった気になってしまう。


ネガティブ・ケイパビリティとは

「共感を持った探索をするためには
探求者が結論を棚上げする
創造的な能力を持っていなければならない」


それはつまりこうなんでしょ、とか
わかるよこうなんだよね、とか

そうやって性急に結果を出すのではなく、
答えのない、出口の見えない状況に
じっくり耐える能力

先の見えない状況の中でも取り乱さずに

必要な時間をかけて
深く感じるための胆力を培う


自分が思うに
それができる人は
なんというか、先の見えない
暗闇の中でも
根本的なところで
楽天的というか

腹が据わっている
ともいえるかもしれません。

腹の据わり
武道的なところに戻ってきました。
課題はそこかもしません。
2018年08月30日 00:00

「子供の口呼吸」


最近は口呼吸をしてしまう子供が多いらしいです。

原因は定かではありませんが
一説によると食べ物が柔らかくなって
あまり噛まなくなったから、
というのもあるらしい。

口呼吸をする子供の上顎の歯列は
V字型をしていることが多いです。
そして上顎の天井が(口蓋といいます)
深いです。

そういう
V字型の子供はU字型(理想形)の子供に比べ
歯が生えるためのスペースが少ないので
歯並びが悪くなります。

それだけでなく
V字の子は
鼻の気道
鼻腔も狭いです。

ちなみに
人の舌は本来
上の顎にくっついているのが
理想的な「舌位」と言われます。

舌位がいいと
成長時に上顎を押し広げ
上の歯列をU字型にするのですが

V字型だと
鼻腔が狭く
息苦しいので
口呼吸になり

その結果
舌位が悪く
歯列がU字型にならない。

その結果
歯並びが悪いままになります。

また口呼吸は
歯が乾燥して虫歯になりやすいです。

歯垢がたまりやすいとか
虫歯になりやすいのは
口呼吸が原因の可能性もあります。

歯肉炎にもなりやすいし
リンパ節も腫れやすいです。
鼻腔が狭いので
わずかな炎症ですぐ鼻がつまります。

口臭も出やすいし
気道が狭いので息苦しく
気道を広げるために
下の顎を前に出す傾向が出て来て
背中が丸くなり
姿勢が悪くなります。

また口呼吸では
眠りが浅く
いびきをかいたり
歯ぎしりしたり
寝ているのに突然騒いだり
おねしょをしたり
朝から疲れている様子が
みられます。

日中眠くて
いらいらしたり
授業に集中できず
背中が丸いので頭が重く
頬杖をつくのが習慣になり
顎のバランスも崩れて来ます。
また口がダランとしているので
口輪筋という口の周りの筋肉が発達しておらず
への字口で
口で息をしながら食事をするので
こぼしやすかったり音がしたり
やたら食べるのが遅いか、
丸呑みしてしまう傾向があります。

成長期のあいだ中こんな状態だったら
どれほど人生に影響するでしょうか。
睡眠、呼吸、消化が適切でない状態は
どれほど
その子の人間形成に
影響を与えるでしょう

大人が見つけてあげて
対応してあげれば
子供はその子が持つ
本来のパフォーマンスを発揮することができる
かもしれません。

V字型の歯列をU字型に発達させるには
小児矯正装置と機能訓練が必要です。

中学、高校生くらいまでは
ギリギリできますが
理想的には
小学生のうちかと思われます。
2018年06月04日 00:00

「腰眼(ようがん)について」

歯科医はある程度の年齢になると腰痛が持病という人が
多くなります。
体をねじって患者さんの口の中を見たり、治療したり
する事が多いからだと思います。

私はおかげさまで
腰痛は無いです。

たぶん診療の時に
体をねじらないからだと思います。
来院されている方はご存知の通り
私はほとんど顕微鏡を使って治療しますので
ねじる必要も、覗き込む必要も無いからです。

まっすぐ座って
前を見ると
目の前に治療する歯がくっきり見える、

本当に歯科用顕微鏡を導入して
良かったと思います。

あとは普段から
正座とか
座る練習をしているのも
関係あると思います。

合気道の時に
正しい正座とか
立ちかた座りかたも練習します。

正しい座りかたをしていると
押されてもバランスが崩れず、
股関節に重心が乗っているので
自在に動く事が出来ます。

冬に1時間正座をする行をやりますが、
それをするとちょっと正座がわかる気がします。

背骨の両脇の、腸骨の縁に
腰眼、というつぼがありますが、

正座の時にはその腰眼をきゅっと立て
股関節の中心に重心をのせ、
上半身は肩肘張らず
ふわりと腿のうえに手を置く。

肩肘はって胸を張りすぎると
対面する相手に威圧感を与えます。
そもそも相手に威圧感を与えてしまうのは
合気道のコンセプトから外れてしまいます。

安定した感じ、そして力の抜けた感じ
そのポイントは
腰眼にありそうです。

練習の時に袴をはきますが
袴には背当て、というのがあります。
腰眼を守り、腰眼を鍛える
らしいです。

座りかたを学んだ事で
最近寿司屋のカウンターとかでも
何となく違和感無く
座れるようになってきました 笑

まだそんなに居心地が良いわけでは
ないですが 

顕微鏡とか合気道とか
いろいろな事が
おかげさまで
いいタイミングで
めぐりあわせている感じがしています。
2017年04月29日 00:00

「耳と目」

最近通勤中に時々思うこと
があります。

周りと自分が見えていない
怖さというか

人の良さそうな背広の中年男性が
満員電車で足を大きく開いて立っていて
周りの迷惑に気づいていなかったり

イヤホンをして
スマホを見ている高校生が
電車の座席が開くと
一目散に駆け寄って
座ってまたスマホを見るとか

混雑した駅で
ちょっとぶつかりそうになっただけで
舌打ちをするとか

一緒に合気道やりませんか!(笑)と
言いたくなります。

私自身もすぐ周りが見えなくなりやすかったのですが
歯学部で鍛えられた?のと
経営者として多少社会に揉まれた?のと
合気道のおかげで
ちょっとだけ変わったと思いたいです。

合気道は1対1でなく
1対多人数を前提にしていますので
自分の軸を立てて周りを見ます。

まず目の前の180度が見え
半身を切り替えると後ろの180度が
見えます。

周りを見ながら
一人の相手に対応する練習をします。

そうやって鍛えている間に
自分の周りの小さな変化に
気づけるようになりたいと思っています。

武道の本で
『耳で見て、目から聞く」という言葉を見て
なるほどなあと思った事があります。

音や声から状況を感じ取り
相手の様子からその人の物語を聞く。


歳をとるほど
目も耳も衰えるのかもしれませんが、

見えなかったものが見えて
聞こえなかったことが聞こえるように
なりたいと思っています。

これは歳を重ねた者が魅力的であるために
欠くべからざるものではないかと思うのです。
2017年03月19日 00:00

「ストーブと風邪」

また年が明けてしまいました。

皆様、あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願い申し上げます。

去年の年末はなかなかアポイントが取れなくなってしまい
大変ご迷惑をおかけしました。
この問題を正月明けから
何とかしなければと考えています。

今日、初詣に行っておみくじを引いたら
「勢いのあるうちに動きなさい」みたいなことが
書いてありました。
さすがです。

動いた結果はいつでも
いい時もあればよくない時もある。
でも根本的なところがぶれなければ
まず大丈夫だろうと
感じています。


ところで
冬休みに入って
診療室に行って事務的な仕事をしているときは
すこぶる調子がいいのですが
家で掃除して
ストーブの前でごろごろしていたら
風邪をひいてしまいました。

まだまだですね。

自分が今研修に通っているセミナーの
講師の先生は歯科技工士ですが
すでに80歳で
バリバリの現役で仕事をしています。

どちらかというと
日本より世界で有名な人で
世界的に有名な歯科医の多くが
その人の指導を受けたり
多大な影響を受けたりしている。

え、ここ?と思うような
下町の古い技工学校で
セミナーをしていますが
今も世界中から招聘される第一人者で
理論も最先端、一流です。

その先生はむかし剣道をやっていて
若かりし頃、ニューヨークに渡って
お金がないとき
剣道の指導の助手をしていたらしいです。

そして今でも朝夕200回ずつ
日本刀を振っていて

ちょっとした腰痛などの不調は
丁寧に剣を振ると
治ってしまうらしい。

その話を聞いたとき
この人は武道を「内面化」しているな
と思いました。

昼食をとりながら
「いやあ大学とかで
専門にやってる人たちには
試合ではかなわないんだよ」、と
その人は言ってましたが

そういうものではないように
思います。

私の合気道の師範もよく言っていますが
きっと武道は
一本取ったら勝ちとか
打ちのめしたら勝ちとか
そういうものではない。

いろいろ考えはあると思いますし
むかしは私もそれがどういう意味なのか分かりませんでした。

でも今この歳になって思うことは
武道をやるうえでの真の勝者は

武道を深く「内面化」して
気持ちと体を使い
弱さをよせつけず、
人生を長く、そして力強く
最後まで前向きな気持ちで生きられた人
なのではないか

そう思うわけです。

ちょっと風邪とか
どこか痛くても
武道をやると
治ってしまうという経験を
よくします。

今は頻繁に練習していないと
その状態を維持できずに
休むといきなり風邪をひいたりしますが(笑)

いつか歳を取ったり体を壊したりして
できなくなる時が来るかもしれない。

しかしその時までには
武道を深く内面化して

練習をしていなくても
強さと免疫力と
前向きな心を維持できるようになる、

それが今の目標でもあります。
2017年01月01日 00:00

「習うことについて」

もう10月も終わりに近くなり
夏が過ぎると早いですね。

歳とともに、1年がどんどん早くなります。

歯科医になって20数年、
やっと落ち着いてきたかなあという思いもありますが、

まだまだ勉強しなければならないこともたくさんあります。

奥の深い世界で
なんというか、
ロマンがあるというか

そういう分野で、よかったです。

歯科学のなかでも
いまだによくわかっていない分野もあります。

それは、
「かみ合わせ」のような
日々の臨床に直結しているのに
じつはあまりよくわかっていない
そういったものがあります。

いくつかのグループが
自分たちの理論こそが正しいと
主張しあい続けて
結局証明できずに
うやむやのままになっている

正解はいくつかある可能性もあります。
でももっとも合理的で無理のない正解はどれか。
その答えを持っていて、そしてそれを教えられる人は
ひょんなところにいるかもしれません。

世界の様々な理論の提唱者の臨床を実地で見てきて
一緒に仕事をしてきて
その後、最も合理的な答えを見つけて
それを日々自分の手を動かして
実現している人

本物かどうかは、その人に習った人が
結果を出せるかどうかを
みればわかります。

今はそういう人のもとにも
研修に行っていまして、

そこはずいぶん下町にある
えらく古い感じの建物で
機械など何もかにも
まあ、古いというか

でもその理論に
希望を感じるわけです。
最高を提供できる可能性を


以前、こんな話を読みました。

日本人で世界的に有名な、とある心臓外科医が
ある手術法を改良するに当たり
悩みます。

すでに答えは教科書にはのっていないわけです。

そして彼はある日、とある筋からヒントを得ます。
その答えはもしかしたら
スペインにいる天才とも、変人とも言われ
学会から無視されている
心臓病理学者が持っている可能性がある。

彼はスペインに飛び
気難しげな顔の病理学者を訪ねる。

彼は病理学者の妻に言います。
ご迷惑かもしれませんが、御主人にどうしても教えていただきたい

妻は答えます。

よく来てくださったわ。
主人はあなたのように一人で飛び込んでくる人が
大好きなんです。
遠慮なくなんでも聞いてください。
それが一番嬉しいのよ、と


物事を習う以上
礼を尽くして習い、
腹を括って
質問するわけです。
(腹を括るというのは
正しい日本語でないらしいですが)

自分が成長してくると
若いころのように
何もかもが素晴らしいお手本など
いなくなります。

若い先生の時などは
見えてしまうこともある。
でもそこでああだめだと
思ってしまうと
学べないわけです。

素晴らしいところをしっかり見て
時にそれが見えるまで待って
そして学び取る

そういう、出会い
学びの場、距離感、そして
その空気感


そういう場にいることができて
本当によかったと
思うわけです。
2016年10月20日 00:00

「とある弓の本」

前回の更新から
だいぶ時間がたってしまいました。
すみません。

最近は診療がだいぶ忙しくなりました。
特に、これまでに歯のことで苦労をしてきて
「噂を聞いて」ここにいらっしゃる方が
多くなってきました。

腕を発揮できる機会が多くなって
大変やりがいを感じておりますが

あと10年早くここに来てくれれば、と
思うことも多いです。

また最近はアポイントが入りにくくて
もう一人自分がいれば
もっと早く解決できるのに、と
思います。

多くの方の治療が数か月から1年
かかります。

今の2週間に一回の治療が
週に一回できるようになれば
治療期間が半分にできる、

悩みどころです。


ところで
最近読んだ本は
「弓と禅」という本。

戦後に東北大の哲学の教師として招かれた
とあるドイツ人が
弓道を習う話です。

的に当てるのに「的を狙うな」という話、
この話は昔どこかで聞いたな、と思っていましたが
この本の内容でした。

彼は弓道の修行の中で悩みつつ様々なハードルを
越えてゆくのですが
ある問題をどうしても解決できず
にっちもさっちもいかなくなり
希望を失いかけます。

そんなある日、彼は師とお茶を飲む機会がありました。
それは偶然なのか、師が意図的にされたのか
わかりません。

彼はこのチャンスに思いのたけを師にぶつけます。
どうしたらいいのか、と。

師は答えます。
「本来、正しい道は
目的がなく、意図がないものです。」
「あなたは意志で行わないと
何も生じないと思い込んでいます。」

さらに食い下がる彼に師は言います。

「あなたは正しく待つことを
学ばなければなりません。」

「時が熟すまで、お待ちなさい」


正しい行いをするのは
天国に行きたいからではなく
地獄に落ちたくないからでもなくて

意志の力でなく、
目的や意図も持たずに
自然に善行を積めるならば

人として、もう大丈夫なのかな、と思うわけです。


そして「正しく待つこと」についてですが、
これは私の現段階での考えではありますが、

最近はSNSでも
子供の成績でも
資産運用でも
すぐに結果が出るものが
要求されることが多く、
世の中全体から
「待つ力」が失われつつあるように思います。

安直な解決策を求めることをせず
地道な努力で力を蓄え
希望を持ち続けて
在り方や姿勢も大事にして
待つことを
「楽しむ」ことではないかと

そうして
自分自身も含めた
人(ひと)の可能性を信じて
待ってあげられる力をつけることが

「正しく待つ」ためには
必要なのではないかと
思っています。

なかなか難しいことですが。
2016年03月31日 00:00

「パイロットと嵐」

年末のお休みになりましたので
部屋の片づけなどしています。

古い本を整理していると
こんな一節がありました。

世界で初めて無着陸・無給油で
世界一周飛行をしたパイロットの
ディック・ルータンという人の言葉だそうです。

「優秀なパイロットとは
その優秀な操縦技量を使わなくてすむような
優秀な判断力を持ったパイロットである。」

歯科医に似ていると思いました。



もちろん歯科医にとって
最新の知識や技術の習得は必要だと思います。

それによって
治療が患者さんにとって
楽でより確実なものになったり
それを歯科医が知っていることで
患者さんの生活の質が著しく向上することも
あるからです。
そのために歯科医が毎年知識を
アップグレードすることは
エネルギーもコストも必要ですが
必須であると考えています。

しかし
スーパーテクニックを駆使して
次々に重症患者を救う、のではなく

軽症、あるいは未病の段階で
「これはまずいぞ」と気づいて
将来の方向性をちょっと修正してあげて
重大なことにならないようにするのが
開業医としてのメインの仕事であると
考えています。

歯のことだけではありません。
胃腸など消化器のこと、栄養のこと、
姿勢のこと、筋力のこと、

よく観察している歯科医なら
わかっていることと思います。

特にご高齢のかたの場合、
噛めていない人に
いいかみ合わせの
安定した義歯が入ると
表情だけでなく姿勢も変わり
一気に若返ること、
猫背で元気のなかった方が
数日で一気に体力を回復する様子を
おそらく何度も経験していることと思います。

健康な歯やかみ合わせが
持つパワーですね。

嵐に巻き込まれてから
スーパーテクニックで乗り切るのではなく
先ほどのパイロットの話のように
嵐の危険性を見抜いて、嵐を避けて飛ぶ
一時的には遠回りになるかもしれないし
多少の労力も必要になるかもしれません。
歯科医がそれを伝えるのも
ちょっと大変な時もありますが

結果的には
その人の長く、健康的な人生につながるわけで

そのために仕事をしているわけです。



今もたくさんの仕事を任せていただきました。
そして来年も
始めから最後までつらくない治療で
良い結果を提供できるよう
努力したいと思います。
アポイントが少々取りにくくなっていて
申し訳ありません。


今年一年、大変お疲れ様でした。

ではよいお年を、お迎えください。
2015年12月30日 00:00

「ご高齢の方のインプラントについて」

最近、休診の木曜日に時々
老人ホームで歯科診療をしています。

ご高齢の方の虫歯の治療をしたり
ほとんど自分で歯を磨けなくなってしまった人の
ケアをしたりします。

あと入れ歯の修理とか。

それから最近
インプラントが入っている方も
多くなってきました。

自分は昔、ご高齢の患者さんの治療に
インプラントを使う事に否定的でした。

もし寝たきりになったりして
歯が磨けなくなって
インプラントが炎症を起こしたりしたら
どうするのか、
だから高齢者にインプラントをするべきではない
と考えていました。
将来高齢化社会で
インプラントは大問題になるのではないか
なんて、思ったりしていたわけですが

老人福祉施設で診察していると
ご高齢やご病気で、すでに自分では磨けないような
条件の良くない口の中でも
インプラントが元気にその方の歯や入れ歯を
支えていたりします。

「この方はインプラントが無ければ
この食生活は維持出来ないだろうな」と思わせるほど
時にインプラントがその方の
QOL(クオリティーオブライフ)に
貢献していたりします。

インプラント治療にあたり、
顎の骨が少ないなど
条件の良くない方の場合、
治療は大変なので
お勧めしません。

でも逆に条件の良い、
簡単に、確実なインプラントが出来そうな
ご高齢の患者さんなら、
ちょこっとインプラントを入れて
(この表現には語弊があるという歯科医も
いるかもしれませんが)
美味しく食べられる日々を過ごしていただくのも
悪くないのではないか、と
最近は思い始めています。

CTスキャンや
サージカルガイドといわれる、
名前だけ聞くと物々しい感じの
最先端の機器を使う事で
逆に身体的負担の少ない
治療をする事ができます。

以前のオーソドックスな方法に比べると
治療時間は5分の1くらいになりました。
一般外科で言う内視鏡手術のような感じで
切開もしません。

患者さんにとって
いかに痛くなく、
いかに早く楽に、
でも確実に長持ちさせるためには
どうしたらいいか
それらにこだわって設備などの導入をしてきました。

旧態依然の手術方法であれば
お勧めしませんが
テクノロジーの進化のおかげで
ご高齢の方にも
負担の少ない治療が
提供できるようになってきたと
感じています。
2015年09月07日 00:00

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